癒し効果だけではない?屋上緑化のメリット

屋上緑化

最近は屋上を緑化し、ガーデンスペースとして開放している商業施設が増えていますね。

屋上ガーデンの美しく整ったグリーンに囲まれて休憩をしていると、「この空間を自宅にも取り入れることができたら素敵だな」と憧れたことはありませんか?

屋上緑化は高層ビルや商業施設のように広いスペースだけではなく、一般住宅にも取り入れることができますよ。

レイアウト次第で自宅におしゃれな空間を作ることができ、身近に緑を感じることで癒やし効果も期待できる屋上緑化ですが、さらに地域に貢献できたり省エネ効果で光熱費の負担を軽くしたりなど多くのメリットも存在します。

今回は、「お家の屋上緑化を悩んでいる」または「これから屋上のあるお家を建てる予定」という人向けに、屋上を緑化することによるメリットを紹介します。

屋上緑化のメリット

・ヒートアイランド現象の緩和ができる

ヒートアイランド現象、言葉は聞いたことがあってもどういった現象かご存じない方もいると思います。

都市部の気温が周辺の地域に比べて高くなる現象のことを言うのですが、これに建物の屋上の温度が大きく関わっているということですね。

2003年の東京の調査では夏場の屋上の温度が50度以上とかなり温度が上がっていたという結果がでていたのですが、屋上を緑化していた場合では屋上の温度は30度程度と、20度程の差が出ていたという驚くべき結果となっていました。

この結果は、植物を植えることで熱を遮断し、温度の上昇が抑えられたという部分もありますが、植物は熱を適度に吸収し温度調節をするために水分を放出するという特性があるため、緑化している空間やその上部の温度を下げることができていたのです。

こういった結果によって、ヒートアイランド現象の緩和に建物の緑化が効果があるとされ、ビルや商業施設の屋上などで緑化が進んでいきました。その屋上緑化をさらに有効活用するために、屋上ガーデンとして開放している場所も多いのです。

・省エネ効果がある

ヒートアイランド現象緩和と関連したメリットになるのですが、夏は屋上の温度上昇が抑えられることで室温の上昇も抑制でき、エアコンの温度設定を上げても冷房効果を感じやすいといった省エネ効果が期待できます。

エアコンを販売しているダイキンによると、冷房の設定温度を1度上げることで10%程度の節電効果に繋がるとのこと。1度で10%も変わるのであれば、屋上緑化のおかげで無理をせずにしっかりと節約ができるということですね。

冬は屋上緑化の断熱効果により温度が下がりすぎないという効果もあるので、暖房効果も感じやすく年間を通して快適に過ごすことができます。

ちなみに暖房を1度下げても、冷房と同じように10%ほど節電できるそうです。

・建物の保護になる

建物は紫外線や酸性雨により塗装や防水層等が劣化してしまいます。数年で劣化するわけではありませんが、住宅は何年かで住み替えをするものではありませんので、できる限り寿命は延ばしていき大事に住んでいきたいですよね。

屋上を緑化することによって紫外線や酸性雨を直接屋上で受けることを防ぐため、劣化を抑制することが可能です。

先程も紹介したように温度変化も抑えてくれるので、高温による劣化の緩和も期待できますね。

住宅の寿命が延びるという部分で、メンテナンスにかかる費用や建て替えまでの期間延長で資金面に大きなメリットがあります。

・癒し効果がある

こちらは皆さん想像が付くと思いますが今一度紹介しておきます。屋上緑化のメリットに惹かれる人もいると思いますが、癒やし効果への期待や、ただおしゃれなガーデンにしたいという憧れをもっている人も多いはずです。

植物の多くは緑色ですが、その緑色には精神を安定させてくれる効果があるほか、ストレス解消や疲労回復の効果もあるとされています。

室内に観葉植物や切り花を飾っているお家も多いと思いますが、お家に緑のスペースがあるとなんだか気持ちも明るく前向きな気持ちになりますよね。屋上緑化はお部屋の観葉植物よりも多くのグリーンで疲れてしまったときの癒し空間として活用できますよ。

屋上テラスは自分で好きに空間をデザインすることができるので、自分好みの家具を置いて思う存分、人の目を気にせず心を癒やしてあげることができますね。

・空気清浄効果がある

植物は二酸化炭素を吸収し、酸素を放出するのはご存じですよね。その植物の呼吸で緑化している空間の空気が清浄されるという効果が期待できます。よく森の空気はおいしい等と表現されるのはこれによるものなのは有名ですよね。

植物は二酸化炭素を削減し、酸素を増やすので地球温暖化の防止にも役立ちますから、住宅の屋上だけでは微力ではあるものの、これからの環境を考えて貢献することができます。

こちらもヒートアイランド現象の緩和や雨水流出の緩和同様に、たくさんの家庭で取り入れてこそより力を発揮することができるメリットとなります。

ここまでメリットを挙げてきましたが、注意点もありますのでそちらも紹介します。

・自分で大きく緑化するのは難しい

屋上に観葉植物を置き、並べて緑化していくのであれば問題はないのですが、大きい範囲で緑化をしていく場合は違ってきます。緑を大量に置くためには防水処理や耐荷重、排水の関係を考慮する必要があり、自分だけで作ることは難しいのです。

こういった住宅の改造を個人で考えて対策するのは非常に難しいですしリスクがあります。専門業者を訪ねてお金を払ってお願いするか、まだ建築前であれば大きく緑化したい旨をプロにしっかりと伝えて相談をしましょう。

住宅用の緑化システムを販売している業者さんがあるので、どのくらいの規模であれば緑化することができるか、まずは聞いてみるのも良いですね。

・建物の比重が重くなる

上記のものと似通った話になるのですが、重さが増してしまう関係で耐震効果が下がってしまうという注意点があります。

注意点に関してはちょっと怖い話になってしまいましたが、まずはひとつふたつ観葉植物を購入してみたいといったような軽いものであればそこまで大きく考える必要はありません。

規模の大きめな屋上緑化について考えている場合は、企画から設計、建設、販売、アフターフォローまで自社一貫体制で事業を展開しているハウスメーカーに相談し、各分野のプロ目線でアドバイスをもらうのが安心できますよ。もしも将来的に大きくしたいと考える時が来たら思い出してみてくださいね。

気持ちをリセットできる場所のある我が家へ

今回は屋上を緑化する際のメリットを中心に紹介しました。

皆さんが思っていたよりも多くのメリットがあったのではないでしょうか?

大きく緑化したい場合は注意点を意識するのももちろん大切ですが、まずは観葉植物をいくつか買って、空間演出の効果だけでも試してみてください。日常で忙しく疲れてしまった時、気持ちをリセットできる場所はとても重要です。それが自宅にあれば、毎日良いメンタルの状態でスタートができますよね。

屋上付きの戸建てを建てたい!という人は、ぜひ日常生活に緑を取り入れて自分にも環境にも優しいお家を考えてみてくださいね。

画像はPixabayより

※参考
ダイキン
http://n-faq.daikincc.com/

メリットの種類http://www.gplabo.jp/category/1176478.html

ヒートアイランド現象の詳細https://www.saysinter.com/column/vol44/

 

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