新築の不動産登記とは?4つの種類と費用相場を確認

コラム

新築住宅の購入時には不動産登記という手続きが必要です。しかし、日常生活の中で頻繁に聞く言葉ではないため、「登記って何をすれば良いの?」と不安に思う人も少なくないでしょう。

基本的にはハウスメーカーに任せておけば問題ありませんが、詳細を知っておいた方が安心できるはず。不動産登記の概要と種類、費用について解説します。

新築の不動産登記とは

不動産登記とは、土地や家、マンションといった不動産の情報を公簿に記載することで、所有権を公的に示せる制度です。登記を行うことで、第三者に対して初めて所有権を主張できるようになります。

公簿に記載する主な内容は、「不動産の所在地・面積」「所有者の住所・氏名」「金融機関からの借入金額・利率」「抵当権や地上権などの権利情報」です。

これらの内容は国によって管理・公開されていて、申請すれば誰でも閲覧できます。手数料を払うことで、登記内容を確認できる登記簿謄本(登記事項証明書)の交付も受けられます。

新築の不動産登記の種類4つ

新築住宅の購入時は、建物と土地に関する登記が必要です。4つの登記内容について解説します。

1.建物表題登記
建物表題登記とは、土地に建物が初めて建ったときに行う登記のこと。新築住宅は「その土地に初めて建つ家」ですので、この登記が必須です。

建物表題登記は不動産登記法によって義務付けられていて、建物の完成から1ヵ月以内に申請する必要があります。1ヵ月を過ぎても申請は可能ですが、10万円以下の過料が科せられる可能性があるので、期限は必ず守りましょう(※)。

登記が完了すると、登記簿の上部にある「表題部」に、以下のような内容が記載されます。

・建物の所在地
・家屋番号
・建物の種類
・建物の構造
・建物の床面積
・所有者の住所、氏名

※参考:不動産登記法 第百六十四条|e-Gov法令検索

2.所有権保存登記
所有権保存登記は、建物の所有者を示すために行う登記です。建物表題登記だけでは、登記簿の「権利部」欄が空欄のままで、権利者の名前が記載されません。

新築住宅の購入時は、所有権保存登記を行うことで「権利部」欄に自分の名前が入り、所有者であることを公的に証明できます。これにより、不動産にまつわるトラブルが生じたときでも、第三者に所有権を主張できる“対抗力”を持てるわけです。

3.所有権移転登記(土地)
所有権移転登記とは、不動産の所有権を移行するために行う登記です。所有権は建物と土地の両方にありますが、新築住宅では建物の所有者は初めから自分ですので、土地の登記のみ必要です。

登記が完了すると、土地の所有者が不動産会社や売主から自分に変更されます。これにより、建物と土地の所有権がすべて自分のものになります。

4.抵当権設定登記
新築住宅の購入時に住宅ローンを利用する場合は、抵当権設定登記が必要です。この登記をすると、その不動産に抵当権がついていることが示されます。

住宅ローンの返済が困難になると抵当権が実行され、不動産は登記簿に記載された金融機関によって競売にかけられます。無事に返済が完了した際は、抵当権抹消登記を行うことで抵当権は抹消され、登記簿上に「抵当権抹消」と記載されます。

不動産登記費用に関するQ&A

新築住宅の登記について、費用も気になるポイントです。「費用はいくらかかるのか」「支払いのタイミングはいつなのか」「自分で手続きして節約できるのか」、3つの疑問の答えを見ていきましょう。

新築の不動産登記にかかる費用は?
不動産の登記費用の内訳は「登録免許税(収入印紙代)」と、「専門家への依頼料」です。登録免許税は固定資産税の評価額、専門家への依頼料は登記内容によって相場は異なります。

登記の種類登録免許税
※()内は軽減税率
依頼先報酬の相場
建物表題登記なし土地家屋調査士7万~12万円
所有権保存登記固定資産税評価額
×0.4%(0.15%)
司法書士2万~5万円
所有権移転登記(土地)固定資産税評価額
×2.0%(1.5%)
司法書士2万~7万円
抵当権設定登記借入金額
×0.4%(0.1%)
司法書士2万~5万円

登記費用の総額は「登録免許税の合計+専門家への依頼料の合計」で計算できます。具体的な金額は固定資産税の評価額や抵当権の有無、住宅ローンの借入額などによって異なりますが、50万円前後は想定しておくと良いでしょう。

新築の不動産登記費用はいつ支払う?
不動産の登記費用を支払うタイミングは、住宅完成後の残金決済・引き渡し時が一般的です。

残金決済は住宅ローンを利用する金融機関で行われ、売主とハウスメーカーの担当者、買主、司法書士が一堂に会します。司法書士による書類の確認や残金の支払い、鍵や書類の引き渡し後に、登記費用と司法書士への報酬を支払います。

自分で登記したら費用負担は軽減する?
不動産の登記は自分で行うことも可能です。自分で行えば専門家への報酬は必要ないので、費用を抑えられます。

しかし、必要書類の作成や準備には専門知識が必要な上、手続きに失敗は許されません。費用はかかりますが、登記は専門家に依頼するのが一般的です。

不動産登記は新築住宅の所有者を明確にするために必要

不動産の登記は、新築住宅の購入時に欠かせない手続きの一つです。登記をすることで「この家は自分のもの」と公的に示せます。ただ専門的な内容が多いので、基本的には専門家に任せましょう。

家づくりの際は、登記にかかる費用も念頭に置いておくと、金銭面でも安心して進められるはず。何か疑問点があれば、ハウスメーカーに相談すると、良いアドバイスをもらえるでしょう。

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