オール電化にして後悔?知っておきたいメリット・デメリットを解説
オール電化は火災などの危険性が低く、安全なイメージがありますが、その一方で「オール電化にして後悔した」という声も少なくありません。オール電化で後悔した理由には、電気代が高いことなどが挙げられます。
そこで今回は、オール電化で後悔した例やメリット・デメリットに加えて、途中でやめられるのかについても解説します!
オール電化で後悔した例5つ
オール電化とは、生活で必要なエネルギーをすべて電気でまかなうことです。
オール電化を導入した人のブログでは、「電気代やばい」「オール電化はやめとけ」「電気代が抑えられる話は何だったのか…」といった否定的な声も多く挙げられています。
まずは、オール電化で後悔した例を5つ見ていきましょう。
1.初期費用が高い
オール電化で後悔した理由で多いのが、初期費用が高いこと。オール電化を導入する際には、エコキュートとIHクッキングヒーターの設置が必要です。
エコキュートとは、外気の熱と電気を利用してお湯を沸かす機械のことです。正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」といい、初期費用は約45~85万円とガス給湯器の約2倍になります。
本体価格の他、設置場所の補強工事などが必要な場合もあるため、初期費用が高額になる傾向が高いです。
2.電気代が高い
電気代が高いことも後悔する理由のひとつです。オール電化向けの料金プランは、夜間の電気料金が割安に設定されている分、昼間は割高になるものが多いという特徴があります。
そのため、日中家にいる時間が長いと電気代が高くなりがちです。また、近年ではロシアによるウクライナ侵攻などの世界情勢の影響で、化石燃料のエネルギーが高騰し、電気代高騰につながっていることも理由にあります。
3.停電時に使えない
オール電化はエネルギーのすべてを電力でまかなっているため、停電になるとさまざまな設備が使えなくなってしまいます。
ガスの場合はお湯を沸かしたり、ガスコンロを使ったりできますが、オール電化はできません。
太陽光発電設備がある場合は、電気を使用できますが、そうでない場合は災害時の停電対策としてカセットコンロやボンベなどを準備しておく必要があります。
停電時に設備がほぼ使えなくなることで、オール電化を後悔する人は少なくありません。
4.IHクッキングヒーターが使いにくい
IHクッキングヒーターが使いにくい点も、オール電化にして後悔するポイントのひとつです。IHは直火調理ではないため、加熱調理の際に鍋を傾けたりフライパンを振ったりできません。
火の通り具合もガスとは異なるため、料理を作りにくいといった声もあります。また、これまで使用してきた調理器具がIH対応でない場合、新たにIH対応のものに買い換える必要があるでしょう。
毎日料理する人にとっては、IHが使いにくいことがストレスに感じてしまうかも知れません。
5.湯切れを起こすとお湯が出るまでに時間がかかる
オール電化の場合、深夜などの電気代が安い時間にお湯を沸かし、エコキュートなどのタンクに溜めておくシステムになっています。
しかし、溜めておいたお湯を使い切る「湯切れ」を起こしてしまうと、お湯が出るまでに時間がかかるため、その間お湯は使えません。シャワーひとり分のお湯を沸かすだけでも30~40分かかるといわれています。
エコキュートの中には、湯切れ防止としてこまめにお湯を沸かしてくれるものもあります。しかし、電気代が割高の昼の時間帯に作動するため、さらに電気代がかかってしまう可能性があります。
後悔する前に知っておきたいオール電化のメリット・デメリット
後悔する要因の多いオール電化ですが、導入することで得られるメリットもあります。
オール電化を導入して後悔する前に、オール電化のメリット・デメリットを確認しておきましょう。
オール電化のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
夜間の電気代が割安 | 初期費用に加えてメンテナンス費用もかかる |
ガスに比べて火災のリスクが低い | エコキュートの動作音が気になる場合がある |
断水の際も生活用水として使用可能 | 水道水やシャワーの水圧が弱くなる傾向がある |
オール電化で設置するエコキュートは、最低でも3年に1度の定期的なメンテナンスが必要になります。精密危機であるため、メンテナンスを怠るとタンク内に汚れが溜まり、故障の原因になるからです。
一般的に点検に1~2万円、水漏れなどの修理に約2~7万円かかります。費用はかかりますが、メンテナンスをきちんと行えば、耐用年数の15年よりも早く交換しなければならないリスクを防げるでしょう。
また、エコキュートの動作音は家庭用のエアコンの室外機と同じ程度の音が発生します。深夜に作動するため、音が気になって睡眠の妨げになると感じる人は注意が必要です。
オール電化は途中でやめられる?
オール電化は途中でやめることも可能です。戸建てで都市ガス供給エリアに住んでいる場合、都市ガスを使用するならガスの引き込み工事が必要になります。
都市ガスを提供している会社を選んで連絡し、設計についての打ち合わせと見積もりを受け取った後、工事が行われる流れです。
ガス管やガス栓の工事費は約100~150万円で、その他、ガス給湯器やガスコンロなどの設備費用がかかります。都市ガス供給エリア以外の場合は、プロパンガスへの切り替えが必要です。
プロパンガス会社に連絡して、ガスボンベの運搬と設置をしてもらいましょう。初期費用は15万円程度で、都市ガスの引き込み工事に比べて安いのがメリットです。
オール電化はメリット・デメリットを良く考慮した上で導入を検討しよう!
今後新築を建てる際に、オール電化とガス、どっちか悩んでいる人もいることでしょう。
オール電化は初期費用や電気代が高いなど、後悔する要因も多い一方で、ガスに比べて火災のリスクが低かったり、断水の際にタンクに溜まっていたお湯を生活用水として使えたりするメリットもあります。
オール電化で後悔しないためにも、事前にメリットデメリットを考慮した上で、検討してみてはいかがでしょうか。