MENU

コラム

2026.10.21

屋上テラスとは?できることと防水・手すり・費用の基本

屋上テラスとは、平らな屋根(陸屋根)の上に防水と手すりを備え、家族が出て使えるようにした住宅の屋外空間です。庭のように外で過ごせる場所を、建物の上に確保できるのが特長です。

一方で、屋上は雨や日差しを直接受ける場所でもあり、防水や排水、手すりのつくり、法律での扱いを知っておくと、選ぶときの安心感が大きく変わります。この記事では、屋上テラスでできること、つくりの基本、法律で決まっていること、防水とメンテナンス、費用の考え方を順にご紹介します。

ソファとテーブルを置いた屋上テラスの実例
屋上テラスの実例
目次

  1. 屋上テラスとは|ルーフバルコニーやベランダとの違い
  2. 屋上テラスでできること
  3. 屋上テラスのつくり|8つの部位
  4. 法律で決まっていること
  5. 防水とメンテナンス
  6. 費用の考え方
  7. 屋上テラスのメリット
  8. 後悔しやすい点と、先に決めておくこと
  9. よくある質問

1. 屋上テラスとは|ルーフバルコニーやベランダとの違い

屋上テラスは、建物のいちばん上にある平らな屋根を、人が使える屋外空間にしたものです。似た言葉に「ルーフバルコニー」「バルコニー」「ベランダ」などがあり、主な違いは「どこにあるか」と「屋根があるか」です。

表は横にスクロールしてご覧いただけます。
呼び方 場所 屋根 床面積の扱い(一般的な考え方)
屋上テラス 建物のいちばん上の平らな屋根の上 なし 外気に開いていて、屋内のように使わなければ一般に入らない
ルーフバルコニー 下の階の屋根の上(途中の階) なし 同上
バルコニー 外壁から外に張り出した部分 なし(ある場合も) 条件により一定の幅まで入らない
ベランダ 外壁から外に張り出した部分 あり 条件により一定の幅まで入らない
テラス 1階の地面に接した部分 なし(ある場合も) 屋根や壁の付け方による
塔屋(ペントハウス) 屋上に出るための階段室など あり 一般に入る

床面積に入るかどうかの最終的な扱いは、建物ごとに建築確認で判断されます。屋根やサンルームを後から付けると、床面積に入る場合があります。

屋上テラスは建物のいちばん上にある分、まわりの視線が届きにくく、空が広く感じられるのが魅力です。屋上に出るための塔屋(階段室)を設けるか、室内から出入りできるようにするかで、使い勝手も変わります。ベランダとの違いは、ベランダ(バルコニー)と戸建の屋上テラスの違いでも詳しくご紹介しています。

2. 屋上テラスでできること

屋上テラスは、使い方しだいで「もうひとつの部屋」にも「庭」にもなります。ただ、使い方によって、あると便利な設備や気をつけたいことが変わります。先に用途を決めておくと、必要な設備が見えてきます。

表は横にスクロールしてご覧いただけます。
使い方 あると便利な設備 気をつけたいこと
バーベキュー・食事 水栓、コンセント、燃えにくい床、風よけ 煙やにおい、声が近隣に届かないか
家庭菜園・ガーデニング 水栓、排水口の点検口 土や鉢の重さ、排水口の詰まり
子どもの水遊び 水栓、日よけ 水の重さ、転落防止の手すり
洗濯物・布団干し 物干しの金物、洗濯機からの短い動線 階段の上り下りの負担
星空・夜の時間 照明、コンセント まぶしさや音への配慮

季節ごとの使い方も考えておく

屋上テラスは、季節によって過ごしやすさが変わります。春や秋は日中の食事や読書に、夏は朝や夕方の涼しい時間、冬は日差しのある昼間が心地よい時間帯です。夏の日差しは床や手すりを熱くするため、シェードやオーニングなどの日よけを付けられるよう、下地を用意しておくと使える時間が広がります。風が強い日には、軽い家具や鉢が飛ばされないよう片づける習慣も大切です。

使い方のアイデアは屋上テラスを楽しむアイデア集に、家庭菜園の前に確かめたいことは屋上ガーデニングを始める前に確認すべき3項目にまとめています。

3. 屋上テラスのつくり|8つの部位

屋上テラスは、いくつもの部位が組み合わさってできています。それぞれが何のためにあるのかを知っておくと、内見や打ち合わせで確かめるポイントが分かります。

塔屋と立ち上がり壁に囲まれた屋上テラス
塔屋(階段室)と立ち上がり壁に囲まれた屋上テラス
部位 役割
陸屋根 屋上テラスの土台になる平らな屋根。水が流れるよう、わずかな勾配が付いています
防水層 雨水が建物の中に入らないようにする層。屋上テラスの要です
排水口とあふれ対策 雨水を外へ流す口。詰まったときに水があふれ出る逃げ道も大切です
立ち上がり壁と手すり 屋上のまわりを囲む壁と手すり。転落を防ぎ、まわりの視線もさえぎります
床の仕上げ タイルや人工芝など。防水層を守り、歩きやすさや見た目を整えます
塔屋と階段 屋上へ出入りするための階段室。雨の日でも濡れずに出入りできます
水栓とコンセント 掃除や水やり、照明や調理家電に。後から付けるのは手間がかかります
日よけを留める下地 オーニングやシェードを付けるための下地。防水層を傷つけない付け方が大切です

なかでも排水口は、屋上に降った雨をすべて受け止める大切な部位です。排水口が1か所だけだと、そこが詰まったときに水の逃げ場がなくなります。複数の排水口や、あふれた水を外へ逃がす口があるかを見ておくと安心です。

屋上への出入りのしかたも、使う回数を左右します。塔屋(階段室)があれば、雨の日でも濡れずに出入りでき、屋上の道具をしまう場所にもなります。一方で、塔屋は床面積に入り、高さの制限にもかかわるため、土地の条件によっては室内の階段から直接出る形などを選ぶこともあります。

このうち、防水層・排水口・手すりは、住んでからの安心に直結する部分です。内見では、排水口の数と位置、手すりの高さ、床の仕上げの状態を見ておくと安心です。

4. 法律で決まっていること

屋上テラスに関係するおもな決まりは、建築基準法施行令に書かれています。家づくりで確かめたいことと合わせて表にまとめました。

表は横にスクロールしてご覧いただけます。
項目 決まりの内容 家づくりで確かめたいこと
手すりの高さ 屋上広場や2階以上のバルコニーなどの周囲には、高さ1.1m以上の手すり壁・さく・金網を設ける(施行令126条1項)。この規定がかかるのは、階数が3以上の建物や延べ面積1,000㎡を超える建物などです(施行令117条1項) 3階建ての住宅には規定がかかります。それ以外の住宅でも、1.1m以上を目安にすると安心です
塔屋の高さ 階段室などの屋上部分の水平投影面積が建築面積の8分の1以内なら、その部分は一定の高さまで建物の高さに入れない(施行令2条1項6号ロ)。ただし北側斜線や、北側の高さ制限がある高度地区などでは高さに入ります 土地の高さ制限の中で塔屋を置けるか、土地探しの段階で確かめる
塔屋の階数 昇降機塔や物見塔などの屋上部分で、水平投影面積が建築面積の8分の1以下なら階数に入れない(施行令2条1項8号) 階段室が階数に入るかどうかは、大きさや使い方によって設計者・確認機関が判断するため、設計者に確かめる
床面積 床面積は、壁などの区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積(施行令2条1項3号) 屋根や囲いを後から付ける予定がある場合は、床面積への影響を先に確かめる
屋上の重さ 構造計算では、屋上広場の積載荷重に住宅の居室と同じ値を使うことができます。重いものを置く場合は、実際の重さに応じて計算します(施行令85条1項) 大きなプランターやプール、ジャグジーなど重いものを置く予定は、設計の段階で伝える

出典:建築基準法施行令(e-Gov法令検索)。実際の扱いは、建物ごとに建築確認で判断されます。

5. 防水とメンテナンス

屋上テラスを長く使うために、いちばん大切なのが防水です。防水にはいくつかの工法があり、それぞれ特徴が異なります。

工法 特徴
FRP防水 ガラス繊維で補強した樹脂の層をつくる工法。軽くて硬く、人が歩くバルコニーや屋上でよく使われます。硬いぶん、下地の動きが大きい場所では、ひび割れへの配慮が必要です
ウレタン防水 液状の材料を塗り重ねて膜をつくる工法。形が複雑な場所にも施工しやすいのが特長です
シート防水 塩化ビニルやゴムのシートを貼る工法。広い面に向いています
アスファルト防水 アスファルトをしみこませたシート(ルーフィング)を、溶かしたアスファルトなどで何層も重ねる工法。大きな建物の屋上で多く使われます

どの工法でも、工法に合った表面の手入れ(トップコートの塗り替えなど)や、排水口の掃除、定期的な点検が欠かせません。とくに排水口に落ち葉や砂がたまると、水があふれて雨漏りの原因になることがあります。

日ごろの手入れで見ておきたいところ

専門の点検とは別に、ふだん屋上に出たときに次のような点を見ておくと、小さな傷みのうちに気づけます。気になる点があれば、早めに建てた会社へ相談しましょう。

  • 排水口のまわりに落ち葉や砂がたまっていないか
  • 床の防水面にひび割れやふくれ、はがれがないか
  • 立ち上がり壁と床の境目、手すりの根元にすき間がないか
  • 雨のあと、いつまでも水たまりが残る場所がないか
  • 真下の部屋の天井に、しみや変色が出ていないか

新築住宅の屋根には、法律で10年間の責任がある

新築住宅の屋根は、住宅の品質確保の促進等に関する法律で「雨水の浸入を防止する部分」とされ、注文住宅では施工会社(請負人)が、建売住宅では売主が、引き渡しから10年間、瑕疵(契約の内容に合わない欠陥)に対する責任を負います(同法94条・95条、同法施行令5条2項)。ただし、これは欠陥に対する責任で、年月がたって傷んでいく経年劣化までを対象にするものではありません。建売住宅では、10年を数え始める日が売主への引き渡しの日になる場合もあるため、保証書で確かめておくと安心です。

防水の種類の選び方は屋上防水の種類はどう選ぶ?、点検の考え方は屋上メンテナンスの費用・方法、雨漏りの原因と対策は屋上雨漏りの不安を解消で詳しくご紹介しています。

6. 費用の考え方

屋上テラスの費用は、建てるときの費用と、住んでからの費用に分けて考えると整理しやすくなります。

表は横にスクロールしてご覧いただけます。
区分 主な内容 金額が変わる理由
建てるとき 防水、手すり・立ち上がり壁、排水、塔屋と階段、水栓・コンセント・照明 屋上の広さ、防水の工法、塔屋の有無、設備の数
住んでから 点検、トップコートの塗り替え、防水のやり直し、排水口の掃除 工法、日当たりや使い方、点検の頻度

屋上テラスの費用は、紹介される金額の幅がとても大きいのが実情です。これは、屋上の広さや防水の工法、塔屋を設けるかどうかで、必要な工事が大きく変わるためです。比べるときは、金額だけでなく「どの範囲の工事が含まれているか」「住んでからの点検や塗り替えの計画があるか」をそろえて見ることが大切です。建売住宅での費用の見方は屋上テラスの費用はいくら?でご紹介しています。

比べるときにそろえたい5つの点

複数の住まいを比べるときは、次の5つをそろえて見ると、金額の違いの理由が分かりやすくなります。

  • 屋上の広さと、塔屋(階段室)の有無
  • 防水の工法と、防水の保証の年数・条件
  • 水栓・コンセント・照明・日よけの下地が含まれているか
  • 点検の時期と内容、塗り替えの計画
  • 真下の部屋の断熱のしかた

7. 屋上テラスのメリット

屋上テラスのいちばんのメリットは、限られた敷地でも、家族だけで外の時間を楽しめる場所を持てることです。都市部では広い庭を確保しにくいことも多く、建物の上に屋外空間をつくる屋上テラスは、敷地を有効に使う方法のひとつといえます。

メリット 理由
敷地が限られていても外の空間を持てる 建物の上を使うため、庭のための土地を別に確保しなくて済みます
まわりの視線が届きにくい 高い位置にあり、立ち上がり壁で囲めば、道路や隣家からの目を気にせず過ごせます
日当たりと眺めがよい まわりの建物にさえぎられにくく、空が広く感じられます
使い方を家族で育てられる 食事、遊び、菜園、くつろぎなど、暮らしの変化に合わせて使い方を変えられます

メリットとデメリットを並べて確かめたい方は、屋上テラスのメリット・デメリットもご覧ください。

8. 後悔しやすい点と、先に決めておくこと

屋上テラスで「思ったより使わなかった」という声は、建てる前や買う前に確かめておくことで防ぎやすくなります。よく挙がる5つの点と、先に確かめたいことをまとめました。

よく挙がる声 先に確かめたいこと
使わなくなった キッチンや洗濯機から屋上までの動線。何に使うかを先に決める
維持費がかかる 点検・塗り替え・防水のやり直しの計画と、保証の内容
雨漏りが心配 排水口の数と位置、あふれ対策、防水の保証
真下の部屋が暑い 屋根の断熱、日よけの付け方
まわりの目や音が気になる 立ち上がり壁の高さ、近隣との距離、使う時間帯

実際の失敗例と対策は屋上テラスで後悔する人・しない人に、長く使い続けるための判断基準は屋上を5年後に後悔しないための判断基準にまとめています。

9. よくある質問

屋上テラスとルーフバルコニーの違いは何ですか?
屋上テラスは建物のいちばん上の屋根の上、ルーフバルコニーは下の階の屋根の上につくる屋外空間です。どちらも屋根がなく、空に開けているのが共通点です。
屋上テラスは延床面積や容積率に入りますか?
屋根がなく外気に開いた屋上は、屋内のように使わない限り、一般に床面積に入りません。一方、屋上に出るための塔屋(階段室)は床面積に入ります。屋根やサンルームを付けると扱いが変わることがあるため、最終的には建築確認で確かめます。
手すりの高さは何m必要ですか?
建築基準法施行令では、屋上広場などの周囲に1.1m以上の手すり壁などを設けることが決められています。この規定がかかるのは3階建て以上などの建物ですが、それ以外の住宅でも1.1m以上を目安にすると安心です。
木造でも屋上テラスはつくれますか?
つくれます。平らな屋根に十分な防水と排水を設け、屋上に置くものの重さを設計の段階で見込んでおくことが大切です。
防水のメンテナンスは何年ごとに必要ですか?
工法や使い方、日当たりによって変わります。表面の塗り替えや点検の時期は、建てた会社の点検計画と保証の条件をあわせて確かめておくと安心です。

まとめ

屋上テラスは、平らな屋根の上を家族が使える屋外空間にしたものです。使い方を先に決めておくと、必要な設備や動線が見えてきます。

長く使い続けるために大切なのは、防水と排水、手すりのつくり、そして住んでからの点検の計画です。屋上テラスのある住まいを実際にご覧になりたい方は、エリアごとの物件情報や見学会・イベント情報もぜひご活用ください。

参考資料

  1. 建築基準法施行令(e-Gov法令検索)
  2. 住宅の品質確保の促進等に関する法律(e-Gov法令検索)
  3. 住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令(e-Gov法令検索)

アイム・ユニバースの家をエリアで探す

東京で家を探す 物件一覧を見る > 埼玉で家を探す 物件一覧を見る > 千葉で家を探す 物件一覧を見る > 全エリアで家を探す 物件一覧を見る >
アイム・ユニバースの家は、耐震等級3を標準採用2016年以降、制震システムを原則全棟に搭載。第12回ジャパン・レジリエンス・アワード2026 最優秀賞

新着記事

制震ダンパーとは?耐震・免震との違いと耐震等級との関係

屋上のある家とは?間取り・動線・費用と後悔しない選び方

屋上テラスとは?できることと防水・手すり・費用の基本

新着情報一覧へ戻る