フェザースティックは木材で作る着火剤|必要なものと作り方を解説

お家キャンプ

キャンプなどで焚き火を楽しむなら、フェザースティックの作り方を覚えておくと便利です。市販の着火材がなくても、木材さえあれば作れます。

ここでは、フェザースティックの役割や作り方を紹介していきます。

フェザースティックとは手作りの着火剤

フェザースティックは、細く割った薪の表面を、薄く削り重ねて作る自然の着火剤のことです。削った木片部分がクルッとカーブして羽毛(フェザー)のように見えることから、その名前がついています。

フェザースティックには火口(ほくち)用と焚き付け材用の2種類があるので、それぞれの役割や特徴を解説します。

火口(ほくち)
火口とは、火種を着火させるための燃えやすい材質のもののことです。また、その火を次に解説する焚き付け材に移す役割があります。

火がつきやすいように、フェザースティックはできるだけ薄く削ります。フェザーのカーブが長くたくさんあるほど、空気に触れる部分が増え、燃えやすくなります。

ただし着火が早い分燃焼するのも早いので、5〜6本は用意しておきましょう。多めに作っておけば、失敗しても別のフェザースティックでやり直しできます。

焚き付け材
焚き付け材とは、薪に着火させる火を作る木材です。太い薪に直接火をつけてもすぐには燃えないため、火を少しずつ育てるために使用します。

焚き付け用のフェザースティックは、燃焼が持続するよう厚めに削りましょう。焚き火台などの上で燃やし、火が安定してきたら薪を少しずつ乗せます。余ったフェザースティックは燃料として使用できます。

フェザースティック作りに必要なもの

フェザースティック作りに必要なものは、木材(薪)・ナイフ・手袋の3つです。どういったものが適しているのか、特徴を解説します。

木材(薪)
薪に使われる木材には、広葉樹と針葉樹の2種類があります。広葉樹は複雑な構造で密度が高く、堅いのが特徴。着火しにくいですが、一度火がつくと燃焼が持続します。

一方針葉樹は、構造が単純で木目が柔らかいため切りやすい材質。密度が低く広葉樹のように火持ちはよくありませんが、着火しやすいためフェザースティックを作るには針葉樹が適しています。

ナイフ
ナイフは細かい作業に適した、小ぶりのものがおすすめです。グリップは握りやすい大きさや形を選びましょう。刃渡りは10cm前後で、厚みは2mm以上が良いとされています。また、削りにくいナイフだと余計な力が入ってしまい、うまくフェザーが作れません。

刃こぼれしにくく丈夫な、アウトドア専用のナイフをおすすめします。サイズや素材なども豊富に揃っているので、使い心地の良いナイフに出会いやすいでしょう。

手袋
フェザースティック作りは、ナイフや木のささくれなどで手をケガする恐れがあるため、手袋を用意しておくと安全です。中でもアウトドア用の手袋は、スエードなどの革製品が多く耐火性もあるので、焚き火などの火の扱いが伴う作業にはおすすめです。

耐火性を重視すると、手袋が分厚くなります。フェザースティック作りに向いているのは、ナイフを握りやすい厚さの手袋です。

フェザースティックの作り方と火のおこし方

フェザースティックの下準備から作り方、そして火のおこし方を解説します。

手順1.下準備としてバトニングする
バトニングとは、鉈(なた)やナイフなどを使って木材を割ることです。

1.薪を縦に置き、割りたい部分に刃を当てる
2.別の薪を使い、刃先の背を叩いてナイフを入れる
3.ナイフの刃を地面と平行に保ちながら下まで叩いていく
4.1~3を繰り返す。

フェザースティックは太めの割り箸サイズくらいに作るのがおすすめ。薪は真ん中ではなく端や角から、木の繊維に沿って刃を下ろしていくとスムーズに割れます。

手順2.フェザースティックの作り方
下準備ができたら、いよいよフェザースティックを作ります。

1.膝と地面を使って木材を立てるように薪を持つ
2.薪の真ん中当たりに、ナイフの刃を寝かせるように当てる
※このとき、なるべく手首を固定すると余計な力が入らず、スムーズに削れます。
2.手前から向こう側へ刃を、まっすぐにスライドさせて削り、先端で止める
3.薪を回して面をずらし、角を捉えて同じように削る
4.1~3を繰り返す

初めてフェザースティック作りに挑戦する人や、苦手な人はナイフを両手で持つと安定するのでおすすめです。ナイフのグリップと刃先を持って、両手で平行にスライドさせてみましょう。

もっと上達したい人は、手に入りやすい割り箸で練習をするのがおすすめ。薪に比べて、割り箸は細いので難易度は高めですが、材質が柔らかく削りやすいため練習に適しています。ナイフを使うのでケガには注意してください。

手順3.火のおこし方
フェザースティックができたら、焚き火の用意をしましょう。

1.焚き火台などに焚き付け用のフェザースティックや小枝などを置く
2.火口用のフェザースティックに着火する
3.スティックを回して全体に火を行き渡らせる
4.火が消えないうちに焚き火台に投入する

火口を焚き火台に投入するときは、焚き付け材に隙間を作り、下に潜り込ませるように置くと燃えやすくなります。

また火をおこすときは、風向きや焚き火台周辺の安全を確認し、ナイフも忘れずにしまいましょう。火が安定してから、少しずつ薪を増やします。

手作りフェザースティックで火をおこそう

フェザースティックはキャンプ場にあるもので作れるので、着火剤を忘れてしまったときに覚えておくと便利です。練習は必要ですが、コツを覚えれば楽しく作れるようになるでしょう。失敗した木材も、そのまま燃料として活用できるので無駄がありません。

便利な日常生活から離れて、自然の中で不便を楽しむのもキャンプの醍醐味。焚き火を楽しく過ごすためにも、フェザースティック作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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