“地震に強い家”の特徴や工法を解説!耐震・免震・制震の違いも知っておこう
地震に強い家には形や間取り、地盤、耐震等級など共通した特徴があります。その他、工法や構造によっても耐震性は左右されるため、家を探す際は必ず確認したいところです。本記事では、地震に強い家の特徴と構造別の工法、よく見聞きする「耐震」「免震」「制震」の違いを紹介します。
地震に強い家の特徴4つ
地震に強い家は、間取りや耐震等級、地盤の強さなど共通した特徴があります。ここでは、地震に強い家の特徴を4つ紹介します。
1.家がシンプルな形をしている
上から見た時に正方形や長方形といったシンプルな形をしている家は、地震に強い傾向があります。シンプルな形だと家の壁などにエネルギーが分散されるので、揺れに耐えられるのです。
一方で、上から見た時にコの字の形をしていたり、1階と2階で形が違ったりと複雑な形をしている家は、エネルギーの分散が難しくなるため地震の揺れには弱いとされます。
そして、正方形に近づくほど地震には強くなります。正方形に近い家は通し柱が角の4つに入ります。通し柱は、家の土台から屋根の下まで通っていて、家の強度を高めるために重要な存在です。この通し柱があることで、地震の揺れが分散されます。
2.地盤が強い土地に建っている
地盤は地面から地下100mまでを指します。地震に強いかどうかは、建物だけでなく地盤の強さも大いに関係します。地盤が弱い
ところに建っている家は、大地震の揺れに耐えられないかもしれません。
また、一見すると地盤が強そうに見えても、下の方の地盤が弱いこともあるので注意が必要です。家を建てる際は、地盤の強さを確認するために地盤調査を行います。
なお、国土交通省のハザードマップポータルサイトを使うと、街の災害リスクを確認できます。家を建てたい場所の地盤をネットで知ることができて便利です。
3.耐震等級の数字が大きい
家は、地震の揺れに耐えられる強さを3段階で評価されます。この評価基準を耐震等級といい、住宅性能評価書に記載されています。
耐震等級と地震の強さを示したものはこちらです。
・耐震等級1:震度6~7程度では家が崩れない強さ
・耐震等級2:耐震等級1の1.25倍揺れに強い
・耐震等級3:耐震等級1の1.5倍揺れに強い
一番地震に強いのは耐震等級3の家です。
4.地震に強い間取りをしている
地震の強さにおいて、部屋の数と部屋の形もポイントです。部屋の数が多いとその分だけ耐力壁(地震に強い壁)が増えるため、地震への耐久性が上がります。
部屋の形は、先述した通り正方形になるほど地震に強い傾向にあります。
【構造別】地震に強い家の工法
家は使用する資材によって構造や工法が異なります。ここでは、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の特徴や詳しい工法を解説します。
木造(W造)
主に木材を使う木造は古くから使われている構造で、日本の多くの家に用いられています。鉄骨造、鉄筋コンクリート造に比べると費用を抑えられ、加工やリフォームをしやすいのが特徴です。
主な工法は枠組壁工法(わくぐみかべこうほう)、木造軸組工法(もくぞうじくぐみこうほう)、金物工法(かなものこうほう)があります。
枠組壁工法は角材で構造を作り、間に木製のパネルを入れて壁や床を作っていく工法です。他にも「2×4(ツーバイフォー)工法」「2×6(ツーバイシックス)工法」とも呼ばれています。壁や床がパネルを使って作られているため耐震性が高いです。
木造軸組工法は柱と梁で家の構造を作る工法で、日本では古くから用いられています。柱と梁に筋交いを取り付けることで耐震性を高めています。
木造軸組工法は接合部分の木材を削り合わせて組み立てるため、木材が欠損する可能性があります。その欠点をカバーできるのが金物工法です。接合部分に金物を使用することで木材の欠損が起こりにくくしている工法です。そのため、耐震性が高くなります。
鉄骨造(S造)
鉄骨造は、鉄鋼材が中心に使われます。鉄鋼材は軽量鉄骨と重量鉄骨の2種類で、これらは厚さによって分けられます。鉄骨造は解放感があり、自由度が高く建物をデザインができるところが特徴です。主な工法として、鉄骨軸組工法(てっこつじくぐみこうほう)と鉄骨ラーメン工法の2種類があります。
鉄骨軸組工法はブレース工法とも言われており、軽量鉄骨が使われる工法です。木造軸組工法と同じ構造で、軽量鉄骨を使って柱や梁を作ります。そして筋交いを追加し、建物の強度を高めています。
鉄骨ラーメン工法は重量鉄骨で柱や梁を作り、それらの接合部分を溶接する工法です。柱と梁が一体化しているため耐震性が高く、三階建て以上の家に適しています。
鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄筋コンクリート造は、鉄筋とコンクリートを合わせて構造部を作ります。基本的にはマンションやビルなど中高層の建物に使われますが、最近は住宅にも使われています。鉄筋コンクリート造には、ラーメン工法と壁式工法(かべしきこうほう)の2種類の工法があります。
ラーメン工法は、柱と梁をきちんと接合して建物の骨組みを作ります。壁や床は軽量なものが使われますが、柱と梁が一体化しているので耐震性が保たれます。
一方の壁式工法では柱がなく、壁のみで構造を作ります。柱や梁がない分、室内が広く感じるでしょう。2種類の工法でより地震に強いのは壁式工法です。壁と床が一体となり、壁全体で建物を支えるため耐震性に優れています。
地震に強い家の「耐震」「免震」「制震」の違い
地震に強い家には、耐震構造・免震構造・制震構造のどれかが採用されています。それぞれ構造や装置によって揺れを抑える方法が違います。ここでは耐震、免震、制震の違いを紹介します。
耐震構造
耐震構造は、クロス字にした建材(筋交い)を柱につないで家自体を頑丈にし、揺れに耐えられるようにするものです。
耐震基準は建築基準法で定められており、新耐震基準が施行された1981年以降に建てられた家の多くは耐震構造が用いられています。新耐震基準では震度5強に耐えられて軽微な損傷で済むこと、震度6強~7でも家が倒壊しない強度が求められます。
耐震構造の家は大地震が起きても倒壊を防げる可能性は高いですが、地震の揺れを直に受けるため室内の家具が倒れたり壊れたりすることがあります。
なお、耐震構造は基本的に工事費に含まれるため、追加で費用がかかることはありません。
免震構造
免震構造は、地面と建物の間に揺れを吸収する効果がある免震装置を置く構造です。建物と地面が接していないので、地震の揺れをそのまま受けることがなく、地面に比べて建物は3~5分の1しか揺れません。そのため、家具が倒れたり壊れたりすることも少ないです。
免震装置を付けるとなると200~300万円かかり、その後も数年に1回のメンテナンスが必要なので、その度に3~5万円かかります。3つの構造の中で最も高額ではあるものの、最も地震に強い構造です。
制震構造
制震構造は、家の内部にダンパーと呼ばれる制振装置が入っています。ダンパーには振動を吸収し揺れを軽減する効果があるため、家の変形を抑えたり、耐震構造よりも損傷を抑えたりできます。また、耐震構造よりも揺れには強いです。
制震装置を付ける時の費用は約50万円です。耐震構造よりコストはかかりますが、免震構造よりは費用を抑えられます。
制震 × 耐震で地震に強い家「&RESORT HOUSE」の安全基準
「&RESORT HOUSE」では地盤調査を行った後、制震効果のある装置を家に組み込むことで地震に強い家を建設しています。ここでは「&RESORT HOUSE」の安全基準を紹介します。
制震ダンパー「AIM DAMPER(アイムダンパー)」
アイムダンパーはアイムユニバース独自の高性能ダンパーです。
<すべての震度をカバー>
鋼鉄K型筋交いにより、震度3~4までは耐震壁として機能し、それを超える揺れには制震ダンパーとして揺れを吸収します。耐震性能+制震性能で、すべての震度をカバーします。
<摩擦ダンパー>
ダンパー部分がスライドした際に生じる、摩擦抵抗によって揺れを抑えます。その効果は、阪神大震災レベルの地震波を10回加振し、ほぼ損傷なしという実験結果があるほどです。
<国土交通大臣認定>
さらなる安心を求めて開発したアイムダンパーは、国土交通大臣認定の製品です。温度・速度依存性の確認試験や、認定機関による厳しい試験や審査をクリアしています。
※「&RESORT HOUSE」では、ジーバまたはアイムダンパーのいずれかの制震システムを導入しています。
入念な地盤の安全対策
「&RESORT HOUSE」では地盤調査や地盤改良、ベタ基礎といった入念な安全対策を行っています。
<地盤調査>
建築前には、JIS認定のスウェーデン式サウンディング試験を用いて地盤調査をしています。
<地盤改良>
地盤調査の結果を基に必要に応じて地盤の強度を高める改良工事を行い、基礎の沈下や地震による倒壊リスクを軽減します。
<ベタ基礎>
家の基礎は、優れた強度によって災害に強いベタ基礎工法を採用しています。防水シートを敷き、十分に湿気対策を行った上でコンクリートを使用することで、家の耐久性を高めます。
地震に強い家に住んで安心・安全な生活を
耐震性は、家の形や構造、地盤などによって決まります。地盤や建築方法などの分かりづらい部分は、ハウスメーカーの担当者に確認すると安心です。地震に強い家に住んで、安心かつ安全な生活を送ってくださいね。