外壁材の種類は何種類?それぞれのメリットや選ぶ時のポイントも紹介
外壁は家の外観を左右するだけでなく、雨風や紫外線から家を守る大切な部分です。しかしいざ選ぼうと思っても、種類が豊富で迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。
外壁材を選ぶときは、数年後、数十年後のことも想定することが大切です。本記事では外壁材の種類とイメージ写真、それぞれのメリット・デメリット、選び方のポイントを紹介します。
外壁材の種類は7つ!それぞれのメリットとは
外壁材には主に7種類あり、それぞれ特徴が異なります。納得のいく外壁材を選べるよう、種類ごとの特徴やメリット・デメリットを押さえておきましょう。
1.窯業系サイディング
窯業系(ようぎょうけい)サイディングは、セメントと木材繊維を混ぜ合わせ、板状に形成した外壁材です。素材を窯の中で高温処理することから“窯業系”と呼ばれています。
窯業系サイディングは型に材料を流し込んで作るため、色や柄の自由度が高く、比較的安価です。総合力の高さから、住宅に使われる外壁材の70~80%を占めています。
メリット | デメリット |
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・デザインが豊富 ・価格が安い ・耐火性、耐震性に優れる ・工期が短い | ・防水性がない ・定期的なメンテナンスが必要 ・蓄熱性があり熱を持ちやすい |
2.金属系サイディング
金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板やアルミニウム合金などの金属板を形成した外壁材です。メタリックな見た目が特徴ですが、最近では木目調やレンガ調といった、窯業系サイディングに似たデザインも増えてきています。
メリット | デメリット |
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・断熱性、耐震性に優れる ・凍害、腐食に強い ・外壁材の中では比較的安価 | ・傷がつきやすい ・サビの心配がある |
3.樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは、塩化ビニル樹脂を主原料とした外壁材です。重さは窯業系サイディングの約1/10、耐用年数は30年以上と、機能面が非常に優れています。しかし日本ではあまり普及していないため、扱う業者やデザインはまだ少ないのが実情のようです。
メリット | デメリット |
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・耐用年数が長い ・塗装が不要 ・塩害、凍害に強い ・他の外壁材より軽い | ・扱う業者が限られる ・デザインの幅が狭い ・他のサイディング外壁より価格が高め |
4.木質系サイディング
木質系サイディングは、塗装した木材を使用した外壁材です。表面を加工することで耐火性や耐久性を高めています。木のぬくもりと優しさ、そしてこだわりを感じられる外観が特徴です。
メリット | デメリット |
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・木のぬくもりを感じられる ・熱を吸収しにくい ・断熱性が高い | ・腐食に弱い ・定期的なメンテナンスが必要 ・他のサイディング外壁より価格が高め |
5.モルタル
セメントと砂、水を調合して作る外壁材です。他の外壁材とは違い、工事現場で職人が壁に直接塗り広げていきます。サイディング外壁が登場するまでは、モルタルが日本の外壁材の主流でした。そのため、比較的古い家に使われています。
メリット | デメリット |
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・どんな形状の家にも合わせられる ・つなぎ目がない ・燃えても有毒ガスが発生しない ・耐火性、耐久性に優れる | ・劣化によるひび割れが発生しやすい ・防水性がない ・汚れが目立ちやすい ・仕上がりが職人の腕に左右される |
6.タイル
土や石、砂を焼き上げて固めたタイルも、外壁材として活用されています。サイズは複数あり、大きさによって外観の印象が大きく変わるのが特徴です。
タイル調の窯業系サイディングとの見分け方は、タイルと目地の一体感にあります。一体化していたら窯業系サイディング、一体化していない場合は本物のタイルと判断できます。
メリット | デメリット |
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・見た目に高級感がある ・耐久性に優れる ・経年劣化しにくい ・傷がつきにくい | ・他の外壁材より価格が高め ・職人の腕によっては浮き・剝がれが発生する ・素材が重い ・地震によって剥がれ落ちることがある |
7.ALCパネル
ALCとは、セメントや生石灰、アルミニウム粉末などを主原料にした軽量気泡コンクリートのこと。内部に穴が空いているため非常に軽量で、その重さは一般的なコンクリートの約1/4です。機能性の高さから、東京都庁や東京ミッドタウンなどの外壁材としても採用されています。
メリット | デメリット |
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・素材が軽い ・耐火性、断熱性、遮音性、耐久性に優れる ・有害物質が含まれていない | ・他の外壁材より価格が高め ・防水性が低い ・定期的なメンテナンスが必要 |
外壁を選ぶ3つのポイント
外壁材選びに迷ったときは、「価格」「デザイン」「メンテナンスのしやすさ」の3つに着目してみましょう。何を優先すべきか分かれば、マイホームに合う外壁材が見つかるはず。各ポイントを紹介します。
1.価格
外壁材の価格は1平方メートル単位で表示されるのが一般的です。種類によって価格は大きく変わるので、予算に合うものを選びましょう。種類ごとの価格目安は次のとおりです。
種類 | 価格の目安 |
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窯業系サイディング | 3,500~5,000円 |
金属系サイディング | 4,000~6,000円 |
樹脂系サイディング | 8,000~10,000円 |
木質系サイディング | 6,000~10,000円 |
モルタル | 4,500~7,000円 |
タイル | 9,000~30,000円 |
ALCパネル | 7,500~15,000円 |
2.デザイン
外壁材の種類・デザインは、家のテイストに合わせて選ぶとおしゃれ度がアップします。あたたかみのある木目調が良いなら窯業系サイディングか木質系サイディング、スタイリッシュな雰囲気にしたいなら金属系サイディングなど、具体的にイメージしながら選んでいきましょう。
3.メンテナンスのしやすさ
外壁材は経年劣化するため、どの素材であっても定期的なメンテナンスは必要です。しかし、メンテナンス周期は種類によって異なるので、負担が少ないものを選ぶのも一案です。
種類 | メンテナンス周期の目安 |
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窯業系サイディング | 7~8年 |
金属系サイディング | 10~15年 |
樹脂系サイディング | 10~20年 |
木質系サイディング | 10年 |
モルタル | 5~10年 |
タイル | 10~20年 |
ALCパネル | 10~15年 |
外壁材の種類は、外観や将来をイメージして決めよう
サイディング外壁やモルタル、タイル、ALCなど外壁材は種類が豊富。価格や耐久性、機能面などは素材によって異なるので、比較した上で選ぶことが大切です。
どんな家にしたいのか、メンテナンスは何年に1回程度にしたいのか、家の外観と将来のことを想定すると、きっと理想の外壁材を選べるでしょう。何か気になることがある場合は、ハウスメーカーに相談してプロの意見を聞いてみるのもおすすめです。