隣地境界線とは?確認方法やトラブルを防ぐ方法を解説

コラム

隣地境界線とは、建物が建つ土地と土地との境を示す線のこと。建築する際やブロック塀を設置する際など、どこまでが自分の土地か確認するのに重要です。

しかし、目で見えるものではないため、隣地境界線があやふやになっている土地も多々あり、トラブルを招くケースも多いのです。

そこで今回は隣地境界線の確認方法や、トラブルを防ぐ方法を解説します。

隣地境界線とは?

隣地境界線とは、建物が建つ土地と隣接している土地との境界線を指します。

単なるお隣との境界線と思われがちですが、隣地境界線を超えての建築やブロック塀の設置などは、隣接所有者とのトラブルに発展しかねません。なぜなら、隣地境界線は法律とも関係しているからです。

建築基準法では、「建物を建築する際には隣地境界線から50cm以上離す必要がある」といった規定があるため、これに反して建築した場合、工事がやり直しになる可能性もあります。

家の建築や増築の際には、隣地境界線を確認しておくことが非常に重要なのです。

隣地境界線の確認方法3つ

では、目に見えない隣地境界線はどのようにして確認すれば良いでしょうか。隣地境界線を確認するには、主に3つの方法があります。

・地積測量図を取得
・専門家に測量を依頼
・筆界特定制度を利用

それぞれの方法を詳しく解説していきます。

1.地積測量図を取得
地積測量図とは、土地の面積や隣地境界線などが記載された、公的な図面のことです。法務局へ訪れて申請すれば、誰でも取得することができます。インターネットや郵送で請求することも可能です。

ただし、地積測量図は昭和時代に作成されたものが多く、測量の精度が低いものや境界線が誤っているケースもあります。

そのため、取得する際には地積測量図に記載されている作成日を必ず確認し、平成17年3月7日以降に作成されたものを参考にすると良いでしょう。この日付以降は、隣接地所有者の境界立ち会いが必須とされ、境界が明確であるためです。

2.専門家に測量を依頼
古い地積測量図しか手に入らなかった場合、「測量士」や「土地家屋調査士」などの専門家に測量を依頼すると良いでしょう。

測量とは土地の面積や形状、境界線を把握する作業のことです。測量の中でも「確定測量」を選ぶのがおすすめです。

確定測量は、隣接地所有者が立ち会いのもとで境界を確認する測量が行われるため、隣地境界線が明確になります。

確定測量は100㎡くらいで35~60万円程度と費用がかかりますが、境界の確定が担保されるため、不動産売買の際にも役立ちます。

3.筆界特定制度を利用
隣地境界線を確認する方法3つめは、筆界特定制度を利用する方法です。「筆界」とは、土地が登記された際にその土地の範囲として定められた線を指します。

つまり筆界特定制度とは、筆界特定登記官と呼ばれる専門家が、筆界(境界)の位置を明らかにする制度のことです。

筆界特定制度は、隣地境界線トラブルによる裁判の発生を防ぐため、2006年(平成18年)に不動産登記法が改正されたときに作られました。

半年から一年程度で筆界が特定されるため、2年程かかる裁判よりも早く結果を明らかにできるのが特徴です。

確定測量に隣接所有者が応じてくれなかった場合や、境界線で揉めている場合に有効的な手段といえます。

基本的には数千円~一万円程度で済むため、費用が安く抑えられるのもメリットです。

その他知っておきたい境界線2つ

境界線には他にも「道路境界線」と「敷地境界線」と呼ばれるものがあります。それぞれの特徴を確認していきましょう。

1.道路境界線
道路境界線は、土地と隣接する土地に接している道路との境界線です。ここでの道路とは、私道ではなく、区や市などが所有している公道を指します。

道路境界線は土地と道路の間の境界線であるため、そこからはみ出して建物を建築することはできません。

2.敷地境界線
敷地境界線とは、敷地の外周を指します。隣接境界線のように実際に境界線が示されているわけではなく、敷地の周りをぐるっと囲った線になります。

敷地境界線の一部には、隣の土地に接している隣接境界線や道路に面している道路境界線が含まれるのが特徴です。

隣地境界線で隣人とのトラブルを防ぐポイント2つ

隣地境界線を無視して建築を行った場合、隣人との関係悪化や工事の中断、損害賠償などのトラブルが発生する可能性があります。

ここでは、隣地境界線で隣人とのトラブルを防ぐポイントを2つ紹介します!

1.すべての境界標を確認
境界標とは、土地の四隅に埋められている境界線の目印となるものです。境界線の折れ点部分の四隅に埋めてあります。

境界標はコンクリート杭や石杭などが一般的ですが、災害や工事などで一部損失しているケースもあるため確認が必要です。

すべて揃っていない場合は、隣人とのトラブルが発生した際に、境界線を正しく主張できないほか、本来の面積よりも減ってしまう可能性があります。

地積測量図には境界線が記載されているため、地積測量図を見ながら境界標の場所を確認し、見当たらない場合は新たに設置を検討しましょう。

2.建てる地域の建物と隣地境界線のルールを確認しておく
建築基準法として、基本的には「隣地境界線からの距離は50cm以上あける」といったルールがあります。しかし、地域によっては1mや1.5m以上離さなければならない場合もあるため、注意が必要です。

「ギリギリ50cm離して建てたけど、実際は1m離す必要があった…」という事態にならないよう、地域における隣地境界線のルールはチェックしておきましょう。

隣地境界線のトラブルが起きないよう、事前に確認しておこう!

隣地境界線は、地面に線が引かれているわけではないため、あいまいになっているケースが多々あります。

建築や増築の際に、隣接所有者とのトラブルを起こさないためにも、どこまでが自分の土地か確認しておくことが重要です。

地積測量図の取得や確定測量などの方法を用いて、隣地境界線を確認してみてはいかがでしょうか。隣地境界線を把握して、トラブルのないマイホーム作りを進めていきましょう。

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