ガレージハウスのメリットデメリット|間取り事例と後悔しないためのコツを解説
ガレージハウスとは1階部分が車庫、2階以上が居住スペースになった住宅のこと。車をシャッターの内側に駐車できるため防犯面や利便性に優れているものの、排気音やニオイなどが気になることもあります。
今回はガレージハウスのメリット・デメリットに加え、間取り実例と後悔しないためのコツを紹介します。
ガレージハウスとは
ガレージハウスとは、駐車スペースと居住スペースが一体化した住宅です。1階部分がガレージ(車庫)、2階以上が居住スペースの構造が一般的です。駐車スペースが外から見える一般的な住宅と違い、ガレージハウスは車を室内で保管できます。
ガレージが建物に組み込まれていることから、「ビルトインガレージ」や「インナーガレージ」とも呼ばれます。
ガレージハウスの5つのメリット
ガレージハウスは、車庫と居住スペースが一体化しているからこそのメリットが豊富です。愛車の保護、家族の利便性、節税の観点から紹介します。
1. 車を雨風・いたずら・盗難から守れる
ガレージハウスの車庫にはシャッターがついているため、車を屋外に露出しないで済みます。雨風にさらされないので、雨によるシミや風に舞う砂埃によるダメージを防げます。
また、他者によるいたずらや盗難から愛車を守れるのも魅力です。近隣で車上荒らしが頻発している場合でも、ガレージに格納されている車が狙われる可能性は低いでしょう。
2. 車と家の移動が楽
ガレージハウスは居住スペースの近くにガレージがある分、車との行き来が簡単です。荷物が多くても負担がかかりにくく、雨の日は車を降りて傘をさす必要がありません。
ガレージが建物内にあり居住スペースとの距離が近いことで、小さな子どもが車に乗らず道路に飛び出してしまうリスクや、高齢者の足腰に負担がかかる心配を減らせるのもメリットと言えます。
3. ガレージ部分を有効活用できる
ガレージはシャッターを閉めると外から覗かれることはありません。車のメンテナンスはもちろん、ギターを弾いたりDIYをしたりと、趣味のスペースとしても活用できます。
4. 土地が狭くても駐車スペースを確保できる
住宅の敷地内に独立した駐車スペースを設けるためには、その分だけ土地に余裕が必要です。広い土地を用意できない場合は居住スペースを削る、または駐車場を別に借りる必要があるでしょう。
その点、ガレージハウスは車庫が建物内にあるため、土地が狭くても駐車スペースを確保できます。広さがない土地や、地価が高いエリアに建てる際にガレージハウスは有効です。
5. 固定資産税の節税になることも
住宅を所有すると固定資産税がかかります。固定資産税は住宅の広さや価値から算出されますが、ガレージハウスの車庫は住宅の延べ床面積の1/5までは面積に含まれないため、節税になる可能性があります。
ガレージハウスの4つのデメリット
ガレージハウスには複数のメリットがある反面、費用や環境、間取りに関するデメリットも存在します。事前に知っておきたいデメリットを4つ紹介します。
1. 建築コストが上がる
ガレージハウスは1階部分の間口が広いため、少ない柱や壁によって建物の強度を高める必要があります。設計・建築にこだわる分、ガレージハウスは一般的な住宅と比較して建築費用が高くなる傾向にあります。
2. エンジン音や排気ガスが気になりやすい
ガレージハウスのデメリットとしては、車のエンジン音や排気ガスが居住スペースに伝わりやすい点も挙げられます。駐車スペースと居住スペースが近いため、車を動かしたときの音やニオイが気になってしまうかもしれません。
3. 居住スペースが狭くなる
1階部分の大半がガレージだと、その分だけ居住スペースが狭くなります。3階建てであればそれなりのスペースを確保できますが、2階建てだと家族の人数によっては住みづらさを感じることも考えられます。
4. 間取りに工夫が求められる
ガレージハウスは居住スペースが少なくなる分、住む前の間取り決めが重要です。間取りは敷地の広さによって異なるものの、リビングや寝室は2階以上に来ることが多いでしょう。階段の上り下りが発生するため、年を重ねたときの移動も考える必要があります。
また、ガレージと寝室・子ども部屋が隣接していると、エンジン音が睡眠の妨げになることも。夜に車を動かすことが多い、夜勤があるなど、家族のライフスタイルも考慮した上で間取りを決めましょう。
ガレージハウスの間取り例
ガレージハウスの間取りに迷ったとき、ガレージのイメージが湧かないときは実際の写真が参考になります。ガレージの活用方法と併せてチェックしていきましょう。
間取り例①自転車も格納して安全性アップ
ガレージの面積はそこまで広くないものの、車の周囲に若干の余裕を持たせている間取り実例です。
空いたスペースに自転車を置き、完全な駐車スペースとして使用しています。自転車は外に置いておくと盗難の恐れがありますが、ガレージに格納しておけば安心です。
間取り例②空間に余裕を持たせて活用の幅を広げる
こちらはガレージに広さを持たせた間取り実例です。車を停めても余裕があるため、他の物を置いたり作業場にしたりと、駐車スペース以外にも活用できます。例えば車がないときはシャッターを閉めて、子どもやペットの遊び場にすることも可能です。
ガレージハウスの購入で後悔しないためのコツ
ガレージハウスを購入する際は、駐車スペースと居住スペースのバランスや快適さを考慮すると失敗を防ぎやすくなります。購入してから後悔しないために知っておきたいコツを3つ紹介します。
車の所有について将来を見据えておく
ガレージハウスを含む一戸建ては将来を見据えた上で購入しましょう。ガレージハウスの場合、建てた後にガレージ部分の広さを変更するのは困難です。
ガレージ部分が狭いと、今乗っている車なら問題なくても、もう少し大きい車に乗り換えるとドアの開閉が難しくなることが考えられます。家族が車を所有するようになったら、複数台が停められるスペースが必要になるでしょう。
ガレージハウスを購入する際は、車の買い替えや台数の増減など、家族の未来も考えておくことが大切です。
ガレージ内の設備にこだわる
ガレージは駐車スペースとはいえ、建物と一体化している以上は設備にもこだわりたいところです。シャッターを閉めると真っ暗になるため、照明器具は必要不可欠です。夜間でも問題なく駐車できるように、ある程度の明るさがある照明器具を選びましょう。
また、車の排気ガスを室外に逃がす換気扇も必要です。排気ガスがガレージにこもったり、居住スペースに届いたりすると住みやすさが低下します。換気扇は風量を確認した上で設置したいところです。
その他にも棚や水道、コンセントなど、ガレージの活用方法に合わせた設備があると快適に暮らせるでしょう。
動線を確認する
ガレージハウスは駐車スペースと居住スペースの動線を確認した上で購入すると快適に暮らしやすくなります。
特に、ガレージと居住スペースは行き来できると便利です。例えば玄関とは別にガレージに勝手口を設置し、キッチンに出られるようにしておくと、買い物した後の荷物を運ぶ手間と労力が省けます。
ガレージハウスの購入は間取り実例も参考に検討しよう
車庫と居住スペースが一体化したガレージハウスは、あまり広くない土地に家を建てたい人、防犯面を気にする人、車が好きな人にぴったりな住宅です。
土地の有効活用や車の保護、家族の利便性などメリットは豊富ですが、後悔しないためにはデメリットも把握しておくことが大切です。間取り実例も参考にしつつ、どんな住宅が良いか検討してみてくださいね。