耐震等級3の証明書とは?書類の種類・取り方・なくした時
耐震等級3は、会社ではなく住宅1棟ごとに評価されるものです。多くのハウスメーカーや住宅会社が等級3を掲げていますが、「全棟で標準」「商品によって対応」「プラン次第」「相当」など、その中身は会社ごとに違います。
会社名で選ぶより、標準の範囲、構造の確かめ方、受け取れる書類で見分けると、違いを確かめやすくなります。この記事では、等級3の表示の5つの型、公式サイトやカタログの注記の読み方、「地震で倒れなかったハウスメーカー」は国の調査で分かるのか、そして公式サイト・商談・契約の3段階で確かめる方法をご紹介します。
- 耐震等級3は「会社」ではなく「1棟ごと」に決まる
- ハウスメーカーの「等級3」の表示は5つの型
- 公式サイト・カタログの注記の読み方
- 構造の確かめ方は会社の方針で違う
- 木造・鉄骨・プレハブで等級3の意味は変わるか
- 「地震で倒れなかったハウスメーカー」は国の調査で分かるか
- 見積もりで比べる|等級3にかかる費用の項目
- 公式サイト・商談・契約の3段階で確かめる
- 建売・分譲住宅を選ぶときの見分け方
- アイム・ユニバースの耐震等級3
- よくある質問
1. 耐震等級3は「会社」ではなく「1棟ごと」に決まる
耐震等級は、住宅性能表示制度で住宅1棟ごとに評価される等級で、会社単位で付く等級ではありません。国に登録された住宅性能評価機関が、その住宅の設計や工事を確かめ、結果を住宅性能評価書として交付します。
そのため、「耐震等級3のハウスメーカー」という言い方は、正確には「建てる家を耐震等級3にする方針の会社」という意味になります。同じ会社でも、商品や間取り、敷地の条件によって、建てる家の等級が変わることがあります。
型式の認定と、1棟ごとの等級の関係
品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)には、住宅やその部分の型式の性能をあらかじめ認定する「住宅型式性能認定」や、その型式の住宅や部分を製造・新築する者を認証する制度があります。これは、評価のときに型式の性能を満たすものとみなして審査を簡単にする仕組みで、会社のすべての家を等級3と認める制度ではありません。引き渡される家の等級は、その家の評価書で確かめます。
耐震等級3の意味や、1.5倍の考え方は耐震等級3のコラムでご紹介しています。
2. ハウスメーカーの「等級3」の表示は5つの型
同じ「耐震等級3」でも、会社の表示は大きく5つの型に分かれます。気になる会社の公式サイトやカタログを、この表に当てはめてみてください。
| 表示の型 | 意味 | 追加の費用 | 確かめる書類 |
|---|---|---|---|
| 1. 全棟で標準(評価書あり) | すべての家で等級3とし、住宅性能評価書を取る | 含まれる場合と、申請費用が別になる場合がある | 設計・建設住宅性能評価書 |
| 2. 全棟で標準(社内の計算) | すべての家で等級3の水準に設計するが、評価書は取らない | 評価書を希望すると追加になることがある | 構造計算書。評価書が取れるかを確かめる |
| 3. 商品によって対応 | 等級3の商品と、そうでない商品がある | 商品の選び方で変わる | 選ぶ商品の仕様書と評価書 |
| 4. プラン次第・オプション | 間取りや希望によって等級3にできる | かかることが多い | 見積もりの内訳、評価書 |
| 5. 相当 | 会社の計算で等級3の水準とし、第三者の評価は受けない | 評価にかかる費用はない | 構造計算書(評価書なし。表示は「相当」) |
どの型が良い・悪いということではありません。大切なのは、検討している家がどの型にあたり、地震保険の割引に使える書類や、ローンの優遇に必要な証明を受けられるかです。5の「相当」の中身の見分け方は、耐震等級3相当のコラムでくわしくご紹介しています。
3. 公式サイト・カタログの注記の読み方
等級3の条件は、見出しや大きな文字より、ページの下やカタログの欄外にある注記に書かれていることが多くあります。次の言葉を見つけたら、意味を確かめてみてください。
| 注記の言葉 | 読み方と、確かめたいこと |
|---|---|
| 「※一部の商品・プランを除く」 | 等級3にならない商品・プランがある。検討中の商品が含まれるか |
| 「原則として」 | 例外がある。どんな場合に例外になるか |
| 「対応可能」「取得可能」 | 希望すれば等級3にできる。標準ではない場合があり、費用と手続きを確かめる |
| 「等級3相当」「等級3同等」 | 第三者の評価書がない。どの方法で確かめたか |
| 等級の欄の名前がない | 倒壊等防止の等級か、損傷防止の等級も3か |
また、実大の振動実験や、過去の地震での被害の発表は、各社がそれぞれの条件で行ったものです。どんな建物で、どの揺れを、何回加えた結果かを確かめると、ほかの会社の発表とも読み比べやすくなります。
4. 構造の確かめ方は会社の方針で違う
全棟で許容応力度計算(構造計算)をするかどうかは、会社の方針で違います。2025年(令和7年)4月の建築基準法の見直しのあとも、一般的な広さの木造住宅で、構造計算が一律に義務になったわけではないためです。2階建て以下の木造で構造計算が必要になる規模は、延べ面積500㎡超から300㎡超に引き下げられましたが、それより小さい住宅では、壁の量などを確かめる方法で設計することもできます。
同じ等級3でも、建物ごとに柱や梁にかかる力まで計算しているかどうかで、確かめている範囲が変わるためです。計算方法の違いは、耐震等級3のコラムでご紹介しています。
| 同じ等級3で違いが出る項目 | 聞き方の例 |
|---|---|
| 構造の確かめ方 | 全棟で許容応力度計算をしていますか |
| 損傷防止の等級 | 倒壊等防止だけでなく、損傷防止も等級3ですか |
| 評価書の種類 | 設計・建設のどちらの評価書を取りますか |
| 制震の有無 | 制震装置は標準ですか。製品名と本数は |
| 標準の範囲 | どの商品・プランで等級3が標準ですか |
制震の働きは耐震等級の評価には入りませんが、くり返す揺れへの備えとして比べる項目になります。くわしくは制震ダンパーのコラムをご覧ください。
5. 木造・鉄骨・プレハブで等級3の意味は変わるか
耐震等級は工法を問わず同じ物差しで、木造でも鉄骨造でも、等級3は等級3です。どの工法でも、建築基準法が想定する地震の力の1.5倍に対して倒壊・崩壊しない強さを示します。
工法によって違いが出るのは、間取りの自由度、建物の重さと地盤の関係、そして地震保険の構造の区分です。地震保険では、主に鉄骨・コンクリート造などのイ構造と、主に木造などのロ構造で基本の保険料が違います(木造でも省令準耐火建物などに当たる場合はイ構造)。ただし、耐震等級の割引率(等級3なら50%)は同じです。工法で会社を選ぶより、その家の等級と書類を確かめることが大切です。
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6. 「地震で倒れなかったハウスメーカー」は国の調査で分かるか
国の地震被害の調査は、会社ごとではなく、建てた年代や耐震等級、構造ごとにまとめられています。そのため、「どの会社の家が倒れなかったか」を、これまでの国の調査で確かめることはできません。
そのかわり、国の調査からは、耐震等級ごとの結果が分かります。2024年の能登半島地震では、国の委員会の最終とりまとめで、調査した地区の耐震等級3の木造住宅19棟のうち、1棟が軽微から中破で、ほかは無被害だったと報告されています。これは会社を問わない、等級3の住宅の結果です(令和8年熊本地震の耐震等級ごとの分析は、2026年10月時点ではまだ公表されていません)。
出典:国土交通省・国土技術政策総合研究所・建築研究所「令和6年能登半島地震における建築物構造被害の原因分析を行う委員会 最終とりまとめ」(令和7年12月)。日本建築学会が輪島市・珠洲市・穴水町の一定の地区で行った悉皆調査の結果を、国の委員会が分析したものです。
会社が「過去の地震で倒壊ゼロ」などと発表している場合は、何棟を、どの範囲で、どの基準で数えたかを確かめて読むと安心です。2016年の熊本地震の結果は耐震等級3のコラム、2026年7月の令和8年熊本地震の速報は地震に強い家のコラムでご紹介しています。
7. 見積もりで比べる|等級3にかかる費用の項目
等級3の費用は、標準の価格に含まれているか、構造計算・評価の申請・補強の工事が別に計上されているかで比べます。住宅性能評価の料金は、評価機関がそれぞれ独自に決めています。
- 等級3は標準価格に含まれるか、追加の項目があるか
- 構造計算の費用は含まれるか
- 評価の申請費用(設計・建設)は含まれるか
- 補強の工事(耐力壁・金物・梁など)の費用は含まれるか
- 長期優良住宅の申請費用は含まれるか
一方で、地震保険の割引は、どの会社が建てた家でも同じ基準で決まります。会社によって差が出るのは、等級を示す書類を受け取れるかどうかです。追加費用を地震保険の割引で取り戻す目安は、耐震等級3は後悔する?のコラムでご紹介しています。
8. 公式サイト・商談・契約の3段階で確かめる
会社の見分け方は、公式の情報で当たりをつけ、商談で範囲を聞き、契約書と引き渡しの書類で残す、という順に進めると、確かめやすくなります。
| 段階 | 見るもの | 確かめ方の例 |
|---|---|---|
| 1. 公式サイト・カタログ | 等級3の表示、注記、構造計算の方針 | 5つの型のどれにあたるかを当てはめる。注記の言葉に印を付ける |
| 2. 商談・見積もり | 標準の範囲、計算方法、評価書の種類、費用の項目 | 「この家(このプラン)で等級3ですか」「評価書は取りますか」と家を特定して聞く |
| 3. 契約書・引き渡しの書類 | 等級が書かれた書類、評価書の写し | 等級3であることを契約書や重要事項の説明に書いてもらえるか、引き渡しで受け取れる書類の名前 |
商談で聞きたい質問は、地震に強い家のコラムや&RESORT Lifeの記事の「5つの質問」もあわせてお使いください。評価書と契約の関係は、建売の耐震等級のコラムでご紹介しています。
説明があいまいなときのサイン
次のような答えが続く場合は、もう一歩確かめてみると安心です。等級の根拠となる書類を見せてもらえない、標準の範囲を具体的に答えてもらえない、条件が注記にしか書かれていない、「相当」と「等級3」を区別せずに説明される、などです。
9. 建売・分譲住宅を選ぶときの見分け方
分譲住宅では、会社の方針に加えて、その物件(号棟)の評価書を確かめます。同じ分譲地でも、号棟ごとに間取りや評価書の有無が違うことがあるためです。
完成済みの建売住宅は、新築としての建設住宅性能評価を後から受けることが原則できないため、評価書の有無は購入前に確かめておきましょう。号棟ごとの確かめ方は、&RESORT Lifeの記事でもご紹介しています。
10. アイム・ユニバースの耐震等級3
アイム・ユニバースの住まいでは、耐震等級3を標準採用し、原則として全棟で構造計算を行っています。そのうえで、2016年以降、原則全棟に制震システムを搭載しています。現在は、独自に開発した制震ダンパー「AIM DAMPER」「AIM DAMPER AⅢ」のいずれかを導入しています。
また、当社の住まいは設計住宅性能評価を取得し、長期優良住宅の認定を受けています(物件によっては該当しない場合があります)。くわしくは設計住宅性能評価・長期優良住宅のページ、性能・技術のページ、受賞のページをご覧ください。
11. よくある質問
- 耐震等級3が標準のハウスメーカーはどこですか?
- 会社の表示は「全棟で標準」「商品によって対応」「プラン次第」などに分かれ、同じ会社でも商品で違うことがあります。公式サイトの注記と、その家の評価書で確かめてください。
- 地震で倒れなかったハウスメーカーはどこですか?
- 国の調査は会社ごとではなく、年代や耐震等級ごとにまとめられています。能登半島地震では、調査した地区の等級3の木造住宅19棟のうち、1棟が軽微から中破で、ほかは無被害でした。
- 「耐震等級3対応」と「標準」は何が違いますか?
- 「対応」は希望すれば等級3にできる、「標準」は特に申し込まなくても等級3になる、という意味で使われることが多いです。追加費用と評価書の有無を確かめましょう。
- 耐震等級4のハウスメーカーはありますか?
- 住宅性能表示制度の耐震等級(倒壊等防止)は等級3が最高で、等級4はありません。「等級3の〇倍」などの表現は、各社が独自に示しているものです。
- 大手と工務店では、耐震等級3の中身は違いますか?
- 等級の物差しは同じです。違いが出るのは、構造の確かめ方、評価書を取るか、標準の範囲で、会社の規模では決まりません。
まとめ
耐震等級3は、会社ではなく住宅1棟ごとに評価されるものです。ハウスメーカーの表示は、全棟で標準、商品によって対応、プラン次第、相当などに分かれ、同じ等級3でも中身が違います。
会社名で選ぶより、公式サイトの注記、商談での標準の範囲と計算方法、契約書と引き渡しの書類の3段階で確かめてみてください。耐震等級3を標準とした住まいを実際にご覧になりたい方は、エリアごとの物件情報もぜひご活用ください。
参考資料
- 住宅の品質確保の促進等に関する法律(e-Gov法令検索)
- 住宅性能評価・表示協会「新築住宅の住宅性能表示制度ガイド」(国土交通省住宅局 編集協力、令和7年12月1日施行版)
- 国土交通省・国土技術政策総合研究所・建築研究所「令和6年能登半島地震における建築物構造被害の原因分析を行う委員会 最終とりまとめ」(令和7年12月)
- 国土交通省「令和4年改正 建築基準法について」
- 国土交通省「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)について」
- 財務省「地震保険の基本料率(令和4年10月1日以降保険始期の地震保険契約)」
- 財務省「地震保険制度の概要」