屋上付き住宅は雷対策も必要?

安全対策

屋上があるマイホームに憧れるものの「屋上がある住宅には、雷が落ちやすいのでは?」「雷対策をしなくても大丈夫?」と不安に思う方も多いでしょう。

近年はゲリラ豪雨も多く、各地で落雷被害も発生しています。

万が一のことを考えて、対策方法は知っておきたいものですよね。

また、雷被害にはどんなものがあるのかも知識として必要でしょう。今回は、起こり得る落雷被害や、落雷があったときのために備えておきたい雷対策についてお伝えします。

一般住宅に雷は落ちる?その被害はどんなもの?

雷は、高いビルや高く伸びた樹木などにだけ落ちると思われがちです。

では、一般の住宅に雷が落ちることはないのでしょうか?

一般住宅に落雷があるケースと、その被害について確認しましょう。

一般住宅に雷は落ちるのか?
建築基準法により、高さ20メートル以上の建物には避雷針を取り付けなければいけない決まりになっているそう。

高さの目安として、たとえば5階建てのマンションの高さは一般的に19.5メートルであり、20メートル以内におさまっています。

6階建て以上の住宅に住んでいる場合は別として、ほとんどの一般住宅は避雷針を取り付けていないでしょう。

周囲に高いビルがある場合には、雷はそのビルに取り付けられている避雷針に誘導されます。

では、一般住宅には落雷の危険性はないかというと、ないとは言い切れません。

たとえば周囲に高い建物がないケース、または住宅が高台に建てられているケースでは、落雷の危険性が高くなります。

避雷針とは
「避雷針」というと、文字通り「雷を避けてくれるもの」と思いがちですが、実は雷を誘導するものだそう。

先のとがった部分で雷を誘導し、アルミや銅でできた導線を伝い、地中に埋められた銅板によって放電される仕組みになっているのです。

また最近では、雷を落とさない「PDCE避雷針」が普及し始めています。

従来の避雷針では建物は守れても、設備機器やシステムなどの被害をゼロにすることはできませんでしたが、PDCE避雷針なら、そもそも落雷自体を避けられるので、より安心といえるでしょう。

落雷があったときの一般住宅の被害
直接住宅に落雷しなくても、近くで雷が発生しただけでも家の中での被害はあります。

高い場所にある電線に高い電圧がかかり、雷サージと呼ばれる過電流が発生。

この雷サージが電話線やアンテナを伝い家の中にまで侵入してきます。

結果的に、停電被害、家電製品の故障、感電被害などが起こる危険性があるのです。

屋上付き住宅には雷対策は必要?

屋上がある住宅には雷対策が必要なのか、気になりますよね。

すでに述べたように、周囲に高い建物がない、住宅が高台に建っている場合には落雷の可能性は0ではありません。しかし、一般住宅に避雷針は普及しているとはいえないのが現状です。

もちろん一般住宅向け避雷針の販売はありますので、検討してみるのも良いでしょう。

また、自宅にいるときに近場で雷が鳴りはじめた場合に取るべき行動を紹介します。

電源プラグを抜く
電化製品のプラグはコンセントから抜きましょう。異常電圧により、故障してしまう危険性があります。

また、大型家電にはアースを付けておくことがおすすめ。異常電圧による故障を防ぐことができます。

水回りから離れる
水道管を伝って、雷が侵入するケースがあります。感電するリスクを防ぐため、水周りからは離れるようにしましょう。

金属には触れないようにする
雷が金属部分を伝って、室内に侵入する危険性があります。

雷が鳴っているときには、窓の金属部分や水道管には触れないようにしましょう。

電話線やアンテナ線にはプロテクタ
電話線とモデムを接続していたり、ケーブルテレビのためのアンテナ線を接続していたりするケースもあるでしょう。

電話線やアンテナ線を雷が伝ってくる可能性もあります。

電話線やアンテナにも対応するプロテクタは市販されているので、念のため装着しておくと安全でしょう。

それでも落雷被害に遭ってしまったら

「近くに高いビルがあるから、自宅は大丈夫」「避雷針を付けたから安心」などと思っていても、雷被害に絶対に遭わなくて済むとは言い切れないでしょう。

万が一、落雷被害に遭ってしまったときのために、火災保険に加入して落雷特約の加入あるいは補償内容を確認しておきましょう。

火災保険に加入すると、地震保険もセットにできるので、自然災害被害の補償を万全にしておくために、同時に加入するのも一案ですね。

補償対象が「建物」の場合は、落雷被害で屋上にヒビが入る、ビルトイン食洗機の故障などが補償対象になる可能性があります。

補償対象が「家財」の場合は落雷被害によるビルトイン以外の家電製品などが補償対象となります。

ただし、落雷被害で保険金を請求する場合には火災被害の場合に用意する写真などの証拠に加え、気象庁などが発表した観測情報や電力会社発表の雷情報で実際に雷が落ちたこと、落雷被害の地域であることを証明しなくてはいけません。

落雷対策を整えて安心しよう

憧れの屋上がある住宅は、屋上がある分、高くなるので落雷の不安を感じることもありますよね。

一番は身の安全ですから、雷が近くで発生している時には屋上へ出ないことを心がけるのが一番です。

ただし、近くに高い建物がない場合や高台にある住宅の場合は、万が一を考えて、雷が鳴っているときは電源プラグを抜く、金属や水回りには近づかないなど意識するようにしましょう。

さらに念には念を、落雷被害に遭ってしまったときのため、火災保険への加入時に落雷特約を付けておけば被害は補償されるため安心です。

すでに火災保険へ加入されている場合、補償内容を見直ししてみましょう。補償対象が住居なのか家財なのか、両方かで補償対象や内容が変わります。

今回は雷対策でしたが、安心して過ごせる家にするためにも、様々な災害を考えて対処しておきたいですね。

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