屋上スペースを有効活用!育てやすい野菜は?
家庭菜園というとみなさんは何を思い浮かべるでしょう?
子どものころ、夏休みにミニトマトやゴーヤを育てたことがある人もいるのではないでしょうか。意外と簡単に実を付けることができた想い出です。
大人になってからの家庭菜園は、自宅で誰とも会わずに没頭できるという気楽さや、野菜やハーブがしっかり育って活用できると達成感もあり嬉しいですよね。そして、後に調理して食事としても楽しめるのも嬉しいポイントです。
特に屋上は日がよく当たり作物にとっては育ちやすい環境で、人間にとってはお庭などのスペースを新しく用意する必要がなく比較的気軽に家庭菜園を始めるのに適した場所です。
今回は「屋上のスペースを使って家庭菜園を始めたいけど、どういった作物が手軽で失敗しないか分からない」といった菜園入門者向けに、初心者でも育てやすいおすすめの作物を紹介します。
プランターで栽培できる”リーフレタス”
畑を用意しなくてもお手軽にプランターで栽培できるリーフレタスです。
リーフレタスは連作ができないため、畑で栽培する場合は同じ場所に植えるには2年以上間隔を空ける必要があるのですが、プランターでの栽培であれば土を丸ごと換えれば継続して栽培できるというメリットがあります。
リーフレタスには、緑リーフレタスと赤リーフレタスの2種類がありますが、育て方に違いはありませんのでお好みで選んでください。種から育てるのも簡単ですが、苗から育てることもできますし、苗からの方が早く収穫できるので手軽に楽しめますよ。
リーフレタスの植え付け時期は4月から5月、もしくは9月後半から10月前半です。収穫のタイミングは植えてから2ヶ月ほどと比較的短く成果を得ることができて初心者には嬉しいのではないでしょうか?
発芽適温は15~20℃前後、生育適温は15~20℃ですので発芽、生育で置く場所を変えなくても良く、比較的涼しい気温が適しています。屋上であれば涼しい地域か、4月に日陰がある風通しの良い場所であれば育ちやすいでしょう。
リーフレタスを育てる上での注意点は乾燥に弱い部分ですので、たっぷりと水やりをして育ててあげましょう。そして、酸性土壌にならないよう苦土石灰で中和して育てる必要があります。
屋上ですので、地上の畑やプランターで育てるよりも被害は少ないですが、他の植物も育てていて、その植物に虫が付く場合はリーフレタスが害虫に食べられてしまうのを防ぐため、防虫ネットを使用しての保護をしても良いですね。
何年も収穫できる”アーティチョーク”
アーティチョークは毎年収穫できる野菜です。聞いたことはあるでしょうか?
アンティーチョークは欧米でよく食べられている野菜で、蕾の部分の部分を塩ゆでして食べるのが一般的な食べ方。その味は塩ゆでした空豆にも例えられますが、多くのファンがいるほど美味しいのだそう。
実は鮮度がよいアンティーチョークは生でも食べられるのだそう。お好み量でオリーブオイルと味付けに塩やこしょう、レモンやライムに浸けてカルパッチョとして食べることもできますよ。
そんな日本ではまだめずらしい野菜のアンティーチョークの育て方をご紹介します。
・季節を問わず日が当たる場所
・移植ができない野菜なので何年も同じ場所を使って栽培する必要がある
・トゲがあるため人がよく通る道に面している場所に植えるのは危ない
これらを考慮して栽培場所を選ぶとよいです。
特に移植に関しては土ごと掘り上げて植え替えても根付きが悪くなってしまうのでしっかりと考えて栽培場所を選ぶことをおすすめします。
プランターのサイズは43型程度の大きさが必要で、そこからアンティーチョークが伸びてきますので広めなスペースを確保します。
種まき時期は、3〜4月か9〜10月頃が適切です。春まきの方が育てやすいので、初心者の方は八重桜が咲き終わる頃に蒔くとよいですよ。
育てる環境ですが、アーティチョークは寒さに強いので氷点下2℃程度まで耐えることができます。
そんな寒さに強いアンティーチョークも霜などで凍結してしまうとさすがに枯れてしまうので注意は必要です。心配な場合は屋外での越冬はさすがに難しいので株元に敷きワラや遮光ネットなどを被せておくか、植えている周辺の土をかき集めて寄せておくことで凍結防止になりますよ。
そしてアーティチョークは乾燥が苦手ですが、過湿も嫌います。生育期には土が乾いていると成長しなくなって枯れてしまい、過湿は根が腐ってしまう原因になります。
根腐れを防ぐために、過剰に水やりをしないよう、土が乾いているかをチェックしてからお水をあげるのがよいです。土の保湿性が高いと意外と湿っているため、土の中の方まで確認して乾いていた場合にお水をあげましょう。
次に肥料のタイミングですが、3月〜4月に種まきをしたとして、生育期の5~6月に液体肥料を2周間に1回程度の頻度で与えましょう。肥料不足になると株が成長しづらくなり、小さいサイズになってしまいます。
そして、お待ちかねの収穫時期は6月〜7月の蕾が開き始めた一瞬です。ここを見逃さないようにしっかり見ておきましょう。少し蕾が開いたかな?くらいが食べ頃で、それ以上開くと旬を過ぎてしまい、また1年待たなくてはいけません。
蕾は外側を剥き、中にある花の部分を取り除いてからカラッと素揚げし、塩を振って食べるとホクホクとしていて濃厚な味を楽しむことができますよ。
初心者や子ども向けのもっと簡単な野菜は?
初心者の方で上記のものでもハードルが高いという方や、子どもが世話するといった場合には自由研究などで育てられる野菜がおすすめです。
記事の冒頭でも紹介したミニトマトやなす、キュウリなどの夏野菜は収穫までの期間も比較的短く、非常に簡単に栽培することができます。
子どもの授業にも使われるだけあって基本的には水やりを忘れずしているだけでも実がなります。プランターや小さな鉢でも栽培することができるというお手軽さもあり、「もっと綺麗に美味しく作ろう!」と思ったらこだわることもできます。
最近はキュウリやトマトの形を星形やハート型にするためのグッズも販売しているので、自宅で可愛らしい野菜を作ってみる楽しみ方もありますね。型抜きせずにお弁当映えする野菜が作れるのは嬉しいです。
家庭菜園初心者の人も、栽培に慣れてきたら、市場で買うには少し高いハーブなどを自宅で育ててみるのも贅沢ができている感じがしておすすめですよ。
屋上テラスの活用でガーデニングを始めたい方は、美味しく食べられる野菜や果物、そしてめずらしい野菜を育ててみるのもおすすめです。
自慢のお家で育てた野菜が並ぶ食卓、なんだか丁寧で贅沢な時間ですよね。