耐震等級3の証明書とは?書類の種類・取り方・なくした時
「耐震等級3の証明書」という名前の書類はありません。住宅性能評価書や、長期優良住宅の書類、フラット35の適合証明書など、耐震等級を第三者が確かめた書類をまとめてそう呼んでいます。
どの書類でも同じというわけではなく、書類によって地震保険の割引率が変わることもあります。この記事では、証明書になる主な書類と発行する機関・取れる時期の一覧、等級の証明にならない書類との見分け方、新築・建売で書類を受け取るタイミング、費用の考え方、そして証明書をなくしたときの対処をご紹介します。
- 耐震等級3の証明書とは|等級を第三者が確かめた書類の総称
- 証明書になる主な書類の一覧
- もっとも確かな住宅性能評価書|設計と建設の違い
- 長期優良住宅の書類で証明するときの注意
- フラット35の適合証明書と、ほかの証明書
- 等級の証明にならない書類
- 証明書はいつ取る?受け取るタイミング
- 費用の目安と考え方
- 証明書をなくしたときの対処
- アイム・ユニバースの住まいと書類
- よくある質問
1. 耐震等級3の証明書とは|等級を第三者が確かめた書類の総称
耐震等級3の証明書とは、建物が耐震等級3であることを、住宅性能評価機関などの第三者が確かめて記した書類の総称です。中心になるのは、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)にもとづく「住宅性能評価書」です。
住宅性能評価書には、法律にもとづくマーク(標章)が付いています。評価機関が交付する評価書以外の評価書や契約書などに、このマークを付けることは法律で禁止されています(品確法第5条第3項)。書類にこのマークがあるかは、本物の評価書かを見分ける手がかりになります。
一方で、建てる会社が自社で計算しただけの書類や、「等級3相当」と説明した資料は、第三者が確かめた書類ではないため、地震保険の耐震等級割引などには使えません。「相当」の中身の見分け方は、耐震等級3相当のコラムでご紹介しています。
2. 証明書になる主な書類の一覧
主な書類は、住宅性能評価書、長期優良住宅の書類、フラット35の書類です。地震保険での扱いとあわせてまとめました。地震保険の割引に使うときは、書類のコピーを保険会社に出します。
| 書類 | 発行元 | 等級の書かれ方 | 地震保険の扱い(新築) |
|---|---|---|---|
| 設計住宅性能評価書 | 登録住宅性能評価機関 | 耐震等級の欄に記載 | 記載の等級の割引 |
| 建設住宅性能評価書 | 登録住宅性能評価機関 | 耐震等級の欄に記載 | 記載の等級の割引 |
| 長期使用構造等である旨の確認書(以前の技術的審査適合証) | 登録住宅性能評価機関 | 書類による | 等級が確認できれば、その割引。確認できなければ30% |
| 長期優良住宅の認定通知書と設計内容説明書など | 所管行政庁(認定通知書) | 設計内容説明書などで確認 | 等級が確認できれば、その割引。通知書だけなら30% |
| フラット35の適合証明書 | 検査機関・適合証明技術者 | 基準の項目で確認 | 等級が1つに特定できなければ30% |
| 住宅性能証明書 | 登録住宅性能評価機関など | 書類による | 等級が確認できれば、その割引 |
出典:損害保険ジャパン「地震保険の割引制度について」(2022年2月版、令和4年2月20日以降始期の契約)、日本損害保険協会「そんぽ相談ガイド」。保険会社によって案内の書き方が異なる場合があります。ご契約の保険会社にご確認ください。
表のとおり、同じ等級3の家でも、出す書類によって割引率が50%にならないことがあります。等級3の割引を確実に受けるには、等級が1つに特定できる書類を手元に残しておくことが大切です。
3. もっとも確かな住宅性能評価書|設計と建設の違い
耐震等級3の証明として、もっとも確かなのは住宅性能評価書です。評価書には、設計図の段階で評価する「設計住宅性能評価書」と、工事中と完成時の現場検査を経て交付される「建設住宅性能評価書」の2種類があります。
| 比べること | 設計住宅性能評価書 | 建設住宅性能評価書 |
|---|---|---|
| 何を確かめたか | 設計図の段階での性能 | 工事中・完成時の検査を経た性能 |
| 受け取る時期 | 着工前 | 完成後 |
| 令和7年度の交付(全国・共同住宅を含む) | 289,267戸 | 198,584戸(新築) |
出典:国土交通省「令和7年度の住宅性能表示制度の実施状況について」(令和8年7月17日公表)
評価書では、「構造の安定に関すること」の中の「耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)」の欄で等級を確かめます。あわせて「耐震等級(構造躯体の損傷防止)」の欄も見ておくと、地震のあとの傷みにくさも分かります。

4. 長期優良住宅の書類で証明するときの注意
長期優良住宅の認定を受けた家は、その書類で耐震等級を確かめられます。ただし、認定通知書だけを出すと、等級3の家でも地震保険の割引が30%になることがあるため注意が必要です。
長期優良住宅の耐震の基準は、等級2以上などです。認定通知書には等級そのものが書かれていないことが多いため、保険会社の案内では、等級を確かめられる「設計内容説明書」などをあわせて出す扱いになっています。認定通知書だけの場合は、新築で30%、増築・改築で10%の割引になります。認定通知書と一緒に、設計内容説明書や評価機関の書類も大切に保管しておきましょう。
なお、2022年(令和4年)2月20日からは、評価機関が法律にもとづいて長期優良住宅の基準を確かめ、「長期使用構造等である旨の確認書」などを出すしくみになりました。どちらも地震保険の確認資料として案内されています。長期優良住宅のしくみは、&RESORT Lifeの記事でもご紹介しています。
5. フラット35の適合証明書と、ほかの証明書
フラット35を使った家では、住宅金融支援機構の技術基準に適合していることを示す「適合証明書」でも、耐震等級を確かめられる場合があります。フラット35では、検査機関が設計検査と現場検査で技術基準への適合を確かめます。ただし、書類から等級が2か3かを1つに特定できない場合、地震保険の割引は30%になります。
このほか、住宅取得資金の贈与税非課税の特例を受けるための「住宅性能証明書」や、現金で取得する人向けの「現金取得者向け新築対象住宅証明書」なども、等級が確かめられれば地震保険の確認資料として案内されています。それぞれの書類の本来の使い道は、発行した機関や税務署などでご確認ください。
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6. 等級の証明にならない書類
家の書類のなかには、名前が似ていても、耐震等級を証明するものではない書類があります。取り違えやすいものを表にまとめました。
| 書類 | 何を示す書類か | 地震保険での扱い |
|---|---|---|
| 耐震基準適合証明書 | 今の耐震基準を満たすこと(主に中古住宅の耐震診断・改修の結果) | 耐震診断割引10%の確認資料 |
| 建築確認済証・検査済証 | 建築基準法の手続きを経たこと | 建築年割引10%の確認資料になる場合がある |
| 会社の構造計算書 | 会社が計算した結果 | 等級の確認資料にはならない |
| 「等級3相当」の説明書 | 会社の説明 | 等級の確認資料にはならない |
出典:損害保険ジャパン「地震保険の割引制度について」(2022年2月版)、日本損害保険協会「そんぽ相談ガイド」
地震保険の割引は重ねて受けられないため、等級3の書類がある家では、耐震等級割引(50%)を選ぶことになります。等級3の書類がない場合でも、1981年(昭和56年)6月1日以降に新築された家なら、建築年割引(10%)を受けられます。
7. 証明書はいつ取る?受け取るタイミング
耐震等級の証明書は、家づくりの段階ごとに取れるものが決まっています。とくに建設住宅性能評価書は、工事中の検査が必要なため、完成してから新築として取ることはできません。
| 時期 | できること・受け取れる書類 |
|---|---|
| 設計中(着工前) | 設計住宅性能評価の申請・交付、長期優良住宅の認定の申請 |
| 工事中 | 建設住宅性能評価の現場検査(3階建て以下は原則4回)、フラット35の検査 |
| 完成後 | 建設住宅性能評価書の交付、フラット35の適合証明書の交付 |
| 引き渡しのとき | 評価書や認定の書類を、引き渡し書類として受け取る |
| 地震保険の加入・更新のとき | 書類のコピーを出す。割引は、出した日以降の保険期間に適用 |
出典:住宅性能評価・表示協会「新築住宅の住宅性能表示制度ガイド」(国土交通省住宅局 編集協力)、損害保険ジャパン「地震保険の割引制度について」
住み始めてからの家には、既存住宅の評価の制度がありますが、令和7年度に交付された既存住宅の建設住宅性能評価書は全国で139戸でした。建売住宅を選ぶときは、購入前に「どの書類を受け取れるか」を確かめておくことが大切です。契約と評価書の関係は、建売の耐震等級のコラムでご紹介しています。
8. 費用の目安と考え方
住宅性能評価の料金は、評価機関がそれぞれ独自に決めています。国が定めた料金表はないため、同じ家でも依頼する評価機関や、設計・建設のどちらを取るかによって費用が変わります。
注文住宅では、評価の申請費用が見積もりに別に載ることがあります。建売住宅や分譲住宅では、評価書の費用が物件の価格に含まれていることが多いため、「費用はいくらか」より「どの書類が引き渡されるか」を聞くほうが分かりやすくなります。評価書の費用と、地震保険の割引で毎年生まれる差の比べ方は、耐震等級3は後悔する?のコラムでご紹介しています。
9. 証明書をなくしたときの対処
証明書をなくしても、あきらめる必要はありません。次の順で確かめてみてください。
- 引き渡しのときに受け取った書類一式(ファイルや封筒)をもう一度見る
- 今の地震保険の保険証券で、耐震等級割引が付いているかを見る
- 家を買った・建てた会社に、書類の控えがないかを聞く
- 評価書を出した評価機関に、写しなどを出してもらえるかを相談する
- 長期優良住宅の認定通知書は、認定した所管行政庁(市区町村など)に再交付の手続きがあるかを聞く
地震保険の割引を受けている場合、保険会社によっては、割引が付いていることが分かる以前の保険証券のコピーも確認の書類として案内しています。更新のときにどの書類が使えるか、保険会社に確かめてみましょう。長期優良住宅の認定通知書は、たとえば横浜市のように、紛失したときの再交付の手続きを案内している自治体もあります。
10. アイム・ユニバースの住まいと書類
アイム・ユニバースの住まいでは、耐震等級3を標準採用し、原則として全棟で構造計算を行っています。そのうえで、2016年以降、原則全棟に制震システムを搭載しています。現在は、独自に開発した制震ダンパー「AIM DAMPER」「AIM DAMPER AⅢ」のいずれかを導入しています。
また、当社の住まいは設計住宅性能評価を取得し、長期優良住宅の認定を受けています(物件によっては該当しない場合があります)。くわしくは設計住宅性能評価・長期優良住宅のページと受賞のページをご覧ください。
11. よくある質問
- 証明書がないと、地震保険の割引は受けられませんか?
- 耐震等級の割引は受けられません。1981年6月1日以降に新築された家なら、建築年割引の10%は受けられます。割引は重ねて受けられません。
- 設計住宅性能評価書だけでも、証明になりますか?
- 地震保険の確認資料に含まれます。工事中と完成時の検査まで経た書類は、建設住宅性能評価書です。
- 証明書はいつもらえますか?
- 設計住宅性能評価書は着工前、建設住宅性能評価書やフラット35の適合証明書は完成後です。多くは引き渡し書類に入っています。
- 住み始めてからでも取れますか?
- 新築としての建設住宅性能評価は、工事中の検査が必要なため取れません。既存住宅の評価の制度はありますが、令和7年度の交付は全国で139戸でした。
- 証明書をなくしてしまいました。
- まず引き渡し書類と保険証券を確かめ、次に売主や施工会社、評価機関、所管行政庁に、写しや再交付ができるかを相談してください。
まとめ
耐震等級3の証明書は、住宅性能評価書や長期優良住宅の書類など、等級を第三者が確かめた書類の総称です。書類によって地震保険の割引率が変わることがあり、等級が1つに特定できる書類を残しておくことが大切です。
家を選ぶときは、引き渡しでどの書類を受け取れるかを、契約前に確かめてみてください。耐震等級3を標準とした住まいを実際にご覧になりたい方は、エリアごとの物件情報もぜひご活用ください。