スウェーデントーチは丸太で作る焚き火。消火後はプランターとして再利用
焚き火好きのキャンパーの間で話題になっているスウェーデントーチ。
丸太を燃やす仕組みで、薪をくべる必要がないのが特徴です。
また、燃え残りはプランターとして再利用できる点も注目されています。自宅の屋上テラスに置けば、ナチュラルでオリジナルなアイテムとして楽しめるでしょう。
今回は、使い方はシンプルなのに多彩な魅力があるスウェーデントーチの楽しみ方を解説します。
スウェーデントーチは焚き火の一つ
ウッドキャンドルとも呼ばれるスウェーデントーチとは焚き火の一つで、主にキャンプで楽しむものです。
スウェーデントーチの特徴をもっと詳しくみていきましょう。
発祥はフィンランドといわれている
丸太に切れ目を入れて燃やすスウェーデントーチは、元々はフィンランドでかがり火として使われていたそうです。
ここで「スウェーデントーチなのに、発祥がフィンランド?」と不思議に思う方もいるかもしれませんね。
発祥はフィンランドですが、戦時中にスウェーデンの兵士たちが使うようになったためスウェディッシュトーチ(スウェーデントーチ)と呼ばれるようになりました。
使用用途は焚き火と調理
スウェーデントーチは薪をくべなくても数時間燃え続ける焚き火です。暖まりながら、ゆらゆら揺れる炎をのんびり眺めるのは、至福の時間となることでしょう。
また、スウェーデントーチの火は、調理をする際にも使えます。フライパンを燃える丸太の上にセットすれば、ワイルドなアウトドア料理を楽しめるでしょう。
ただし、燃えている時間が長くなると丸太の木が崩れやすくなるため、料理は燃やし始めのうちにする点に注意が必要です
「スギ」が適している
スウェーデントーチに使う木の種類は、「これでなければならない」というものはありません。
基本的には乾燥した丸太であれば構いませんが、中でも適しているのはスギといわれています。丸太には切れ目を入れる必要がありますが、スギはやわらかく加工がしやすいからです。また、着火しやすく、手に入りやすい点もおすすめポイントです。
スウェーデントーチの3つの魅力
丸太に切れ目を入れて使うスウェーデントーチは、キャンパーたちの心を惹きつけています。ここからは、その魅力を3つ挙げていきます。
シンプルなのに多機能
通常、焚き火をするには、丸太を薪にしなければなりません。しかし、スウェーデントーチは丸太をそのまま燃やすため、薪割りをする必要も、燃やしている最中に薪をくべる手間もかからないメリットがあります。
また、薪をくべる焚き火は、強風の際に薪が飛んでしまうことがありますが、丸太ごと燃やすスウェーデントーチには、その心配がありません。
さらに、丸太の形が残っているうちであれば、五徳要らずのコンロになり、料理することもできます。ただし、丸太の形状によっては、火が近くなりすぎるため、別途スウェーデントーチ用の五徳をセットして使うといった工夫が必要です。
持続時間が長いのに消火も簡単
一旦、火を付ければ、安定して長い時間燃え続けるのも魅力です。丸太の大きさによって違いはあるものの、太い丸太で約2~3時間、細い丸太で約1時間、手間をかけなくても燃え続けます。
スウェーデントーチの消し方は簡単。燃え尽きれば自然に消えますが、急いで消したい場合には水をかければ消火できます。燃えている状態でも、2リットルほどの水をかければ消せるでしょう。また、しっかりと乾燥させれば、再利用も可能です。
見た目がフォトジェニック
多くのキャンパーがSNSなどに写真をアップしていることからもわかるように、燃えているスウェーデントーチはSNS映え抜群です。
丸太の内側から炎が出る様子は、日常生活ではみられない幻想的な光景でしょう。
また、焚き火には癒やし効果があるといわれ、疲れているときに揺らぐ炎の様子を見つめて、リラックスすることも期待できます。
スウェーデントーチの作り方3つ
丸太に切れ目が入っていて火を付ければ良い状態で販売されているスウェーデントーチもあります。手軽に楽しむには、できているものを使うほうが良いでしょう。
しかし、手作りにこだわりたいという方もいるはず。そこで、スウェーデントーチの作り方を3つ紹介します。
【本格】丸太×チェーンソーで作る
本格的に自作するなら、丸太にチェーンソーで切れ目を入れる方法がありますが、かなりテクニックが必要です。
丸太の入手方法は、大工や木工所から廃材を分けてもらうと良いでしょう。切ったばかりの木は、乾燥させるのに数カ月から1年以上かかるので、乾燥しているかどうか確認してください。
また、チェーンソーは正しく使用しなければ危険が伴います。たとえば硬いものに当たった反動で跳ね返ってくることも。怪我をしないようにするには、次の装具は用意してください。
・保護メガネ
・イヤーマフ(耳栓)
・防護手袋
・チャップス(防護ズボン)
・安全靴(安全ブーツ)
・チェーンソー作業用ヘルメット
・防護ジャケット
・防塵マスク
チェーンソーで丸太に切れ目を入れる手順は次の通りです。
1.地面に10センチほど穴を掘り、丸太の根元を入れて固定する
2.チェーンソーの回転を上げ、丸太の上から真っすぐ切れ目を入れていく
3.切れ目を入れすぎると丸太が割れてしまうため、地上10センチくらいで止める
切れ目は2~4本入れるようにしましょう。切れ目が多いほど空気を取り込みやすくなり、良く燃えるようになりますが、燃え尽きるまでの時間は短くなります。
【簡単1】角材×のこぎりで作る
チェーンソーを使うより簡単に作れる、角材とのこぎりで作る方法です。
1.通販やホームセンターなどで入手した角材を40~50センチくらいの長さに切る
2.のこぎりで4つの側面に切れ目を入れる
3.木口の真ん中にドリルで直径2センチくらいの穴をあける
ドリルであけた穴が煙突のようになり、空気の循環が良くなるため、燃えやすくなります。
【簡単2】枝×針金で作る
続いて、枝と針金で作る方法です。
1.腕の太さぐらいの乾燥している枝を10本ほど用意する
2.枝をまとめて、2~3か所、針金で止める
着火するときは、10センチくらい地面に埋めると固定できます。また、枝の代わりに薪を使っても良いでしょう。
【消火後】草花のプランターとして再利用する
スウェーデントーチは燃やし続けると、最後は煤けた丸太になります。
燃え残りは、おしゃれな植物を生けるプランターとして再利用できます。好きな草花などのプランターにして楽しんでみましょう。
スウェーデントーチでいつもと違う焚き火を楽しもう
キャンプ場によっては直火NGな場合があり、その際は防火シートを敷いたり、焚き火台の上に置いたりといった配慮が必要になります。
また、燃やした後の片付けは、冷めてから持ち帰る、指定の場所に運ぶなど、しっかりと行いましょう。
持ち帰って、自宅の屋上テラスでおしゃれなプランターとして活用するのもおすすめです。
注意点を守り、スウェーデントーチでいつもとは違う焚き火を楽しんでみませんか?