後悔しない賃貸併用住宅の間取りとは?おさえておきたいポイントや実例を紹介
賃貸併用住宅の間取りは、お互いのプライバシーを守りやすくしたり、騒音対策を十分にしたりするのがコツです。今回は、賃貸併用住宅の間取りを考えるときのポイントと、3つの実例を紹介します。
「入居希望者が現れにくい」「入居者の生活音がストレス」などと後悔しないよう、ぜひチェックしてみてください。
賃貸併用住宅の間取りのポイント4つ
賃貸併用住宅の間取りは、オーナーと入居者が住みやすくなるよう、プライバシーや十分な広さを確保し、騒音対策をすることが大切です。また収益向上のためには、外観デザインにもこだわると良いでしょう。
賃貸併用住宅の間取りを計画する際の4つのポイントを解説します。
1. 玄関やベランダはプライバシーに配慮する
玄関やベランダは、オーナーと入居者が遭遇しないような設計にしましょう。これらが共有になっている賃貸併用住宅は、ばったり会ったときにお互いが気まずくなる可能性があります。
<対策例>
・自宅の玄関は西向き、賃貸の部屋は東向きにする
・縦割りの間取りにして、ベランダが隣り合わないようにする
プライバシーを大切にしたいと考える人が多い中、できるだけ共有部分を減らすことが、入居希望者を増やすコツです。
2. 騒音対策をする
隣人との騒音トラブルを防ぐための対策も必要です。
例えば、自分は昼型の生活をしていて入居者が夜型の生活をしている場合、お互いが寝るタイミングで生活音が響いてトラブルに発展しやすくなります。同じような生活スタイルだとしても、相手の話し声や水廻りの音がストレスになるかもしれません。
床や壁の素材だけではなく、間取りにもこだわりましょう。
<対策例>
・自宅の寝室と賃貸の水廻りを近づけない
・収納同士が隣接するような設計にする
・外階段と自宅のリビングを離す
3. 需要の高い広さを確保する
需要の高い広さを確保している方が、入居希望者を獲得しやすいもの。1人暮らしに人気なのは、居住スペースが6〜7畳ほどの1Kです。だいたい20〜25平方メートルを目安に考えてみてください。
4. 集合住宅に近い外観にする
外観は、マンションやアパートに近いデザインが好まれやすいとされています。戸建てを思わす外観は、「オーナーの家」「他人の家」というイメージが強く、入居しづらいと感じる人がいます。
ようかん型と呼ばれる、各戸が等間隔に並んだ形状がおすすめです。またデザイナーズマンションのような、おしゃれなデザインにすると入居者を確保しやすくなるでしょう。
賃貸併用住宅の間取り実例3つ
賃貸併用住宅は、大きく分けて縦割り・横割り・二世帯住宅兼用の3つがあります。それぞれの間取りのメリット・デメリットを見ていきましょう。
実例1:縦割りの間取り
縦割りの間取りとは、縦に線を引くようにして居住空間を分けたものです。
<メリット>
・自宅と賃貸の部屋で、隣り合わない部分があるため、騒音対策しやすい
・自宅と賃貸の部屋で、玄関・ベランダを離しやすい
・自宅を2階建てにできるので、上層階からの眺め・採光を確保できる
<デメリット>
・自宅が、階段を設けることで居住空間が狭まる
・高齢になると、階段の上り下りが辛くなる
オーナー・入居者ともに心地良く暮らせる間取りを考えるなら、縦割りを検討してみてはいかがでしょうか。
実例2:横割りの間取り
横割りは、自宅と賃貸の部屋を上下で分けたパターンです。今回は1階に賃貸、2階に自宅の場合で見ていきましょう。
<メリット>
・自宅に階段がなく、居住スペースを広くできる
・屋上テラスを作れる
<デメリット>
・賃貸の部屋と自宅の隣接する部分が多いため、防音対策が難しい
広さを確保したり屋上テラスを作ったりと、できるだけ自宅を充実させたい場合は、横割りが適しています。
実例3:二世帯住宅兼用の間取り
二世帯で住みつつ、賃貸の部屋を設ける間取りもあります。
<メリット>
・住宅ローンが適用されながら、賃貸部分を大きく確保できる
・子世帯は家事・育児のサポートを、親世帯は介護を受けやすい
<デメリット>
・大規模建築になるため、費用が高くなりやすい
住宅ローンが適用されるのは、自宅部分が50%以上の場合です。1世帯用の自宅となると、賃貸部分として確保できる面積は小さくなります。しかし二世帯住宅であれば、自宅の面積が大きくなるので、確保できる賃貸部分も大きくなります。
賃貸併用住宅は、オーナーも入居者も住みやすい間取りに
賃貸併用住宅で後悔しないためには、オーナーと入居者のプライバシーを守りながら、お互いに騒音に悩まされず、快適に過ごせる広さを確保できる間取りにすることが大切です。
建築会社のスタッフと相談しながら、ぜひ成功しやすい間取りを検討してみてください。