全館空調の電気代が高くて後悔?相場や仕組み、個別エアコンとの比較も紹介
全館空調の電気代は、月々1万円前後が相場です。個別エアコンの相場と、あまり差はありません。しかし電気代が高くなるイメージが強く、導入を迷っている人も多いのではないでしょうか。
今回は全館空調の電気代の相場、高いと思われている理由、個別エアコンとの仕組みの違いなどを解説します。
全館空調の電気代はいくら?個別エアコンと比較
全館空調と個別エアコンの電気代の相場は以下の通りです。
導入方法 | 相場(4人家族の場合) |
---|---|
全館空調 | 8,000〜1万円 |
個別エアコン | 2,000〜8,000円 |
※季節や住んでいる地域、個別エアコンに関しては導入する台数など、環境によって金額は左右します。
全館空調が家全体の冷暖・換気ができることを踏まえると、一部の部屋だけに機能する個別エアコンと電気代の差はそれほどありません。
ただし、気密・断熱性が低い家は冷暖房効率が悪く、相場よりも電気代がかかるでしょう。メーカーによっても利用料が異なるので、あくまで目安として参考にしてみてください。
「全館空調は電気代が高い」と思われている理由
「全館空調は電気代が高い」というイメージが広まっていますが、その理由は全館空調のシステム内容や周囲の口コミにあります。電気代が高いと思われている理由と、実際に料金が高くなる原因なのかを見ていきましょう。
365日24時間稼働だから
全館空調は365日24時間稼働するため、結果的に費用がかさむのではないかと考える人は少なくありません。個別エアコンの冷暖房を、年中つけっぱなしにしているようなイメージです。
しかし全館空調は冷暖房を稼働せず、換気機能のみ運転させることも可能です。冷暖房が必要ない季節は換気だけにしておけば、電気代が極端に高くなるのを防げます。
また冷暖房は運転開始時に多くの電気を使うため、電源を入れたり消したりを繰り返すと電気代が高くなることも。安定時と比べて、運転開始時は夏なら6倍、冬なら10倍近くの電気代がかかると言われています。冷暖房が必要ない季節は、個別エアコンでもつけっぱなしにするのがおすすめです。
空調の対象面積が広いから
トイレや玄関、廊下など、人が長い時間を過ごさない空間に冷暖房は必要ないと考える人にとって、家全体の温度を保つ全館空調は電気代がもったいないと感じることもあります。
前述した通り、電気代の相場は個別エアコンと変わりません。気密・断熱性が低いといった原因がない限り、対象面積の広さによって全館空調の電気代が極端に高くなる可能性は低いでしょう。
むしろ、扇風機・ヒーター・空気清浄機などの家電を用意する必要がなく、その分の電気代は節約できます。
「電気代が高すぎる」という口コミを見たから
全館空調に関する「電気代が高すぎる」「やめたほうがいい」という口コミを見て影響を受けた人もいるでしょう。ただし家の広さや気密・断熱性の高さ、住む地域によって電気代が変わるため、すべての人に当てはまるとは限りません。
一方、全館空調を導入した人の中には「思ったより安い」「個別エアコンとあまり変わらなかった」などの声もあります。導入を迷っている人は、一度ハウスメーカーや工務店に相談してみてはいかがでしょうか。
全館空調と個別エアコンの冷暖による仕組みの違い
全館空調と個別エアコンの違いを、冷暖の仕組みから解説します。どちらを導入するかで悩んだときのヒントにしてみてください。
全館空調の冷暖の仕組み
全館空調のタイプは4種類あり、それぞれ仕組みが違います。
<タイプ別の仕組み>
・天井吹き出し型:天井内に設置した専用のエアコンの冷暖気を、ダクトを通して各部屋の吹き出し口に送る
・床下冷暖房型:断熱性を高めた床下に冷暖気を溜めて、床の通気口・天井の吹き出し口から送る
・壁掛けエアコン型:壁に設置した、1台のエアコンの冷暖気を各部屋の間仕切りに取り付けた給気口へ送る
・無風型:冷温水が流れるパネルの輻射熱で冷暖する
※利用できるタイプは、契約するハウスメーカー・工務店によって異なります。
システムが複雑な分、導入費は100万〜300万円、年に1〜2回ほどのメンテナンス費が3万〜5万円かかります。一方で、他の冷暖房器具・空気清浄機を用意する必要がなく、長い目で見ると節約につながる一面も。
どのタイプも室外機は1つのみで、室内機も目立たないので、外観・内観のデザインを邪魔しないというメリットもあります。
個別エアコンの冷暖の仕組み
個別エアコンは室外機が1対1でつながります。エアコンと同じ数の室外機が必要になるため、複数のエアコンを置く場合は外観・内観ともにデザインを邪魔してしまうかもしれません。
しかしメンテナンス費は1台で1万〜3万円と、全館空調よりも抑えられます。導入費は購入するエアコンによって左右しますが、10万円のものを4台購入しても、設置費含めて50万円前後です。
全館空調の電気代は、極端に高いわけではない
全館空調の電気代の相場は、個別エアコンにしたときと差はありません。扇風機やヒーター、空気清浄機などの家電を使わなくて良いので、その分の節約もできます。
一方、個別エアコンは導入費やメンテナンス費を抑えられるといったメリットがあります。それぞれの特徴を踏まえて、じっくり検討してみてはいかがでしょうか。