【屋上テラス】OD缶とCB缶、どちらのガス缶が向いてる?特徴を解説
ガス缶には、OD缶とCB缶の2種類があります。どちらもバーナーやコンロなどのガス燃料として使われますが、それぞれには異なる特徴があります。
「屋上テラスで料理をするのに使いたいけれど、どちらが良い?」と迷ってしまうこともありますよね。
そこで今回はOD缶とCB缶の特徴やメリット・デメリット、製品の互換性の解説をし、最後にはよくある質問にも答えました。ぜひ、自分に合うガス缶選びの参考にしてください。
OD缶はアウトドア用のガス缶
ODは「Outdoor」の略。よってOD缶とは、特に気温が低くなる山といった、アウトドアで使うことを想定されたガス缶です。
OD缶にはどのような特徴があるのか、メリット・デメリットも合わせてみていきましょう。
特徴
OD缶の見た目の特徴は、高さはなく丸みがあることです。
OD缶は、底とボディの2パーツからできています。プロパンの配合率の高いOD缶は内圧が上がりやすいため、接合部が少なく丈夫な作りなのが特徴です。
屋上テラスだけではなくアウトドアでも使う機会が多い方に、OD缶は向いているでしょう。
メリット
OD缶のメリットは、沸点が低く気化しやすいプロパンとイソブタンの配合が多いため、気温が低いときでも強い火力を保てる点です。
気温と火力は、ガスの種類とそれぞれの沸点が関係しています。ガスの種類と沸点を見てみましょう。
・プロパン:-42.09度
・イソブタン:-11.7度
・ノルマルブタン:-0.5度
OD缶、CD缶ともに使用されているガスは同じですが、配合されている比率が異なります。沸点とは液体が気化するときの温度ですが、この温度が低ければ低いほど、気温の低い場所でも強い火力を保ちやすいのです。
また、メーカーによって表記は異なりますが、OD缶は内容量から110缶、250缶、500缶と3つのサイズがあります。110サイズのOD缶ならコンパクトなため、持ち運びもしやすいですよ。
デメリット
OD缶はCB缶に比べると、手に入れにくいところがデメリットです。OD缶を購入するためには、アウトドアショップかホームセンターに行かなくてはなりません。
また、CB缶が安価で販売しているのに対して、OD缶はその4~5倍ほどの価格です。
そのため、OD缶を手に入れる場合はネット通販などを活用して、まとめ買いなどお得な価格で購入すると良いでしょう。
製品同士の互換性
OD缶には日本の統一規格がなく、メーカーごとに燃料の接続部分が異なります。ガス漏れの危険性があるため、OD缶とガス機器は同じメーカーのものを使いましょう。
各メーカーは自社のガス缶を使い、安全性の検査をしています。そのため、ガス機器とは異なるメーカーのOD缶を使っていて事故が起きても、補償の対象ではないことを把握しておきましょう。
CB缶は屋内利用を想定したガス缶
CB缶とは、Cassette Gas Bombe(カセットガスボンベ)缶の略です。家やお店でカセットコンロを使うときに使われるため、知っている方も多いのではないでしょうか。
CB缶の特徴やメリット・デメリットを確認していきます。
特徴
CB缶は、家庭用カセットコンロなどでの屋内使用を想定しているガス缶です。屋上テラスで使い切らなかった分は家の中でも使えるため、屋内でもガス缶を使う機会がある方にはおすすめです。
また、アウトドアに出かけることはなく、それほど寒くはない時期に屋上テラスで手軽に使えれば十分と考える方には、CB缶の使用が向いています。
メリット
CB缶のメリットは、スーパーやコンビニなどの身近なところで手に入る点です。
また、メーカーによって価格は違うものの、安いものなら100円程度で買えます。これは、CB缶に主に使われるノルマルブタンが、OD缶に使われるイソブタンやプロパンよりも安価だからです。
シーンによって使いやすさは変わるため、一概に安さだけではコスパの優劣は決められません。とはいえ、OD缶と比べれば4分の1から5分の1ほどの価格なので、リーズナブルといえるでしょう。
デメリット
CB缶は3種類のガスの中でも沸点の高いノルマルブタンの配合が高いため、気温が低いと火力が弱くなってしまいます。また、ガス缶は連続使用していると気化熱によって温度が奪われ冷たくなり、ガスが気化できなくなります。
アウトドア専用のガス機器はCB缶を燃料とするものもありますが、多くの場合はOD缶を燃料とするため、よく確認してから購入しましょう。
製品同士の互換性
CB缶は2022年現在はJIS規格で統一されているため、どのメーカーのカセットコンロとでも接続できます。
1995年に発生した阪神淡路大震災の際、救援物資として送られたガス缶に互換性がなかったことが問題になったことをきっかけに、規格が定められました。
ガス機器の説明書には自社製品を使うように記載がありますが、実際には規格が守られているCB缶であれば、どこのメーカーのものでも使えます。
OD缶とCB缶に関わるQ&A
ここからは、OD缶とCB缶について、よくある質問を3つ紹介します。ガス缶の扱いは、誤ると危険を伴ったり事故になったりすることもあるため、注意が必要です。
詰め替えはできますか?
結論からいうと、詰め替えは違法行為となります。資格を持たない素人が行うガス燃料の詰め替えは、罰則の対象です。
Web上で調べると、詰め替え方法が紹介されていたり、詰め替え専用の製品が販売されていたりしますが、試すのは危険なので絶対にしないでください。なぜなら、爆発の恐れがあるからです。ガス缶は必ず既製品を購入して、安全に使用してください。
捨て方に違いはありますか?
OD缶もCB缶も捨て方は同じです。
以前は穴をあけて捨てることが推奨されていましたが、事故が起こったことから、現在は穴をあけずに捨てるようになっています。
捨てる際に大切なのは、中身を使い切ることです。ガス缶の回収方法や、どうしても中身を使い切れないときは各自治体、もしくは近くの消防署に問い合わせてみてください。
カバーやケースはありますか?
OD缶、CB缶ともに、販売されているカバーやケースがあります。缶をそのまま使用するよりもおしゃれに見えるため、オリジナルのカバーやケースを自作する人もいるほどです。
また、液体ガスが気化してガス缶が冷えてしまったときに低温やけどをする危険性があります。ケースやカバーで覆われていると、冷えたガス缶に直接触れることがないため安全に取り扱えるでしょう。
シーンに合ったガス缶を選ぼう
ガス缶の種類にはOD缶とCB缶の2種類があり、どちらにもメリットとデメリットがあります。
OD缶はアウトドアで使うことを想定されているため、低い気温のときでも強い火力のまま使用可能です。一方、CB缶は屋内で使うことを想定されているガス缶です。身近な店でリーズナブルに入手できますが、厳しい寒さの中では火力が弱まります。
シーンに合わせて使用するガス機器やガス缶を選び、正しい使い方をしましょう。