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コラム

2026.10.26

耐震住宅とは|建てた年でわかる強さと新築・中古の確かめ方

耐震住宅とは、柱や梁、壁などの構造を強くして、地震の揺れに耐え、倒れにくく設計された住宅のことです。ただし「耐震住宅」は法律で決められた用語ではなく、どの時期の基準で建てられたかによって、強さには大きな差があります。

この記事では、耐震の基準が1981年、2000年、2025年にどう変わってきたか、熊本地震で建てた年ごとに被害がどう違ったか、そして新築・建売・中古の住まいで耐震性を確かめる方法をご紹介します。

目次

  1. 耐震住宅とは|耐震基準を満たし、倒れにくく設計された家
  2. 耐震基準の移り変わり|1981年・2000年・2025年
  3. 熊本地震で、建てた年ごとに被害はどう違ったか
  4. 耐震住宅をつくる主な部位
  5. 耐震住宅のよいところと、気をつけたいこと
  6. 耐震・制震・免震の違い
  7. 耐震住宅の強さを示すもの|耐震等級と書類
  8. 新築・建売・中古で確かめる方法
  9. アイム・ユニバースの耐震住宅
  10. よくある質問

1. 耐震住宅とは|耐震基準を満たし、倒れにくく設計された家

耐震住宅は、建物そのものを強くすることで、地震の揺れに耐える住宅です。今の建築基準法にもとづいて建てられた住宅は、どれも一定の耐震性を備えています。そのうえで、建築基準法と同じ水準の「耐震等級1」から、その1.5倍の力に耐える「耐震等級3」まで、強さには幅があります。

そのため、「耐震住宅かどうか」よりも、「いつの基準で、どの水準で建てられた耐震住宅か」を確かめることが大切です。

2. 耐震基準の移り変わり|1981年・2000年・2025年

住宅の耐震基準は、大きな地震のたびに見直されてきました。主な節目を表にまとめました。

表は横にスクロールしてご覧いただけます。
時期 主な変化 確かめ方の例
1981年(昭和56年)5月まで いわゆる「旧耐震基準」の時期 建てた時期を書類で確かめ、耐震診断を検討する
1981年6月から 耐震基準が強化された、いわゆる「新耐震基準」 建てた時期を確認済証などの書類で確かめる
2000年(平成12年)6月から 木造住宅の接合部などの基準が明確化された 建てた時期と、接合金物などの仕様を確かめる
2000年10月から 住宅性能表示制度が始まり、耐震等級1〜3で表示できるようになった(任意) 住宅性能評価書
2025年(令和7年)4月から 木造2階建ての住宅も、建築確認で構造に関する図書を出して審査を受けるようになり、壁の量の基準なども見直された 建てた時期と、どちらの壁量基準で設計したかを確かめる(2026年3月までは経過措置あり)

出典:国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」、「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書 概要、「令和4年改正 建築基準法について」、「必要な壁量等の基準について」。

国土交通省は、1981年5月以前(旧耐震基準)に建てられた建物について、耐震診断と耐震改修を呼びかけており、令和17年までに耐震性が不十分な住宅をおおむね解消することを目標にしています。また、2025年4月からは、2階建て以下の木造建築物で構造計算が必要になる規模も、延べ面積500㎡超から300㎡超へと引き下げられました。

3. 熊本地震で、建てた年ごとに被害はどう違ったか

基準の違いがはっきり表れたのが、2016年(平成28年)の熊本地震です。日本建築学会が益城町中心部で行った全数調査の結果を、国の研究機関(国土技術政策総合研究所・建築研究所)の委員会が分析し、木造住宅の被害を建てた時期ごとに比べています。

表は横にスクロールしてご覧いただけます。
建てた時期 棟数 倒壊・崩壊 無被害
1981年5月まで 759棟 214棟(28.2%) 39棟(5.1%)
1981年6月〜2000年5月 877棟 76棟(8.7%) 179棟(20.4%)
2000年6月以降 319棟 7棟(2.2%) 196棟(61.4%)

出典:国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書 概要。数値は2016年9月8日時点の暫定値です。

建てた時期が新しいほど、倒壊・崩壊の割合が小さくなっています。報告書では、倒壊・崩壊が確認され、接合部の状況を確かめられた1981年6月〜2000年5月の基準(新耐震基準)の木造住宅は、すべて2000年に明確化された接合部の仕様を満たしていなかったとしています。一方、2000年以降に建てられて倒壊した7棟のうち3棟でも、接合部の仕様が不十分だったことが確認されています。基準の時期だけでなく、基準どおりに施工されているかも大切だということが分かります。

2026年7月の熊本地震(令和8年熊本地震)でも、国土技術政策総合研究所などの速報(2026年8月31日)で、築年数がおおむね45年を超えると推定される木造住宅や納屋などの倒壊が多数確認されています(速報のため、今後修正される可能性があります)。速報の内容は地震に強い家のコラムでご紹介しています。

4. 耐震住宅をつくる主な部位

木造の耐震住宅は、いくつもの部位が力を受け止め、地面へ伝えることで成り立っています。どれか1つが弱いと、そこから壊れやすくなります。

部位 役割
耐力壁(筋交い・構造用合板) 地震や風の横からの力に抵抗する壁。量だけでなく、バランスよく配置することが大切です
接合金物 柱と土台、柱と梁をしっかりつなぎ、揺れで柱が抜けるのを防ぎます
床・屋根の面 壁に力を伝えるための水平の面。床が弱いと、壁に力がうまく伝わりません
基礎 建物の重さと地震の力を地面に伝える部分。地盤に合わせたつくりが必要です
地盤 建物を支える土台。弱い場合は地盤改良を行います

2016年の熊本地震の調査で、接合部の仕様が被害の差に関わっていたように、耐震住宅の強さは、設計の水準と、設計どおりにつくられているかで大きく変わります。

5. 耐震住宅のよいところと、気をつけたいこと

耐震住宅は、戸建て住宅の地震対策の土台です。よいところと、気をつけたいことを整理しました。

よいところ 気をつけたいこと
建物そのものを強くするため、地震だけでなく強い風にも備えられる 揺れそのものは建物に伝わるため、家具の固定などの備えが必要
免震に比べて、費用をおさえやすい くり返す大きな揺れで、建物が少しずつ傷むことがある
多くの住宅会社が対応しており、選択肢が広い 同じ「耐震住宅」でも、基準の時期や等級で強さに差がある

くり返す揺れへの備えを厚くしたい場合は、耐震に制震を組み合わせる方法があります。

6. 耐震・制震・免震の違い

地震への備え方には、建物を強くして耐える「耐震」、揺れのエネルギーを吸収する「制震」、揺れを建物に伝えにくくする「免震」があります。戸建て住宅では、耐震が土台で、制震はくり返す揺れによる傷みをおさえるための上乗せ、免震は費用や敷地の条件が合う場合の選択肢として考えるのが一般的です。

3つの違いと、住宅性能表示や地震保険での扱いは、制震ダンパーのコラムで表にしてご紹介しています。建売住宅で選ぶ順番は、&RESORT Lifeの記事もご覧ください。

7. 耐震住宅の強さを示すもの|耐震等級と書類

耐震住宅の強さを比べるときの物差しが「耐震等級」です。等級1は建築基準法と同じ水準、等級2はその1.25倍、等級3は1.5倍の地震の力に対して倒壊・崩壊しない強さを示します。

等級は、国に登録された評価機関が交付する「住宅性能評価書」で確かめられます。評価書がなくても、長期優良住宅の書類やフラット35の適合証明書などで等級が分かる場合もあります。等級の意味と書類の確かめ方は耐震等級3のコラム、評価書のない「相当」の見分け方は耐震等級3相当のコラムでご紹介しています。

8. 新築・建売・中古で確かめる方法

耐震性の確かめ方は、住まいの種類によって変わります。

住まいの種類 確かめたいこと
新築(注文住宅) 目標にする耐震等級、構造の確かめ方(許容応力度計算か)、評価書を取るか
建売住宅 耐震等級と、それを示す書類の有無。地盤調査の結果。引き渡しのときに受け取れる書類
中古住宅(1981年5月以前) 旧耐震基準の時期。耐震診断を受け、必要に応じて補強を検討する
中古住宅(1981年6月〜2000年5月) 新耐震基準だが、2000年の接合部の基準より前。接合部や壁の配置を専門家に確かめてもらう
中古住宅(2000年6月以降) 評価書や設計図書があるか。増改築や傷みの状態

中古住宅の耐震診断と補強の流れ

中古住宅の耐震性が気になる場合は、まず専門家による耐震診断を受けます。診断では、壁の量や配置、接合部、基礎、建物の傷みなどを調べ、今の建物がどのくらいの地震に耐えられるかを評価します。その結果をもとに、壁の補強や金物の追加、基礎の補強などの耐震改修を検討します。診断と改修の窓口は、お住まいの自治体や、一般財団法人日本建築防災協会の相談窓口の一覧で探せます。

中古住宅の場合、建てた時期は、確認済証や検査済証、登記の記録などで確かめられます。1981年ごろの建物は、登記の日付(完成の時期)だけでなく、確認済証の日付も確かめると確実です。耐震診断や耐震改修には、自治体が補助をしている場合もあるので、お住まいの自治体の窓口で確かめてみてください。なお、国土交通省は個別の住宅の耐震診断や改修を直接行っていないため、国の名前をかたる訪問には注意が必要です。建売住宅で確かめる流れは、建売の耐震等級のコラムでご紹介しています。

9. アイム・ユニバースの耐震住宅

当社の住まいでは、耐震等級3を標準採用し、原則として全棟で構造計算を行っています。そのうえで、2016年以降、原則全棟に制震システムを搭載しています。現在は、独自に開発した制震ダンパー「AIM DAMPER」「AIM DAMPER AⅢ」のいずれかを導入しています。

構造には、強度のばらつきが少ない集成材を使い、柱の結合部をホールダウン金物などの構造金物で補強しています。筋交いに構造用合板を組み合わせ、壁や床を「面」で支えることで、地震や台風の力を住まい全体で受け止めるつくりです。くわしくは性能・技術のページをご覧ください。

こうした取り組みを含む当社の「長寿命レジリエンス住宅」は、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会が主催する第12回「ジャパン・レジリエンス・アワード2026」で最優秀賞を受賞しました(2026年4月)。くわしくは受賞のページをご覧ください。

アイム・ユニバースでは、建てる前にJIS(JIS A 1221)に定められたスクリューウエイト貫入試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)で地盤の強度を調べ、必要な場合は摩擦杭や支持杭を使い分けて地盤を改良します。基礎は防水シートを敷いたうえでのベタ基礎で、柱の結合部はホールダウン金物や柱頭・柱脚金物などの構造金物で補強しています。また、一般の木材に比べ約1.3倍の強度を持つ集成材を使い、筋交いに構造用合板を併用して、壁や床を面で支えます(性能・技術のページ)。

10. よくある質問

耐震住宅は、いつごろから建てられていますか?
一般には、1981年6月の新耐震基準以降に建てられた住宅を指すことが多いです。木造住宅は、2000年6月に接合部などの基準がさらに明確になりました。
築40年の家は、耐震補強が必要ですか?
2026年時点で築40年なら新耐震基準の時期ですが、2000年の接合部の基準より前です。まずは耐震診断で、今の状態を確かめるのが確実です。
耐震・制震・免震のどれを選べばよいですか?
戸建て住宅では、耐震が土台です。制震はくり返す揺れによる傷みをおさえる上乗せ、免震は費用や敷地の条件が合う場合の選択肢です。
耐震住宅なら、地震保険は安くなりますか?
耐震等級を示す書類があれば、等級に応じて10〜50%の割引があります。耐震等級の書類がなくても、登記簿や確認済証などで1981年6月1日以降の新築と確かめられれば、建築年割引の10%が受けられます(割引は重ねて受けられません)。
2025年の法改正で、何が変わりましたか?
2025年4月の施行で、木造2階建ての住宅も、建築確認で構造に関する図書を出して審査を受けるようになり、壁の量の基準なども見直されました。

まとめ

耐震住宅は、建物を強くして地震に耐える住宅ですが、どの時期の基準で建てられたかによって強さは大きく異なります。熊本地震の調査でも、建てた時期と接合部のつくりが被害の差を生んでいました。

住まいを選ぶときは、建てた時期、耐震等級と書類、構造の確かめ方をあわせて確かめてみてください。耐震等級3を標準とした住まいを実際にご覧になりたい方は、エリアごとの物件情報もぜひご活用ください。

参考資料

  1. 国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書 概要
  2. 国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」
  3. 国土交通省「令和4年改正 建築基準法について」
  4. 国土交通省「必要な壁量等の基準について」
  5. 国土技術政策総合研究所「令和8年熊本地震による木造建築物の被害調査報告(速報)」の公開について(2026年8月31日)
  6. 財務省「地震保険制度の概要」

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