家庭用エレベーターの知っておくべきこと|気になる費用や注意点を解説

コラム

一般住宅に設置できる家庭用エレベーター。健康な人はもちろん、足腰が悪い人・車いすに乗っている人・ペットも、上下階の移動が楽になります。しかし気軽な買い物ではないため、設置費用・ランニングコスト・設置条件を把握して、しっかり準備することが大切です。

ここでは、家庭用エレベーターの設置前チェック事項と注意点を解説します。

家庭用エレベーターの設置前チェック事項【費用・設置可否】

家庭用エレベーター(ホームエレベーター)とは、一般住宅に設置するエレベーターです。上下階に重いものを運びやすくなる・足腰が悪くても上り下りしやすい・車いすやペットの移動が楽になるなどのメリットがあります。

しかし一部では「こんなに維持費がかかると思わなかった」「リフォームで設置を依頼したけどできなかった」という声もあります。

家庭用エレベーターの設置をスムーズに計画できるよう、事前にチェック事項を見ていきましょう。

設置費用
家庭用エレベーターの本体価格は200万〜600万円です。

<本体価格が決まる要素>
・サイズ:大きいほど高額
・家の構造:鉄骨造やRC造より、木造は強度・耐久制の強化が必要なので高額
・昇降行程(最下階の床から最上階の床までの距離):長いほど高額
・停止場所の数:多いほど高額

<価格比較表>

サイズ昇降行程停止場所の数本体価格(木造以外)本体価格(木造)
770×570mm(1人乗り)6.2m以下2約259万円約263万円
770×570mm(1人乗り)6.2m以下3約286万円約293万円
1150×730mm(2人乗り)7m以下2約306万円約317万円
1150×730mm(2人乗り)7m以下3約333万円約350万円
1150×730mm(2人乗り)7〜10m4約377万円約399万円
1500×920mm(3人乗り)7m以下2約421万円約432万円
1500×920mm(3人乗り)7m以下2約449万円約465万円
1500×920mm(3人乗り)7〜13m4約493万円約515万円

※メーカーによりサイズ・価格は異なります

平均以下の格安家庭用エレベーターもありますが、半畳程度の1人乗りサイズしかなかったり、家の構造次第では設置できなかったりと、設置可能条件が狭いことがほとんどです。

また、工事費用は40〜50万円ほどかかります。

ランニングコスト
ランニングコストとは、電気代やメンテナンス費用など、維持・管理に必要な費用です。

<年間のランニングコスト>

費用の種類平均価格
電気代5,000〜1万2,000円
メンテナンス費用(1〜2回)4万〜6万円

家庭用エレベーターにはロープ式・油圧式があり、油圧式のものの場合、約5年ごとにオイル交換代として5万円ほど支払いが発生します。家庭用エレベーターの耐用年数は25〜30年で、寿命がくるまで上記の費用を払っていくことになります。

また古くなった家庭用エレベーターの撤去工事費、新しい本体購入費がかかる可能性も購入前から考慮しておくと安心です。

リフォームの場合、設置できるかどうか
建築確認申請が通った家でなければ、リフォーム時の設置ができません。建築確認検査済証が手元にないときは、自治体に確認してみてください。

設置できるとしても、家庭用エレベーターを設置するのに必要な強度がない場合は補強工事、広さが足りない場合は増築が必須です。改築が可能な家でも、好きな場所に設置できない可能性もあるので、リフォーム会社とよく相談して検討しましょう。

助成金について
自治体によっては、家庭用エレベーターの助成金制度を導入しています。金額は、自治体・昇降行程・階段の形状などによって異なり、50万円前後になることもあれば100万円を超えるケースもあります。設置前には、ぜひ役所や自治体のホームページで確認してみてはいかがでしょうか。

家庭用エレベーターを設置するときの注意点

家庭用エレベーターの設置時は、昇降機確認申請費や固定資産税も加味して予算を組みましょう。また不便しないよう、人だけが乗るのか・車いすや荷物は乗せるのかなど、用途を考えたサイズ選びが大切です。

ここでは、設置するときの注意点を解説します。

昇降機確認申請が必要
家庭用エレベーターを設置する際、ほとんどの場合は昇降機確認申請が必要です。建築確認申請と同時に行うのが一般的ですが、建築確認申請が必要ないリフォームのときは昇降機確認申請のみになります。ただし、木造2階建てなどの第四号に分類される家のリフォームでは申請しなくて良いです。

申請は建築会社・リフォーム会社が行います。申請費は検査を行う機関によって異なりますが、10万円前後は用意しておきましょう。

固定資産税が上がる
家庭用エレベーターは固定資産に分類されるため、支払う固定資産税が増えます。固定資産税は、固定資産税評価額(本体価格の50〜60%)に1.4%かけた値が目安です。

例)本体価格300万円×50%×1.4%=21万円

年月が経ち、資産価値が下がると税額も安くなります。減価償却期間は17年です。

用途に合わせたサイズ選びを
少し膝が悪い1人が使用するエレベーターなら、半畳サイズの1人乗りで問題ないでしょう。しかし要介護で付き添いが必要な人、車いすに乗る人・今後乗る可能性がある人がいるなら、最小で考えても2人乗りは欲しいところ。

洗濯物や季節ものの家具などを運ぶのに使用する人は、荷物の大きさも考慮して1人乗り以上から選ぶと安心です。

まとめ

家庭用エレベーターは、数百万円の支払いが発生する大きな買い物です。また昇降機確認申請をしたり、固定資産税が上がったりすることも考慮しなければなりません。設置するにしても、用途に合ったサイズでなければ不便する可能性もあります。

購入してから後悔しないよう、価格・設置条件をしっかり確認しておきましょう。

管理人

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