自宅の屋上に雪が積もった場合の注意点と解決策とは
バーベキューをしたり、星空を見上げたり、家庭菜園を楽しんだり、屋上テラスにはさまざまな活用法がありますよね。最近ではリモートワークにも屋上テラスが活用されるなど、みなさん屋上をフル活用されているようです。
でも「冬場に雪が降ったらどうなるのだろう?」と心配に思う人もいるかもしれません。屋上に雪は積もるのか、積もったときの対策はどうすればいいのかなど、いざというときの知識がないと不安ですよね。
今回は、屋上テラスの雪対策についてお伝えします。備えあれば憂いなし、注意点と解決策の知識を得て、安心して自宅に屋上テラスがある豊かな生活を楽しみましょう。
屋上に雪は積もる?
勾配がある屋根とは違い、屋上はフラットになっているので、雪が降ればそのまま積もります。
ですが、無落雪屋根を利用した屋上テラスなら、積もった雪が気になる場合、雪下ろし口から雪を下ろすことができますよ。
無落雪仕様の屋根とは、内側に勾配を取り、屋根に積もった雪を日光や気温の上昇などにより溶かす建築工法です。
雪の季節に屋根に上って雪下ろしをする手間を無くすため、最近では無落雪仕様の屋根が増えてきました。無落雪屋根を利用する屋上テラスの建築に興味があれば、ハウスメーカーに相談してみると良いでしょう。
注文住宅ならばハウスメーカーと相談し無落雪屋根にすることも可能ですが、屋上テラス付きの建て売り物件を購入する場合、頻回の雪に悩まされる雪国以外の地域の屋上は、無落雪屋根となっていない場合が多いようです。
屋上に積もった雪の活用法は?
屋上に雪が積もったら、早く雪かきをしようと思いがちですが、その前に積もった雪の活用法を考えてみましょう。冬の自宅屋上だからこその楽しみ方がありますよ。
雪で遊ぶ
せっかく雪が積もったなら、子どもも喜ぶような雪遊びをしてはいかがでしょうか。雪が積もった道で遊んでいると自動車が通ることもあり危険ですが、自宅の屋上なら心配はいりません。
滑り止めが付いた靴を履いて、かまくらを作ったり雪だるまを作ったりしてみましょう。夢中になりすぎて転んだり滑ったりしないように注意しながら、雪合戦をするのも楽しいですよね。
保冷
積もった雪は冷蔵庫替わりの保冷にも使えます。ジュースやビールなど、自宅屋上に積もった雪で冷やすと、いつもとは違った味わいを楽しめますよ。
ビールやお酒を雪に埋めて冷やして飲むなんて贅沢ができるのは、誰も歩かない綺麗な雪が積もる屋上テラスならではです。
身体が温まる鍋や辛い料理などを食べながら冷えたビールや日本酒を飲めば、身も心もほぐされるでしょう。雪見酒が叶う屋上テラス…とても贅沢ですよね。
雪が積もったときの雪かきの方法は?
では、屋上に雪が積もったときの対策について、雪が降る前の準備もあわせて見ていきましょう。屋上の雪かき自体は、戸建て玄関前の雪かきの方法と大きな違いはありません。
雪が降る前の準備は?
雪が降る前には、雪に触れさせたくないものは屋上から避難させておきましょう。屋上に置いてある家具をブルーシートで覆っておくのもおすすめです。
人工芝に雪が積もっても大丈夫?
屋上に人工芝を使っている場合もありますよね。人工芝の上に雪が積もっても大丈夫なのでしょうか。
結論からいうと、人工芝の上に雪が積もったら、溶けるまで放置しておいても大丈夫です。気になるようなら、雪かき用のスコップで除雪して、残った雪を水で流しましょう。
雪を除いた後の芝が寝てしまっていることがありますが、デッキブラシや熊手を使いメンテナンスをすると元通りになります。芝目と逆の方向から逆なでるようにブラッシングすると良いのだそう。
屋上で雪かきをする注意点
屋上に積もった雪は、多少は自然に溶けるまで放置しておいても良いのですが、雪かきをして冬でも屋上テラスを有効活用したいこともありますよね。
屋上に積もった雪を雪かきするのは、地面の雪かきをする場合と使う用具は変わりません。雪かきスコップを使い、滑り止めが付いた靴を履いて行いましょう。
雪かきスコップはシンプルな金属製以外に、カラフルなものもあります。好きな色の雪かきスコップで作業をすれば、気分も上がるかもしれませんね。また、収納に便利な伸縮可能なものもありますよ。
注意点としては、雪かきした雪を屋上テラスから下に落とさないこと。すぐ下が公道ではないとしても、屋上から雪を落とすのは大変危険です。
雪かきのコツとしては、雪が氷になる前に早めに処理すること。雪が固まって氷になってしまうと、雪かきもしづらく、水にも溶けにくくなります。
屋上の床も凍結して、作業もやりにくくなるでしょう。雪が降り続いている場合でも、積もりすぎる前に対処すれば、楽に雪かきが行えます。
融雪剤を用意しておく
融雪剤は積もった雪が氷となるのを防ぎ、溶かしてくれる便利なアイテムです。
なぜ融雪剤で雪が溶けるかというと、融雪剤には塩化ナトリウムや塩化カルシウムなどが含まれており、それらが雪に含まれる水分に溶けると化学反応により融点が低下します。融点が気温を下回ると雪が解け、水になるのです。
これにより、雪を放置しても氷状にならないため、足下の危険も避けられます。
気温が低いと水で雪を溶かした場合、凍結する場合もあるので、雪が滅多に降らない地域でもお守り代わりに置いておくと安心ですね。
近年、異常気象などと言われる平年からかけ離れた天候が増えています。例年雪が降らないからといって今年も降らないという確証はありません。自宅を守るために、念のために雪対策グッズは準備しておきましょう。
慌てずに屋上の雪対策をしよう
豪雪地帯でないかぎり、雪が降って屋上に少々積もっても基本的には慌てる必要はありません。建設時にはある程度、雪の重量を耐えられる耐荷重性や雨漏りを防ぐ防水仕様になっているはずですし、積もった雪が気にならないのであれば自然に溶けるまで何もしないでいても大丈夫です。
ただし屋上テラスが日陰の場合は何日も溶けずに残る可能性があるので、早めに処理をしておいたほうが良いでしょう。
せっかく積もった雪を楽しみたいのであれば、雪遊びをしたり、残っている雪を冷蔵庫替わりに活用したりするのも楽しいでしょう。また、ちらちら降る雪の中でパラソルを広げ、温かい飲み物を飲みながら過ごすのもロマンチックですね。
自宅の屋上に雪が積もっても、対策や注意点を事前に知っておけば恐れることはありません。自宅屋上の雪対策を慌てず冷静に行い、安全に雪を楽しみましょう。