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コラム

2026.10.23

耐震等級3相当とは?評価書付きとの違いと証明できる書類

「耐震等級3相当」とは、第三者機関の住宅性能評価書はないものの、建てる会社が自社の計算で「耐震等級3の水準を満たしている」と説明している住まいのことです。

相当だからといって、必ずしも弱いわけではありません。ただ、相当の中身には大きな幅があり、受けられる優遇も変わります。この記事では、相当の中身を5つの段階で見分ける方法、地震保険やローンの扱い、相当の家を評価書付きにできるかどうか、そして「相当」と言われたときに聞きたい7つの質問をご紹介します。

目次

  1. 耐震等級3相当とは|評価書のない「会社の判断による等級3」
  2. 「相当」の中身は5段階|計算方法と書類で見分ける
  3. 地震保険はどう変わる?相当でも建築年割引は受けられる
  4. フラット35S・長期優良住宅は相当で使えるか
  5. 相当の家を評価書付きにできるか
  6. 「相当」と言われたときに聞きたい7つの質問
  7. 相当を選んでよい場合・避けたい場合
  8. よくある質問

1. 耐震等級3相当とは|評価書のない「会社の判断による等級3」

耐震等級は、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)にもとづく住宅性能表示制度の等級です。国に登録された住宅性能評価機関が評価し、その結果は法律にもとづくマークの付いた「住宅性能評価書」として交付されます。評価機関が交付する評価書以外の、住宅の性能に関する評価書や売買・請負の契約書などに、このマークやまぎらわしいマークを付けることは、法律で禁止されています。

「耐震等級3相当」は、この評価を受けていないものの、会社が自社の計算で等級3と同じ水準だと説明している状態を指す言葉です。「相当」は制度上の等級ではないため、その中身は会社ごとに大きく異なります。耐震等級3そのものの意味や、熊本地震での国の調査結果は、耐震等級3のコラムでくわしくご紹介しています。

2. 「相当」の中身は5段階|計算方法と書類で見分ける

同じ「等級3」「等級3相当」という言葉でも、誰が、どの方法で確かめたかによって、確かさは大きく変わります。書類と計算方法で分けると、次の5つの段階になります。

段階 誰が確かめたか 等級が書類に残るか 地震保険の等級割引
1. 建設住宅性能評価書あり 評価機関(図面と、工事中・完成時の現場検査) 残る 対象
2. 設計住宅性能評価書のみ 評価機関(図面のみ) 残る 対象
3. 評価書はないが、長期優良住宅の書類やフラット35の適合証明書がある 行政や検査機関(書類の範囲で) 書類の内容による 書類の内容により対象
4. 評価書はないが、許容応力度計算、または住宅性能表示と同じ方法(品確法の壁量計算・床倍率・接合部)の計算書がある 建てる会社・設計者 社内の書類のみ 対象外
5. 建築基準法の壁量計算だけ、または根拠の説明がない 建てる会社 残らない 対象外

地震保険の扱いは、財務省「地震保険制度の概要」と日本損害保険協会「地震保険ご契約のしおり」にもとづいて整理しています。

一般に「耐震等級3相当」と呼ばれるのは、4と5の段階です。同じ相当でも、建物ごとに計算書で等級3の水準を確かめている4と、建築基準法の最低限の壁量計算だけの5とでは、確かさが異なります。相当と言われたときは、まずどの段階にあたるのかを確かめることが大切です。

段階ごとの違いを、もう少しくわしく

段階1の建設住宅性能評価書は、図面の審査に加えて、工事中と完成時に評価機関の検査員が現場を確かめたうえで交付されます。図面どおりに施工されたかまで第三者が見ているため、最も確かな書類です。段階2の設計住宅性能評価書は、図面の段階で等級3の設計になっていることを第三者が確かめたものです。

段階3は、評価書はないものの、長期優良住宅の認定やフラット35の物件検査など、別の制度の中で第三者が一部を確かめている状態です。段階4と5は、第三者の確認がない「相当」で、とくに段階5は、説明の根拠そのものを確かめることが難しくなります。

3. 地震保険はどう変わる?相当でも建築年割引は受けられる

地震保険には、建物の耐震性に応じた割引があります。耐震等級による割引は、等級を示す書類を出したときに受けられます。一方、「相当」の家でも、1981年(昭和56年)6月1日以降に新築された建物であれば、建築年が分かる書類を出すことで、「建築年割引」の10%を受けられます。割引はどれか1つだけで、重ねて受けることはできません。

出す書類 受けられる割引(新築の場合)
住宅性能評価書(耐震等級3) 耐震等級割引 50%
長期優良住宅の認定通知書と、等級が分かる設計内容説明書など 耐震等級割引(等級3なら50%)
フラット35の適合証明書(等級が分かるもの) 耐震等級割引(等級3なら50%)
長期優良住宅の認定通知書のみ 耐震等級割引 30%
等級を示す書類なし(相当) 建築年割引 10%

出典:財務省「地震保険制度の概要」、日本損害保険協会「地震保険ご契約のしおり」。保険料や手続きの詳細は、各保険会社にご確認ください。

地震保険は長く払い続ける保険です。等級3の割引(50%)と建築年割引(10%)の差は、毎年の保険料に積み重なっていきます。相当の家を選ぶときは、この差も考えに入れておくと安心です。

4. フラット35S・長期優良住宅は相当で使えるか

相当の家でも、フラット35Sを使える場合があります。住宅金融支援機構によると、住宅性能評価書がなくても、所定の物件検査に合格すれば、フラット35Sを利用できます。耐震性で金利Aプランを使う場合の基準(耐震等級3)も、検査で満たしていることが確かめられれば対象になります。ただし、フラット35Sは予算の上限に達すると受付が終わる点に注意が必要です。

長期優良住宅の認定も、住宅性能評価書とは別の手続きで受けられます。認定を受けた住宅は、税の優遇などの対象になります。どちらも、第三者が確かめた書類が残るという点で、段階3にあたります。フラット35Sの金利の内容は、耐震等級3のコラムでご紹介しています。

5. 相当の家を評価書付きにできるか

相当の家を、後から評価書付きにできるかどうかは、家づくりのどの段階にあるかで変わります。

家づくりの段階 評価書の取り方
設計中(着工前) 設計住宅性能評価を申請でき、続けて建設住宅性能評価も受けやすい時期です
工事中 建設住宅性能評価は、最初の現場検査の後の工事に入る前までに申請する決まりのため、工事が進んでからでは申請できません
完成後 新築としての建設住宅性能評価は受けられません。既存住宅の評価の制度は、完成から1年を過ぎた住宅や人が住んだことのある住宅が対象で、令和7年度の交付は全国で139戸です

評価にかかる費用は、評価機関ごとに決められています。建売住宅で評価書付きを希望する場合は、まだ着工していない物件か、工事のどの段階にあるかを販売会社に確かめ、評価機関にも相談してみてください。

6. 「相当」と言われたときに聞きたい7つの質問

「耐震等級3相当です」と説明されたときは、次の7つを聞いてみると、相当の中身がどの段階にあたるかが分かります。

  • 構造の確かめ方は、建築基準法の壁量計算ですか、住宅性能表示の計算ですか、許容応力度計算ですか
  • 構造計算書や計算の結果を見せてもらえますか
  • 倒壊等防止だけでなく、損傷防止も等級3の水準ですか
  • 計算をしたのは、どの建築士ですか
  • 長期優良住宅の書類や、フラット35の適合証明書など、第三者の書類はありますか
  • 引き渡しのときに、どの書類を受け取れますか
  • 「耐震等級3相当」であることを、契約書や重要事項の説明に書いてもらえますか

とくに大切なのは、1つめと2つめの質問です。建物ごとに許容応力度計算を行い、その結果を見せてもらえるなら、相当でも根拠のある説明といえます。反対に、計算方法や書類について答えがあいまいな場合は、慎重に判断したほうが安心です。

評価を受けずに「相当」とする会社がある理由

住宅性能評価を受けるには、評価機関への申請や検査の手続きが必要で、その分の費用と時間がかかります。そのため、評価は受けずに、自社の計算で等級3の水準にすることで、価格や工期をおさえている会社もあります。相当を選ぶこと自体が悪いわけではありません。大切なのは、その計算の中身を説明してもらえるかどうかです。

7. 相当を選んでよい場合・避けたい場合

相当の家にも、評価にかかる費用や時間がかからないといった利点があります。何を大切にするかによって、選び方は変わります。

大切にしたいこと 考え方
地震保険料をおさえたい 等級を示す書類がある家のほうが有利です(等級3で50%割引)
住宅ローンの金利の優遇を受けたい 評価書があるか、物件検査に合格できるかを確かめます
将来の売却で性能を説明したい 第三者の書類が残る家のほうが説明しやすくなります
価格をおさえつつ、強さも確かめたい 相当でも、許容応力度計算の書類がある段階4なら、根拠を確かめたうえで選ぶ方法があります

大切なのは、「相当」という言葉で判断せず、中身がどの段階にあるかを書類で確かめることです。

8. よくある質問

「耐震等級3相当」は嘘なのですか?
嘘とは限りません。会社の計算で等級3の水準を満たしている場合もあります。ただ、第三者の書類がないため、外から確かめることができません。計算方法と書類を確かめましょう。
相当の家でも、地震保険の割引はありますか?
耐震等級による割引はありませんが、1981年6月1日以降に新築された建物であれば、建築年が分かる書類を出すことで、建築年割引の10%を受けられます。割引は重ねて受けられません。
完成済みの建売住宅を、後から評価書付きにできますか?
新築としての建設住宅性能評価は、工事中の検査が必要なため、完成後には受けられません。完成から1年以内で未入居の住宅は法律上の新築住宅にあたるため、既存住宅の評価の対象にもなりません。取れる書類は評価機関にご相談ください。
相当でも、フラット35Sは使えますか?
住宅性能評価書がなくても、所定の物件検査に合格すれば利用できます。予算の上限に達すると受付が終わる点に注意が必要です。
相当と言われたら、何を見せてもらえばよいですか?
構造の確かめ方と構造計算書、等級が分かる第三者の書類の有無、引き渡しのときに受け取れる書類です。

まとめ

耐震等級3相当とは、評価書はないものの、会社の計算で等級3の水準だと説明している状態です。相当の中身には5つの段階があり、計算方法と書類によって確かさも、受けられる優遇も変わります。

「相当」という言葉だけで判断せず、7つの質問で中身を確かめてみてください。実際の住まいをご覧になりたい方は、エリアごとの物件情報もぜひご活用ください。

参考資料

  1. 住宅の品質確保の促進等に関する法律(e-Gov法令検索)
  2. 財務省「地震保険制度の概要」
  3. 日本損害保険協会「地震保険ご契約のしおり」
  4. 住宅金融支援機構「フラット35S(技術基準)」
  5. 住宅性能評価・表示協会「新築住宅の住宅性能表示制度ガイド」(国土交通省住宅局 編集協力、令和7年12月1日施行版)
  6. 住宅金融支援機構「フラット35S」
  7. 国土交通省「住宅性能表示制度の実施状況」(令和8年7月17日公表)

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