注文住宅の価格と相場|価格別の間取りイメージ【1000万・2000万・3000万・4000万】

コラム

注文住宅の価格は土地の有無やエリアなどによって異なります。当然、予算が高いほど間取りや外観の自由度は高まりますが、1,000万円台から建てることは可能です。

本記事では注文住宅の購入を考えている人に向けて、費用相場と価格の内訳を始め、予算別の間取りイメージとコストダウンのコツを紹介します。

注文住宅の価格│費用相場について

家を建てる際は土地が必要です。よって、注文住宅の費用相場や総費用は土地の有無で異なります。住宅金融支援機構が実施した「2021年度 フラット35利用者調査」では、以下のように発表されています。

<所有の土地あり>
全国平均費用は3,572万円。2014年度以降、8年連続で上昇しています。

<所有の土地なし>
一方、土地込みで注文住宅を購入する場合の全国平均費用は4,455万円です。こちらも2013年度以降、9年連続で上昇しています。「土地あり」よりも平均値が高いのは、土地を所有していない場合は取得費用がかかるためです。

住宅の価格高騰には半導体不足やウッドショック、世界情勢などが関係しています。ウッドショックとは木材価格の高騰による混乱のことで、コロナ禍が原因で発生して以降、今後も続くと予想されています。

なお、注文住宅の建築にかかる費用は予算次第です。予算の範囲で、どの程度希望を叶えられるかシミュレーションしておきましょう。

▼外部リンク

住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」
https://www.jhf.go.jp/files/400361622.pdf

注文住宅の価格│内訳について

注文住宅を建てる際は、土地代・建築費・諸費用がかかります。費用の目安を把握するために、価格の内訳を見ていきましょう。

土地の購入費用
注文住宅の購入費用のうち、大部分を占めるのは土地代です。土地代は広さや坪単価によって異なります。坪単価は立地や利便性、人気度などによって算出されるため、都心や人気のエリアに家を建てる場合は、土地代が高額になりやすい点に注意が必要です。

<費用の項目>
・手付金
・購入物件の残代金
・購入諸費用(印紙税・仲介手数料)

なお、所有している土地に家を建てる場合は土地代がかかりません。ただし、地盤の補強やその他の整備が必要な場合は、土地の改良費用が発生します。

建築費用
建築費には、基礎から内装・外装までの費用すべてが含まれ、本体工事費用と付帯工事費用に分けられます。

1. 本体工事費用
住宅の建築にかかる費用で、家を建てる費用全体の70%を占めます。

項目内容
仮設工事費用・足場の組み立て
・トイレ、仮設電気、水道の設置
基礎工事費・床下に関するベタ基礎に関する工事
・壁にコンクリートを打ち付ける布基礎の工事
木工事費用・木材の加工~組み立て、取り付け
内外装工事・内装工事:フローリング、タイル貼り、クロス貼り
・外装工事:屋根、屋上防水、外壁
空調工事、設備の設置工事・キッチンや浴室などの室内における設備に関する工事
設計料・注文住宅の設計に関するもの

2. 付帯工事費用
建物以外の工事にかかる費用で、全体の15~20%が目安です。

項目内容
外構工事費用・駐車場、門、堀、庭などの工事
水道管やガス管を敷地に入れる工事費用・水道管:30万~50万円
・ガス管は1mあたり1万円程度
照明やエアコンの取り付け費用・照明やエアコン本体の購入
・スイッチ、コンセントカバー、配電盤などの設置
地盤調査、地盤改良工事費、解体費用・地盤が住宅の建築に適しているかの調査
・地盤を強くする工事
・立て替える場合の解体

諸費用
住宅購入に関する契約にかかる手数料や印紙税、不動産の取得・住宅ローンに関する税金などが含まれます。

エリア別の費用相場や価格の内訳について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

家を建てる費用はいくらかかる?土地のありなしで建てられる家が変わる

価格別│注文住宅の広さ・間取りの目安

注文住宅の広さと間取りは、土地の取得や建築にかけられる金額によって異なります。

予算広さ(床延べ面積)間取り
1,000万円台90~110平方メートル2LDK~4LDK
2,000万円台110~120m平方メートル2LDK~5LDK
3,000万円台120~130平方メートル3LDK~6LDK
4,000万円台130~160平方メートル4LDK~7LDK

上記を踏まえた上で、間取りと広さ、設備の目安を建築費用の予算別に見ていきましょう。

予算1,000万円台:コストを抑えるシンプルな間取り
予算1,000万円台の広さと間取りの目安は次の通りです。

<広さ>
・床延べ面積:90~110平方メートルほど

<間取り>
・2LDK~4LDK
・間仕切りを少なくしたシンプルなプランが基本
・正方形や長方形の形状が多い

土地を所有している場合の費用相場が3,572万円であることを踏まえると、建築費の予算1,000万円は一般よりも少ないと言えるでしょう。このような低予算で建てる家は「ローコスト住宅」と呼ばれます。

予算2,000万円台:メリハリのある間取り・設計
続いて、予算2,000万円台の広さと間取りの目安は次の通りです。

<広さ>
・床延べ面積:110~120m平方メートルほど

<間取り、設計>
・2LDK~5LDK
・シンプルな形状や間取り
・水回りをまとめて配置して配管の工事費を抑える

予算2,000万円は全国の平均相場より少ないため、広さや間取りに関して予算1,000万円より大幅に変えることは難しいでしょう。

ただ予算が上がる分、使用する建材や部材を高級感のあるものにしたり、グレードの高い設備を設置したりと、予算1,000万円より細部にこだわることは可能です。

予算3,000万円台:理想を叶えやすい間取り
予算が3,000万円台になると広さと間取りの幅が広がります。

<広さ>
・床延べ面積:120~130平方メートルほど

<間取り、設計>
・3LDK~6LDK
・敷地が広ければ正方形や長方形以外の形状も可能
・趣味の部屋や書斎、仕事部屋を設ける余裕が出る
・間取りによっては二世帯住宅も可能

予算が3,000万円台であれば、設備や素材に関して標準仕様からオプション仕様にグレードアップしやすくなります。

予算4,000万円台:こだわりが詰まった間取りを実現可能
予算が4,000万円台であれば、広さも間取り・設計にもこだわれます。

<広さ>
・床延べ面積:130~160平方メートルほど

<間取り、設計>
・4LDK~7LDK
・ロの字型やコの字型など好きな間取りにしやすい
・完全分離の二世帯住宅、賃貸併用住宅の設計も可能
・事務所や店舗を含めた設計も可能

予算が4,000万円台になると使えるお金に余裕が出るため、間取りや設備に関する理想を叶えやすくなります。一般的な住宅は木造ですが、鉄骨造にもできるでしょう。

▼内部リンク:4月分記事「賃貸併用住宅」

注文住宅の価格を抑えるコツ

注文住宅を建てたいけれど潤沢な予算を確保できない場合は、家の形状や設備、間取りなどを見直して価格を抑えるのも一案です。注文住宅の価格を抑える4つのコツを紹介します。

シンプルな形状の家にする
住宅の建築費を抑えたい場合は、建物の形状を見直しましょう。せっかくの注文住宅ということもあり、見た目に凝った特徴的な家にしたいかもしれません。

しかし、凹凸がある家は設計や工事が難しい分、費用が高額になりやすい傾向にあります。正方形や長方形など、凹凸のないシンプルな形状にすると費用を抑えられます。

設備・性能にメリハリをつける
キッチンやお風呂場に配置する設備や、建材などのグレードも注文住宅の価格を左右します。すべてにこだわると金額が高くなるので、設備・性能には優先順位をつけることが大切です。

「ここだけは外せない」と考えた部分に費用をかけ、メリハリをつけると予算の範囲内に収まりやすくなるでしょう。

水回りは1フロアにまとめる
お風呂場やトイレ、キッチンといった水回りには配管工事が必須です。1階と2階に分散していたり、同じフロアでも離れた場所に位置していたりすると、配管工事が複雑になり費用が上がりやすくなります。工事費を抑えたい場合は、水回りの集約を検討してみてはいかがでしょうか。

和室を設けない
和室は工事費や畳代などがかかる分、洋室よりも費用がかかります。また、和室は建築後も畳や障子の張り替え費といったランニングコストが発生します。注文住宅の価格を抑えたい場合は和室を設けず、洋室のみにすると良いでしょう。

注文住宅の価格は予算次第!どんな家が良いか考えてみよう

注文住宅の価格は土地の有無によって異なりますが、どちらの場合も予算が3,000万円以上あると理想の家づくりをしやすくなります。1,000万~2,000万円台に抑えたいのであれば、間取りや家の形状、設備などをシンプルにしましょう。

注文住宅の価格や間取りなどは、すでに家を建てた人の実例や経験談も役立ちます。予算と相談しつつ、どんな家が良いか具体的に考えていきましょう。

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