ホームインスペクションは後悔する?実際にあった例をもとに解説
ホームインスペクションをして、「売主との関係が悪くなった」「修繕が必要な部分がなく診断料が無駄になった」などと後悔する人がいます。
しかし、逆にホームインスペクションをしなくて「入居後に不具合が見つかった」「修繕費で予算オーバーした」と落ち込む声もあります。
今回紹介するのは、ホームインスペクションをした場合・しなかった場合の後悔の例です。利用するか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
契約前にホームインスペクションをして後悔した例4つ
第三者の目線で住宅の状態を診断する、ホームインスペクション。売主も気づいていない不具合はないか、売主の言っていることは信用できるかを確認するため、利用する人が増えています。
アメリカでは新築から建売、中古住宅まで高い確率で行われるほどです。しかし、利用した人の声は良いものばかりではありません。ここでは、ホームインスペクションをして後悔した例を4つ紹介します。
1. 気に入った物件を諦めることになった
気に入った土地でホームインスペクションをしたら、多くの不具合が見つかり諦めざるを得なくなったというケースです。ホームインスペクションをすれば、修繕が必要な場所がたくさん見つかることがあります。
その上、売主から引き渡し前に修繕する・価格を割り引くなどの努力が見られないと、購入を諦める人は少なくありません。そのとき「契約前に気づけて良かった」と思う人もいますが、「気に入っていたから知りたくなかった」と後悔する人もいるのです。
2. 売主との関係が悪くなった
ホームインスペクションをして、売主との関係が悪化することがあります。「この物件は絶対に問題ない」「既に専門家の診断が入っている」などと主張する売主の中には、嘘をついている人もいます。
何の根拠もないのに伝えている、もしくは軽微な診断しか行っていないという人もいるのです。そういった場合、ホームインスペクションをすると売主の機嫌を損ねることもあります。
3. 修繕の必要がなく、診断費用が無駄になった
ホームインスペクションをしたものの、修繕が必要なところはないと言われ、「診断した意味がなかった」と後悔する声もあります。何も問題ないのは大変喜ばしいことですが、依頼した側は診断料を支払っていることもあり、「せっかくなら何か見つけてほしかった」と感じるためです。
4. 診断するべきところを見落としていた
契約後、診断していない部分に不具合が見つかって後悔するケースです。ホームインスペクションは、内装・設備といった軽微な診断、断熱材・屋根裏などの目に見えづらい部分を含む診断と、プランはさまざまです。
診断料をおさえたくて、軽微な診断のプランを選ぶ人もいますが、そうすると診断しないところに不具合があっても契約前に気づきづらいでしょう。不具合を見落とさないためには、ホームインスペクションの診断料を出し惜しまないことも大切です。
契約前にホームインスペクションをしなくて後悔した例3つ
後悔する声を聞いたり、費用面を気にしたりして、ホームインスペクションを嫌がる人がいます。しかし、「診断しておけば良かった」という後悔の声もあります。続いては、ホームインスペクションをしなかった人の後悔を3つ見ていきましょう。
1. 入居後に不具合が発覚した
入居まで済ませた後、不具合を見つける例は少なくありません。売主が大丈夫だと伝えたり、既に診断済みであることを主張したりすると、信じてホームインスペクションをしない人もいます。
正直に伝えている売主もいますが、都合の悪いことを隠している人もいるものです。悪質な売主のだと、入居後に不具合が発覚しても修繕に応じない場合もあります。
2. 予想外の修繕費がかかり予算オーバーになった
修繕費によって、家の購入にあてていた予算がオーバーする例です。不具合の種類や度合いによって修繕費は異なりますが、数十万円から100万円を超えるケースも存在します。ホームインスペクションをしないのであれば、不具合があることを踏まえて、予算に余裕を持っていた方が安全です。
3. 瑕疵担保責任がない物件だった
瑕疵担保責任がない物件で、契約後に不具合が見つかったとき後悔する人がいます。瑕疵担保責任とは、売主が不具合に対して責任を負うことです。
瑕疵担保責任がない物件では、不具合があったときに売主に修繕費を負担してもらうことはできません。ホームインスペクションをせずに購入を決めてしまうと、後で不具合が見つかり、予想外に莫大な費用がかかる可能性があります。
ホームインスペクションをするタイミングは契約前がベスト
ホームインスペクションは契約後・入居後もできますが、契約前にすることをおすすめします。契約後・入居後にホームインスペクションをして不具合が見つかっても、修繕費を負担してもらえない可能性があるためです。
契約前に見つかれば、売主から修繕費を負担する、物件の費用を割り引くなどの対応があるかも知れません。そういった対応がないのなら、契約を見送ることもできます。
とはいえ、人気物件で診断する時間がない場合や、売主が拒否をする場合は契約前にできないため、ホームインスペクションを希望する場合は売主に要確認です。
ホームインスペクションは後悔しないためのツールでもある
不具合が後から見つかることよりも、気に入った物件を諦める・売主との関係が悪化するなどを「後悔」とする人もいます。そういった人にとっては、ホームインスペクションは必要ないと考えられます。
しかし、安心して暮らせる条件を優先したい人には有効なツールでしょう。ぜひホームインスペクションで、見た目も安全性も納得できる物件を見極めてくださいね。