川崎市の治安は悪い?ファミリーで住みやすい地域を解説
川崎市は「治安が悪い」というイメージが一部で広まっていますが、市内全体が住みにくいわけではありません。むしろ犯罪件数が少なくアクセス・周辺環境が良い、ファミリー層向けの地域もあります。
本記事では川崎市の住みやすさについて、治安・アクセス・周辺施設・子育て環境・行政対策の項目に分けて解説します。
川崎市の基本情報||人口・住民の特徴
川崎市は面積に対して人口が多く、男性が多い傾向にあります。まずは、川崎市の基本情報として総人口や住民の特徴を見ていきましょう。
【総人口】面積の割に多い
川崎市の総人口は令和4年3月1日時点で、1,538,998人です。神奈川県の中で最も人口密度が高い都市とされています。
特に中原区に人口が集中していて、川崎市の人口の約17%を占めています。中原区の面積が令和4年5月時点で14.74平方kmと、市内で2番目に小さい点が人口密度が高まる理由のひとつです。
【住民】男性住民が多い傾向に
令和5年3月1日時点で、川崎市の総人口のうち男性が774,249人、女性は764,749人と男性の方が多い傾向です。
令和2年度の総務省による国勢調査では、川崎市は大都市の中で唯一男性が多いという結果になりました。その理由として、川崎市には工場地帯があり製造業を営む男性が多いことが一因と考えられています。
川崎市の住みやすさ|治安
川崎市は一部で「治安が悪い」といったイメージが広がっていますが、実際のところ治安は区によって違いがあり、犯罪件数の少ない地域もあるようです。
ここでは川崎市の気になる治安を確認していきましょう。
治安は区によって異なる
神奈川県警の調べによると、令和5年1月時点で川崎市の犯罪総数は538件となっていて、横浜市の1,275件に比べると半数以下です。
川崎市の中でも区によって犯罪件数が異なります。最も多いのが169件の川崎区、次いで94件の中原区、88件の高津区となっています。一方で、最も犯罪件数が少ないのは麻生区で24件、多摩区が44件です。
川崎区で犯罪が多い要因として、川崎駅周辺を含む繁華街や歓楽街、競馬場、競輪場などのギャンブル施設が揃っている点が挙げられます。
犯罪件数・歓楽街の少ない地域なら子連れ家族も安心
川崎市内の中で子連れ家族も安心して住める地域は、犯罪件数が少なく治安の良い麻生区です。麻生区は小田急線の百合丘から柿前駅間に位置します。
特に新百合ヶ丘駅周辺は、駅前に大型ショッピング施設があるものの、パチンコ店や歓楽街はほぼないという利点があります。また区内がほぼ閑静な住宅街であるため、子連れ家族も安心です。
次に治安が良いとされている地域は、川崎市内で2番目に犯罪件数が少ない多摩区です。多摩区は小田急線の登戸駅や生田駅などがあり、よみうりランドや藤子不二雄ミュージアムがあることでも知られています。
川崎市の住みやすさ|アクセス
電車通勤・通学を検討している人にとって重要なのがアクセスのしやすさです。ここからは川崎市内を通る路線や主要駅までのアクセス例を紹介します。
川崎市内を通る路線
・東海道新幹線
・JR東海道線
・JR横須賀線
・JR京浜東北線
・JR南武線
・JR鶴見線
・京急本線
・京急大師線
・東急東横線
・東急目黒線
・東急田園都市線
・東急大井町線
・小田急小田原線
・小田急多摩線
・京王相模原線
川崎市内にある駅は全部で55もあり、神奈川県内はもちろん、東京都内までのアクセス手段も多様です。
都内主要駅までのアクセス例
ここでは都内主要駅までのアクセス方法を紹介します。
【東京駅までのアクセス例】
東京駅までのアクセス例 | 所要時間 |
---|---|
川崎駅(JR東海道本線)→東京駅 | 約17分 |
武蔵小杉駅(JR横須賀線)→東京駅 | 約19分 |
新川崎駅(JR横須賀線)→東京駅 | 約21分 |
【品川駅までのアクセス例】
品川駅までのアクセス例 | 所要時間 |
---|---|
川崎駅(JR京浜東北線)→品川駅 | 約14分 |
新川崎駅(JR横須賀線)→品川駅 | 約14分 |
京急川崎駅(京急本線特急)→品川駅 | 約15分 |
【渋谷駅までのアクセス】
渋谷駅までのアクセス例 | 所要時間 |
---|---|
二子新地駅(東急田園都市線)→渋谷駅 | 約15分 |
新丸子駅(東急東横線)→渋谷駅 | 約22分 |
登戸駅(小田急線快速急行)→下北沢駅(京王井の頭線)→渋谷駅 | 約21分 |
上記の例からもわかる通り、川崎市からなら都内の主要駅までに15分前後、遅くても20分前後でアクセスできます。乗り換えはほぼなく、1本で主要駅に着くのも魅力です。
川崎市の住みやすさ|周辺施設
買い物のしやすさや外食のしやすさなど、周辺施設が充実しているかどうかも生活する上で重要なポイントです。
川崎市は大型ショッピングモールやスーパー、ドラッグストアから多種多様な飲食店まで豊富に揃っています。ここでは具体的にどんなお店があるのかをチェックしてみましょう。
【ショッピング施設】大型ショッピングモールが充実!
川崎駅周辺には、大型ショッピングモールのラゾーナ川崎プラザやイタリアの雰囲気が漂うラチッタ・デラ、川崎駅に直結しているアトレ川崎など、ショッピング施設が充実しています。
また、治安が良いとされる麻生区に位置する新百合ヶ丘駅には、エルミロードやイオンがあり、買い物ついでに映画も楽しめるスポットとして人気です。
【スーパー】各地域に満遍なく配置
スーパーは駅周辺はもちろんのこと、各地域に満遍なく配置されています。イトーヨーカドーや西友、イオンなどの総合スーパーを始め、マルエツ、ライフ、いなげや、東急ストアといった食品中心のスーパーも揃っています。
また、安価なものが見つかる業務スーパーやオーケーストアに加え、上質な商品を揃える成城石井や紀ノ国屋など、お店の種類は豊富です。
【飲食店】多彩なジャンルが揃っていて外食に困らない
ファミレスやファーストフード店など子連れで入りやすいお店から、カレー、中華料理、焼肉、寿司など多彩なジャンルの飲食店が揃っています。お得なランチメニューがあるところやテイクアウトできるお店もあり、外食に困ることはないでしょう。
ドトールコーヒーやサンマルク、スターバックスなどのカフェも多く、一息つきたいときにも便利です。
【ドラッグストア】JR川崎駅を中心に広がる
ドラッグストアはJR川崎駅を中心に広がっています。アトレ川崎やラゾーナ川崎内にあるトモズは薬剤師が常駐していて、処方箋を出してもらうことも可能です。
その他、マツモトキヨシやココカラファイン、ツルハドラッグなどがあります。21時や22時まで営業している店舗もあり、仕事帰りに立ち寄りやすいのが魅力です。
川崎市の住みやすさ|子育て環境
ファミリー世帯にとって重視したいのは子育て環境です。ここからは、川崎市の教育環境や公園・図書館の情報をチェックしていきましょう。
保育園・幼稚園・学校について
川崎市の認可保育所は市立・私立合わせて438件あります。認定こども園は18件、0〜2歳までの子どもを保育する小規模保育事業所は66件です。
令和3年4月時点で待機児童数はゼロとなっていて、前年度に続いて維持しています。
幼稚園は市立・私立合わせて66園です。また市立小学校は114校、中学校は52校と比較的多いのが特徴です。
地域別で見ると以下のような割合になっています。
地域 | 川崎区 | 幸区 | 中原区 | 高津区 | 宮前区 | 多摩区 | 麻生区 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
認可保育所の数 | 52 | 58 | 106 | 69 | 62 | 57 | 34 | 438 |
認定こども園の数 | 4 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 2 | 18 |
小規模保育事業所 | 11 | 9 | 11 | 14 | 10 | 6 | 5 | 66 |
幼稚園(市立・私立) | 14 | 9 | 13 | 8 | 7 | 9 | 6 | 66 |
市立小学校 | 20 | 13 | 19 | 15 | 17 | 14 | 16 | 114 |
市立中学校 | 11 | 5 | 8 | 5 | 8 | 7 | 8 | 52 |
公園・図書館について
川崎市内の公園は令和4年3月時点で1,275箇所、臨海公園を含めると全部で1,286箇所あります。
京急大師線の川崎大師駅から徒歩10分にある「大師公園」は園内に中国庭園があり、桜の名所で知られています。広々とした芝生やローラーすべり台などの大型複合遊具もあり、子どもにも人気の公園です。
また、JR横須賀線の新川崎駅から徒歩10分に位置する「川崎市立夢見ヶ崎動物公園」は無料でレッサーパンダやペンギンに会える公園で、休日は家族連れで賑わっています。
図書館は市内に全部で13館あり、地域全体に満遍なく配置しています。令和元年のデータによると、最も蔵書数が多いのは中原図書館で406,252冊です。
市内の図書館では体の不自由な方に本を届けるサービスや、自動車に本を載せて遠方の地域へ貸し出すサービスなども行っています。
川崎市の住みやすさ|行政対策
川崎市では子育て支援制度や安心して暮らすためのサポートが充実しています。最後は川崎市の行政対策を見ていきましょう。
子育てに関する相談窓口の設置・助成制度の確立
川崎市では子育てに関する相談窓口を設置しています。子どもの発達や療育に関する相談、不登校やひきこもりに関する悩みまで、相談内容に合った窓口を紹介してくれます。知り合いが少ない状況で子育てをしているママにも心強い環境です。
また幼児教育・保育の無償化や、小学校6年生まで医療費無償化といった助成制度も確立しています。川崎市内に在住する幼稚園・保育所・認定子ども園に通う3~5歳児クラスの子どもすべてが対象です。
ただし認可外保育に通う場合は、無償化対象であるか確認するようにしましょう。
「宅地防災工事助成金制度」で安全な住まいを作るサポートを
宅地防災工事助成金制度とは、地震や大雨などによる崖崩れの被害を防ぐために、宅地災害の防止や復旧にかかる工事費用を一部助成する制度です。
川崎市内で土地を個人で所有しているなど、定められた条件に当てはまる場合に助成制度を受けられます。災害による土砂崩れを防ぎ、市民の安全な住まいを守るために重要な支援です。
川崎市の治安は地域による!ファミリーで住みやすい区も
川崎市の治安は地域によって異なります。
繁華街や歓楽街の多い川崎区は犯罪件数が多いといわれていますが、一方で新百合ヶ丘駅のある麻生区や登戸駅のある多摩区などは歓楽街やギャンブル施設が限られていて、犯罪件数も少ないので治安が良い街といえます。
教育環境や公園・図書館なども充実していて、子育て支援も手厚い川崎市。ぜひ、ファミリーで安心して住める治安の良い地域へのお引っ越しを検討してみてはいかがでしょうか。