吹き抜けのメリット・デメリット|後悔しないために知っておきたい10のこと

コラム

吹き抜けは2階の床と1階の天井部分がなく、開放感に溢れる空間を作れるのが魅力です。風通しが良い、おしゃれな空間になるなどメリットが豊富ですが、知っておきたいデメリットも存在します。

今回は、吹き抜けのある家の購入を考えている人に向けて、吹き抜けのメリット・デメリットと、吹き抜けをおしゃれにするコツ、実例を紹介します。

そもそも吹き抜けとは

吹き抜けとは2階以上の建物で上階の床がなく、ひと続きにした空間のことです。1階から天井までが高くなるため、広く開放感のある空間が生まれます。戸建の場合、玄関やリビング、階段などに取り入れられるケースが多いです。

吹き抜けの5つのメリット

吹き抜けのある家には、暮らしを快適で豊かにしてくれるさまざまなメリットがあります。ここでは、吹き抜けの5つのメリットを見ていきましょう!

1. 開放感があって広く感じる
吹き抜けのある家は、開放感があって部屋が広く感じるメリットがあります。なぜなら吹き抜けは1階から2階までつながっているため、天井による圧迫感がないからです。

人は壁で仕切られた空間に加え、天井が低いことで窮屈さを感じます。吹き抜けなら天井が高く開放感があるため、実際の面積よりも広く感じやすいのです。狭小住宅であっても吹き抜けがあれば狭さを感じにくいといえるでしょう。

2. 風通しが良い
吹き抜けのある家は風通しが良いのもメリットです。理由は開口部分が大きいことに加え、高低差のある窓が複数あるため、窓を開けるとたくさんの風が入り込むからです。

また暖かい空気が上に流れていくため、吹き抜けによって2階部分まで空気が届き、循環しやすくなります。さらに天井部分にシーリングファンをつけると、より効率的に空気を循環できるのでおすすめです。

3. 光が入って室内が明るい
吹き抜けのある家は、室内が明るいというメリットがあります。なぜなら吹き抜けによって1階だけでなく2階部分や天窓からも光が差し込むため、通常の家よりも多く光を取り込めるからです。太陽の位置が低く、光が差し込みにくい冬でも明るい部屋を保つことができます。

また、採光しづらい都市部の住宅密集地帯でも吹き抜けを活用することで室内の明るさを確保できます。家が隣接している土地の場合には、吹き抜けを設けることで2階や天窓の位置から光を取り込み、プライバシーを守りながら明るい部屋を確保することも可能です。

その他、日当たりの良い部屋は体内時計が整いやすい、夕方まで明るく照明をつけずに済むことで電気代の節約にもつながるなど、嬉しいメリットがたくさんあります。

4. 家族のコミュニケーションがとりやすい
吹き抜けのある家は、家族のコミュニケーションがとりやすいのもメリットです。吹き抜けは上下の空間がつながっていてフロアごとの仕切りがないため、違うフロアにいても家族の気配を感じることができます。

例えば2階から1階にいる家族に向けて会話することも可能です。2階に行く時にもリビングを必ず通るため、家族同士が顔を合わす機会が増えて自然と会話が生まれることでしょう。

また、子どもが成長した後でもコミュニケーションをとりやすい空間で生活することで、家族の絆を感じられるのも良いところです。

5. おしゃれな空間になる
吹き抜けがあるとドラマに出てくるようなおしゃれな空間が演出できます。例えば、上がるだけの階段をあえてリビングに設置してオープン階段にすることで、一気におしゃれ度がアップします。

吹き抜けの空間はすべてが見渡せるため、「細部まできれいに見せよう」という意識が芽生えるでしょう。こだわりの照明や家具を置きたくなり、掃除も隅々まで行き届くようになるかもしれません。そういった意識の変化がおしゃれな空間を作りだすともいえるでしょう。

吹き抜けの5つのデメリット

吹き抜けにはメリットだけでなくデメリットも存在します。しかし、事前に吹き抜けのデメリットを知っておけばあらかじめ対策を講じることができ、家を購入してからの後悔を防ぐことができます。

ここでは吹き抜けのデメリットを確認しておきましょう!

1. 照明交換・掃除がしづらい
吹き抜けは照明交換や掃除がしづらいといったデメリットがあります。吹き抜けの天井は高いため、ちょっとした踏み台では手が届かず長い脚立などを使用しなければなりません。

一般的な天井に比べ、電球が切れた時の交換や掃除が大掛かりになってしまい大変なのです。その対策として、高い天井に設置する照明は寿命の長いLED照明がおすすめ。頻繁に交換しなくて良いため、照明交換での苦労が軽減されます。

また、掃除する際には吹き抜け専用の掃除グッズを利用するのもおすすめです。それでも危険が伴う場合には業者に依頼するのも良いでしょう。

2. 室内が冷えやすい
吹き抜けは室内が冷えやすいのもデメリットのひとつです。なぜなら暖かい空気は上に流れてしまい、冷たい空気は下に溜まってしまうからです。そのため1階のリビングが特に冷えやすく、冬は暖房をつけても部屋全体がなかなか暖まらないと感じるでしょう。

また、開口部分が大きいため窓からの冷気が入りやすいのも室内が冷えやすい理由です。吹き抜けの2階部分にも大きなガラスを使用している場合、熱が逃げやすい状態を作ってしまいます。

対策としては、「シーリングファンを使う」「家の断熱性能を高める」の2つの方法です。冬場はシーリングファンを下向きに回して暖かい空気が下に流れるようにすることで、1階部分が冷えるのを防げます。

家の断熱性能は、断熱材の使用で高めることが可能です。壁や床下、天井などに断熱材を入れることで、室外の気温が室内に影響しなくなります。それにより室温を一定に保つことができ、1年を通して快適に過ごせます。なお、断熱材は新築時だけでなく、リフォームで後から施工することも可能です。

3. 2階の部屋数が少なくなる
吹き抜けは2階の部屋数が少なくなるデメリットがあります。なぜなら1階から2階まで空間をつなげるため、2階の床面積は必然的に減り部屋数がとれなくなってしまうのです。

部屋を広くしたい場合には、収納スペースを削るなどの工夫が必要になるでしょう。住んでから「やっぱり狭かった」と後悔しないためにも部屋数や広さは十分確保できるか確認し、収納スペースはどうするかなど事前に計画しておきましょう。

4. 音・ニオイが気になりやすい
吹き抜けは1階から2階まで空間がつながっているため、音やニオイが気になりやすいというデメリットがあります。

例えば1階でテレビを見ていた場合、2階まで音が聞こえて気になってしまうケースがあげられます。あるいは、2階で子どもたちが遊んでいる音や声が下まで聞こえることもあるでしょう。

1階で発生した音をすべて防ぐのは難しいですが、2階に防音・反響音対策をするなどして音を緩和する方法があります。

また、吹き抜けは料理のニオイが2階にまで漂います。ニオイ対策としてはキッチンだけ壁で囲うなどの方法が効果的です。

5. 間取りによっては耐震性にかかわることも
吹き抜けのある家は、間取りによっては耐震性にかかわることがあります。家は壁によって地震の揺れに耐えているため、部屋数が多いほど壁が増え耐震性が高まります。

しかし、吹き抜けがある家は2階の部屋数が減るため壁も少なく、耐震性にかかわる可能性があるのです。また階段と吹き抜けの位置が悪いなど、間取りによっても耐震性にかかわります。

なお、家の耐震性は1〜3の「耐震等級」で示されており、耐震等級3が最も高いです。吹き抜けのある家でも間取りによっては耐震等級3にできるとされています。

※耐震性について、詳しくはこちらの記事をチェックしてみてください。

“地震に強い家”の特徴や工法を解説!耐震・免震・制震の違いも知っておこう

吹き抜けのある家をおしゃれにするコツ

吹き抜けのある家を選ぶなら、ワンラックアップしたおしゃれな空間を目指したいものです。ここでは吹き抜けのある家をおしゃれにするコツを紹介します!

1. 照明選びにこだわる
吹き抜けは照明の選び方でグッとおしゃれな空間が演出できます。昼間は窓からの光で十分ですが、夜間の照明計画を忘れず立てておきましょう。

例えば、ペンダントタイプのライトは高い天井から吊り下げるのにピッタリ。コードを好みの長さに調整してくれるメーカーもあるため、長さを組み合わせて吊り下げるのも良いでしょう。シャンデリアなら一気にラグジュアリーな空間が生まれます。

暖かさを加えたい時はスポットライトの活用もおすすめです。

2. 廊下を有効活用する
吹き抜けは階段を上った先の2階廊下を有効活用するのもおすすめです。ただの廊下にするのではなく、デスクや椅子、本棚などを置くことでちょっとした書斎ができあがります。

リビングにいる家族の様子を眺めるなど、2階からの景色を楽しみながら過ごせるのも良い点です。勉強スペースや休憩スペースなどとして活用するのも良いでしょう。部屋のような隔離された空間ではなく開放的な場所だからこそ、リラックスして過ごせるかもしれません。

3. ギャラリースペースを設ける
吹き抜けの上下に開いた空間を利用して、ギャラリースペースを設けるのもおしゃれに見えるポイントです。例えば、リビング階段の横や2階の廊下スペースの壁に、お気に入りの絵画やポスターを貼るのも良いでしょう。

また、イベントものや子どもの絵などを飾ることで、季節感や子どもの成長を感じられます。吹き抜けは部屋全体を見渡せるため、空間のアクセントになりおしゃれ度がアップしますよ。

吹き抜けのある家の実例

ここからは吹き抜けのある家の実例を紹介します!照明や空間の使い方、インテリアコーディネートなどの参考にしてみてください。

吹き抜けにお気に入りの照明を設置

吹き抜けのあるリビングに、温かみのある照明を取り入れた例です。高い天井に設置された照明は部屋の雰囲気作りのポイントにもなります。オレンジ色の光が部屋全体のカラーにとてもマッチしていますね。

家族で過ごす時間が長く家の中心ともなるリビングには、特にお気に入りの照明を設置してみてはいかがでしょうか。

吹き抜けの開放感を活かして絵画を設置

吹き抜けの開放感を活かして、インパクトのある大きな絵画を設置しています。一般的な家に大きな絵画や観葉植物、本棚などを設置すると圧迫感が出てしまうでしょう。

しかし、吹き抜けがあれば大きなものを設置しても圧迫感がなくバランスがとれます。窓の外の景色も一体となっているように感じられ、素敵な空間を作りだしています。

吹き抜けを活かしたシンプルなインテリアコーディネート 

吹き抜けの高級感を活かして、あえてシンプルなインテリアコーディネートにする方法もあります。家具の色味を統一してモノトーンにすると、ハイクラスな室内に。スッキリとした空間で生活感がないため、家で仕事する際にも集中力が高まることでしょう。

また、物からの情報がないため、リラックスするのにも適しています。クールで洗練された、ホテルライクな部屋です。

吹き抜けのある家で家族の時間を増やそう

吹き抜けのある家は光がたっぷり降り注ぐ開放的な空間であることに加え、家族とのつながりを感じられるなどさまざまなメリットがあります。しかしその一方でデメリットが存在するのも事実です。

住んだ後に「吹き抜けをやめたい」と後悔しないためにも、デメリットをカバーする対策が不可欠です。あらかじめ対策をとることでデメリットを防げ、吹き抜けのある家での快適な暮らしを実現できますよ。ぜひ、吹き抜けのある家でかけがえのない家族の時間を増やしませんか。

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