日本の冬は囲炉裏を囲んで団らんを。屋上やウッドデッキで使える囲炉裏を紹介
伝統的な日本家屋の中心にあった囲炉裏。床を四角く切り取って灰を敷き詰め、薪や炭をおこす一角として造られ、かつてはそこで暖をとったり調理したり、家族団らんの場所として機能していました。
しかし、電化製品の進化や生活スタイルの変化により、囲炉裏がある家はなかなか見かけなくなりましたよね。とはいえ、近年では古き良き日本の風情が見直され、リフォームや新居に囲炉裏を取り入れる方が増えつつあるのです。
しかも、室内だけではなく、屋上やウッドデッキでも手軽に設置できる囲炉裏もあるのだとか。そこで今回は、屋上テラスで使える囲炉裏と、囲炉裏を使ったおすすめレシピをご紹介します!
日本の冬を感じよう!屋上テラスで使える囲炉裏とは?
風情を感じる囲炉裏の魅力
囲炉裏の最大の魅力といえば、日本の風情を感じさせる雰囲気ではないでしょうか?
そこに囲炉裏があるだけで、火を囲み家族が集まる温かな空間ができあがり、コミュニケーションを育む場が生まれます。揺らめく火や、炭でじんわり灯る赤い光に、心も安らぎ、自然と会話もはずみますよね。
また、囲炉裏で作る料理は、遠赤外線の炭の効果で、低温でじっくり火を通すため、美味しくできあがるというメリットも。調理に多少時間はかかるかもしれませんが、電気コンロとは違った味わいに、驚くことでしょう。
屋上テラスには「囲炉裏風火鉢」がおすすめ
そんな魅力あふれる囲炉裏ですが、屋上やウッドデッキで使いたい方におすすめなのが、「囲炉裏風火鉢」または「囲炉裏テーブル」と呼ばれるものです。
持ち運びができる移動式タイプなので、施工いらずで手軽に囲炉裏の雰囲気を楽しめます。本来の囲炉裏と同じように、真ん中にくぼみがあり、灰や炭を入れて使える他、七輪が置けるタイプなど種類はさまざま。
サイズも、やかんひとつだけ置ける小さな長方形タイプから、4人以上で囲みながら食事がとれる大きなテーブルタイプもあるので、用途に応じて選ぶと良いでしょう。
地面に直接熱が伝わることがないため、ウッドデッキやお好きな場所でも、問題なく使えるのでおすすめです。
囲炉裏風火鉢の使い方や処理方法、保管方法とは?
囲炉裏風火鉢の使い方
まず囲炉裏風火鉢を使用する際に、必要なアイテムがあります。それは、「灰、五徳、炭、火箸、火消しつぼ」です。これらは、最低限揃えておきましょう。
ちなみに使用する灰は「木灰、セラミック灰」の2種類が適しています。木灰は放射線量検査済みの安心して使えるものを選ぶと良いでしょう。
また、セラミック灰は珪藻土を燃やして出た灰で、ほこりが立たず、手が汚れにくいため、多くの旅館や飲食店でも使われているのが特徴です。
それでは、「囲炉裏風火鉢」の使い方をお伝えします。
①灰を入れる
まず始めに行うのが、灰を入れること。灰は、炭を燃えやすくしたり、炭の熱が直接囲炉裏に伝わらないようにしたりと、重要な役割を果たします。
灰の量は底から10㎝以上入れるのがおすすめ。多めに入れることで、火の調整や火箸をさせます。また、「灰ならし」で模様を描くなど、火まわりに装飾性を持たせることで、おもてなし度も増すことでしょう。
②炭をおこす
炭をおこす時に便利なのが、市販の炭おこし器を使うことです。炭おこし器に入れ、ガスコンロで温めれば簡単に火おこしができますよ。
ちなみに、囲炉裏風火鉢に最適な炭は備長炭。理由は、煙が出ず、無臭だからです。しかし、短時間で燃え尽きてしまう欠点もあるため、燃えやすいくぬぎ炭などと一緒に使うと良いでしょう。かすかに漂うくぬぎの香りにも癒されますよ。
③五徳を置き、囲炉裏を楽しむ
炭おこしが完了したら、炭を囲炉裏風火鉢の中に入れ、あとは楽しむだけ。五徳を置いて、やかんでお湯を沸かしたり、網を敷いて焼き物をしたりと、情緒あふれる日本の冬を満喫できることでしょう。
使用後の処理方法と保管方法
一般的に使用後は、炭に灰をかぶせて火を消すのですが、ちゃんと火が消えてるか心配ですよね。そこで活躍するのが「火消しつぼ」です。
火消しつぼに炭を入れ蓋をしておけば、自然と消火してくれるので安心。そして、囲炉裏風火鉢の保管方法ですが、またすぐに使う場合は灰を入れたまま蓋をして、安全な場所へ保管しておくと良いでしょう。
夏季など長期間使用しない場合には、炉から灰を全て取り出し、汚れている部分はしっかりと拭き、きれいな状態で倉庫などにしまうことをおすすめします。ちょっとした手入れをすることで、長持ちしますよ。
また、使用後の灰は、料理用のふるいにかけ、サラサラの灰を食品保存用袋に入れて湿気防止し密閉保存します。そうすることで、灰を再利用できるでしょう。
囲炉裏を使ったおすすめレシピ2選
◆ホタテの囲炉裏焼き
焼くだけの簡単調理!お酒のあてにも抜群です。
【材料】(3~4人前)
・ホタテ 10個
・酒 10cc
・醤油 5滴
【作り方】
1.ホタテの平らな方を下にし、網の上に置く
2.貝がパカッと開いたら酒と醤油をたらしてできあがり!
囲炉裏焼きでじっくり火を通すことで、ホタテの旨味成分が増して最高の味わいが堪能できますよ。
◆かつお節ネギみそ焼きおにぎり
かつお節とネギみそのいい香りが漂う、ほくほくアツアツのおにぎり。子どもも喜ぶメニューです。
【材料】(1人分)
・ネギ 適量
・みそ 適量
・ごはん(茶碗2杯分)
・かつお節 少々
・日本酒 少々
【作り方】
1.あらかじめネギをみじん切りにしておき、みそと混ぜ合わせる
2.そこに、日本酒とかつお節を少々加え、混ぜ合わせる
3.おにぎりを作る
4.おにぎりを網に乗せ軽く焼く
5.和えておいたみそを塗り、少し焦げ目がつくまで焼く
6.ひっくり返し同様にみそを塗って焼く
美味しい焼きおにぎりを作るポイントは、焼き過ぎないこと。囲炉裏の周りに座って、様子を見ながら焼いていくと失敗を防げますよ。
日本情緒あふれる囲炉裏で屋上テラスでも温かな団らんを
今回は屋上やウッドデッキで使える囲炉裏や、囲炉裏を使って作るおすすめ簡単レシピを紹介しました。
炭を使う際には一酸化炭素中毒に気をつける必要がありますが、屋上テラスなら、換気ができているため、安全に楽しめます。とはいえ、囲炉裏を使用する際には、やけどに注意し、燃えやすいものは周りに置かないよう十分に気をつけてくださいね。
便利な時代だからこそ、あえて生活に囲炉裏を取り入れて、古き良き日本の趣を感じてみてはいかがでしょうか?きっと、心通うコミュニケーションが生まれ、生活だけでなく心も豊かにしてくれますよ。