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コラム

2026.10.27

建売の耐震等級はどこで分かる?評価書と契約書の確かめ方

建売住宅の耐震等級は、住宅性能評価書があるかどうか、そしてそれが設計段階の評価書か、完成段階まで検査した評価書かによって、確かさが変わります。さらに、評価書を売買契約書に付けてもらうかどうかで、その性能が契約の内容になるかどうかも変わります。

この記事では、建売住宅の耐震等級の4つのパターン、国が公表している評価書の交付の実績、物件資料のどこを見るか、完成前と完成後で契約に効く書類の違い、そして見学から引き渡しまでの確認手順をご紹介します。

目次

  1. 建売住宅の耐震等級とは|等級1・2・3と「表示なし」の4通り
  2. 建売住宅と注文住宅で、耐震性に違いはある?
  3. 建売住宅の評価書はどれくらい交付されている?国の公表値
  4. 物件資料のどこを見るか
  5. 完成前と完成後で変わる|契約に効く評価書の違い
  6. 等級1・2の建売はどう考える?
  7. 見学から引き渡しまでの確認手順
  8. 評価書があると使える手続き
  9. アイム・ユニバースの分譲住宅の耐震
  10. よくある質問

1. 建売住宅の耐震等級とは|等級1・2・3と「表示なし」の4通り

建売住宅の耐震性は、住宅性能表示制度の耐震等級で比べられます。ただし、耐震等級の表示は任意のため、建売住宅には「等級1」「等級2」「等級3」に加えて、「表示なし」の住宅もあります。

表は横にスクロールしてご覧いただけます。
表示 想定する強さ 比べるときの考え方
耐震等級3 建築基準法の水準の1.5倍の地震の力に耐える 最高等級。どの書類で示されているかを確かめる
耐震等級2 同じく1.25倍 長期優良住宅の耐震の基準を満たす水準
耐震等級1 建築基準法と同じ水準 法律の最低限の基準を満たしている
表示なし 建築基準法の基準を満たして建てることが前提(検査済証で確かめる) 等級として比べる根拠がない。理由と、ほかの書類の有無を聞く

「表示なし」は、弱いという意味ではありません。建築基準法の耐震基準を満たして建てることが前提ですが、等級として比べる書類がないということです。等級3の意味や熊本地震での国の調査結果は耐震等級3のコラム、評価書のない「等級3相当」の見分け方は耐震等級3相当のコラムでご紹介しています。

2. 建売住宅と注文住宅で、耐震性に違いはある?

建売住宅だから耐震性が低い、とは一概には言えません。建売住宅も注文住宅も、建築基準法の同じ耐震基準を満たす必要があり、耐震等級3の建売住宅もあります。

違いが出やすいのは、確かめ方です。注文住宅では、設計の段階で目標の等級を決め、打ち合わせの中で構造の確かめ方を聞くことができます。一方、建売住宅は、すでに設計や工事が進んだ住宅を選ぶため、等級や書類を「あとから確かめる」形になります。だからこそ、どの書類で、どの段階まで確かめられているかを知っておくことが大切です。

3. 建売住宅の評価書はどれくらい交付されている?国の公表値

国土交通省は、住宅性能評価書の交付の実績を毎年公表しています。令和7年度(2025年度)の一戸建ての実績は次のとおりです。

評価書の種類 一戸建ての交付戸数(令和7年度)
設計住宅性能評価書 139,383戸
建設住宅性能評価書(新築) 83,750戸

出典:国土交通省「令和7年度の住宅性能表示制度の実施状況について」(2026年7月17日公表)別添1・別添2。

一戸建てでは、建設住宅性能評価書の交付戸数が、設計住宅性能評価書より少なくなっています。年度のずれもあるため単純には比べられませんが、設計の評価書だけを取り、完成段階の評価書は取っていない住宅もあると考えられます。なお、建売住宅だけに絞った取得の割合は、国の公表値にはありません。

4. 物件資料のどこを見るか

耐震等級を確かめるときは、広告やチラシの表記だけでなく、元になる書類を見せてもらいましょう。

住宅性能評価書の「耐震等級」の欄

住宅性能評価書では、「構造の安定に関すること」の中の「耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)」の欄で等級を確かめられます。あわせて、それが「設計住宅性能評価書」か「建設住宅性能評価書」かも確かめておきましょう。設計住宅性能評価書は図面の段階の評価、建設住宅性能評価書は工事中と完成時の検査を経た評価です。

耐震等級には、数百年に一度程度の大きな地震で倒れたり崩れたりしにくいかを示す「倒壊等防止」と、数十年に一度程度の地震で大がかりな修復が必要になる傷みを受けにくいかを示す「損傷防止」の2つの欄があります。広告で「耐震等級3」とされているのは、一般に倒壊等防止の等級です。損傷防止の等級もあわせて見ておくと、より安心です。同じ「構造の安定」の項目には、強い風への強さを示す「耐風等級」もあります。

長期優良住宅の書類

長期優良住宅の認定を受けた住宅は、一戸建ての場合、原則として耐震等級2以上が認定の条件のひとつです(免震建築物など、ほかの方法で認められる場合もあります)。認定通知書だけでは等級が2か3かが分からない場合があるため、等級が分かる書類があるかも確かめます。

「等級3相当」と書かれている場合

評価書がないまま「等級3相当」と表記されている場合は、どの方法で強さを確かめたか、計算の書類を見せてもらえるかを聞いてみましょう。

5. 完成前と完成後で変わる|契約に効く評価書の違い

建売住宅で耐震等級を確かめるうえで、あまり知られていないのが、評価書と売買契約の関係です。住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)6条では、売主が評価書を売買契約書に添付するか、買主に交付した場合、その評価書に書かれた性能の住宅を引き渡すことを契約したものとみなす、と定めています。なお、この規定は「新築住宅」が対象で、完成から1年を過ぎた住宅や、すでに人が住んだことのある住宅には適用されません。

契約のタイミング 契約に効く評価書
建物の完成前に契約する場合 設計住宅性能評価書(またはその写し)
建物の完成後に契約する場合 建設住宅性能評価書(またはその写し)

出典:住宅の品質確保の促進等に関する法律 第6条(e-Gov法令検索)

つまり、契約のタイミングに合った評価書を契約書に付けてもらう、または受け取ることで、「耐震等級3」が口約束ではなく、契約の内容になります。ただし、売主が売買契約書の中で「この扱いをしない」という反対の意思を示している場合は、この規定は適用されません。契約の前に、評価書を添付または交付してもらえるか、契約書にそうした条項がないかを確かめておくと安心です。

6. 等級1・2の建売はどう考える?

等級1や2の建売住宅が、すぐに危ないというわけではありません。ただし、耐震等級によって、地震保険の割引や住宅ローンの優遇が変わります。

表は横にスクロールしてご覧いただけます。
耐震等級 地震保険の耐震等級割引 フラット35S(新築の場合)
等級3 50% 耐震性で金利Aプランの対象
等級2 30% 耐震性で金利Bプランの対象
等級1 10% 耐震性では対象外

出典:財務省「地震保険制度の概要」、住宅金融支援機構「フラット35S(技術基準)」。地震保険の割引には等級を確かめる書類が、フラット35Sには検査機関の物件検査(適合証明)が必要です。1981年6月1日以降の新築は、等級の表示がなくても建築年割引10%の対象です(割引の重複は不可)。フラット35Sは、省エネ性など耐震以外の基準で対象になる場合もあります。

等級だけでなく、土地の地盤やハザードマップ、建物の形なども含めて判断することが大切です。住み始めてからも、家具の固定や、割れたガラスでけがをしないための備えなど、家の中でできる地震対策があります。地盤の確かめ方は地震に強い家のコラムでご紹介しています。

7. 見学から引き渡しまでの確認手順

建売住宅では、見学から引き渡しまでの流れの中で、確かめるタイミングを決めておくと見落としを防げます。

タイミング 確かめること・受け取るもの
見学のとき 耐震等級と、それを示す書類の種類(設計か建設か、長期優良の書類か)。号棟ごとに違わないか
申込の前 評価書の写しを見せてもらう。地盤調査の結果と、地盤改良の有無
重要事項説明のとき 住宅性能評価を受けた住宅かどうか(設計か建設か、等級は評価書で確かめる)。水害ハザードマップでの物件の位置
契約のとき 評価書を契約書に添付、または交付してもらえるか。反対の意思を示す条項がないか
引き渡しのとき 建設住宅性能評価書(取得している場合)、長期優良住宅の書類、保証書などを受け取る
保険・ローンの手続き 地震保険の割引やフラット35Sに使う書類を出す

同じ分譲地でも、号棟ごとに評価書の有無が違う場合があります。号棟ごとの確かめ方や、営業担当への聞き方は、&RESORT Lifeの記事でもご紹介しています。

8. 評価書があると使える手続き

住宅性能評価書は、引き渡し後もさまざまな場面で役立ちます。

  • 地震保険の耐震等級割引の確認資料として使えます
  • フラット35Sの技術基準の確認に使える場合があります
  • 建設住宅性能評価書が交付された住宅は、売主との間で紛争が起きたとき、指定住宅紛争処理機関のあっせん・調停・仲裁を申請できます(品確法67条)
  • 将来、売却するときに、住まいの性能を説明する資料になります

評価書は、引き渡し後も大切に保管しておきましょう。

9. アイム・ユニバースの分譲住宅の耐震

当社の住まいでは、耐震等級3を標準採用し、原則として全棟で構造計算を行っています。2016年以降、原則全棟に制震システムを搭載しています。現在は、独自に開発した制震ダンパー「AIM DAMPER」「AIM DAMPER AⅢ」のいずれかを導入しています(性能・技術のページ)。

また、当社の住まいは、設計住宅性能評価を取得し、長期優良住宅の認定を受けています(物件によっては該当しない場合があります)。くわしくは設計住宅性能評価・長期優良住宅のページをご覧ください。こうした取り組みを含む当社の「長寿命レジリエンス住宅」は、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会が主催する第12回「ジャパン・レジリエンス・アワード2026」で最優秀賞を受賞しました(2026年4月)。くわしくは受賞のページをご覧ください。

アイム・ユニバースは「設計住宅性能評価」を取得しています(設計住宅性能評価・長期優良住宅のページ)。建設住宅性能評価の有無など、物件ごとにお渡しする書類は、ご検討中の物件の担当者にお確かめください。

10. よくある質問

建売の耐震等級は、どこに書いてありますか?
住宅性能評価書の「耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)」の欄です。広告や販売図面に書かれていても、評価書の有無と種類を確かめましょう。
耐震等級の表示がない建売は、危ないですか?
建築基準法の耐震基準を満たして建てることが前提ですが、等級として比べる根拠がありません。表示がない理由と、ほかの書類の有無を聞いてみてください。
完成前の建売で、評価書をもらう意味は何ですか?
設計住宅性能評価書を売買契約書に添付、または交付してもらうと、その性能の住宅を引き渡すことを契約したものとみなされます(品確法6条)。
設計住宅性能評価書だけでも、地震保険の割引は受けられますか?
地震保険の割引の確認資料に含まれます。どの書類を出すかは、保険会社に確かめましょう。
建売で耐震等級3の割合は、どれくらいですか?
建売住宅だけに絞った割合は、国の公表値にはありません。令和7年度の一戸建ての交付戸数は、設計住宅性能評価書が139,383戸、建設住宅性能評価書が83,750戸です(注文住宅を含む一戸建て全体で、等級を問わない交付戸数です)。

まとめ

建売住宅の耐震等級は、評価書があるか、設計か建設か、そして契約書に付けてもらえるかで、確かさが変わります。完成前の契約なら設計住宅性能評価書、完成後の契約なら建設住宅性能評価書が、その性能を契約の内容にする書類です。

見学から引き渡しまで、タイミングごとに確かめることを決めておきましょう。耐震等級3を標準とした住まいを実際にご覧になりたい方は、エリアごとの物件情報もぜひご活用ください。

参考資料

  1. 住宅の品質確保の促進等に関する法律(e-Gov法令検索)
  2. 国土交通省「令和7年度の住宅性能表示制度の実施状況について」(2026年7月17日公表)
  3. 同 別添1「設計住宅性能評価書交付実績の推移」
  4. 同 別添2「建設住宅性能評価書交付実績の推移」
  5. 財務省「地震保険制度の概要」
  6. 住宅金融支援機構「フラット35S(技術基準)」
  7. 住宅性能評価・表示協会「新築住宅の住宅性能表示制度ガイド」(令和7年12月1日施行版)

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