屋上テラスに取り入れたいグリーンカーテン

屋上緑化

屋上テラスは陽当たりがいい反面、季節によっては暑くなりやすいです。これでは、せっかくの屋上テラスも充実して過ごせませんよね。そこで、屋上テラスの暑さ対策として取り入れたいのが「グリーンカーテン」です。

グリーンカーテンを利用すれば、屋上テラス全体を太陽から守ってくれたり、暑くならないように周りの温度を調節してくれたりします。また、花を育てればインテリアのアクセントに、野菜を育てれば収穫して食べることもできるのでメリットが豊富です。

今回は、屋上テラスに取り入れたいグリーンカーテンの詳細からメリット、アイデアを解説していきます。

1.グリーンカーテンは自然を使った省エネ対策

グリーンカーテンとは「植物で建物をカーテンのように包み込む、自然の力を使った省エネ対策」です。

日本では、昔から「すだれ」や「のれん」などを利用し、暑さを和らげる工夫をしてきました。ただ、「室内でしか利用できない」「熱がこもりやすい」といった理由でデメリットも多いです。

そんな中、グリーンカーテンはこれらのデメリットを解決できる、自然生まれの省エネ対策として注目を集めています。

環境省では、以前から「グリーンカーテンプロジェクト」を展開しており、グリーンカーテンを広める活動を行っています。これにより、さまざまな場所でグリーンカーテンの導入がはじまりました。

(参照 https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/green/index.html

もちろん、屋上テラスでもグリーンカーテンは有効です。今回はそんなグリーンカーテンについて解説していきます。

・グリーンカーテンは基本的に数ヶ月程度で育つ

花や野菜の種類によって、育つスピードが異なります。たとえば、グリーンカーテンの基本であるゴーヤなら、2ヶ月程度で育ち、3〜4ヶ月程度で収穫できます。ちなみにゴーヤは害虫に強く育てやすいので、初心者に向いている野菜です。

ただし、花や野菜によっては、害虫対策が必要だったり、水やりが頻繁だったりと手間がかかります。初めてならゴーヤ、慣れてきたらほかの花や野菜を考えましょう。

これからグリーンカーテンを取り入れたい方のために「難易度別の表」を作りました。自分のレベルに合わせた、花または野菜を選んでください。

【種別難易度(花)】

初心者 ◉日本アサガオ ◉ヘチマ ◉ユウガオ ◉ルコウソウ ◉フウセンカズラ
中級者 ◉ツンベルギア(一年草) ◉トケイソウ
上級者 特になし

【種別難易度(野菜)】

初心者 ◉ゴーヤ ◉ハヤトウリ ◉アピオス
中級者 ◉キュウリ  ◉シカクマメ ◉ツルムラサキ
上級者 ◉ミニかぼちゃ ◉パッションフルーツ

ある程度慣れてくると、複数の花や野菜を組み合わせたミックスカーテンができるようになります。上級者になればなるほど、楽しみ方の幅が広がるので、一歩一歩進んでいきましょう。

2.グリーンカーテンを導入する3つのメリット

続いては、グリーンカーテンのメリットを解説します。なぜ、グリーンカーテンが優れているのか、その理由を知っていきましょう。

・熱エネルギーを約80%カット

グリーンカーテンは、日射や放射熱を抑える遮光効果が高いです。夏場の日射や放射熱は熱中症の原因になります。グリーンカーテンなら、カーテンなしに比べて日射が持つ熱エネルギーを約80%カットします。すだれの遮断率が50~60%、高性能遮断ガラスでも55%程度です。

またグリーンカーテンは周りの温度も下げます。これによって放射熱を抑えることができ、必要以上に温度が上昇することはありません。いわゆる打ち水的な効果も含まれています。

屋上テラスでは、全面に日が当たるので、グリーンカーテンはメリットが豊富です。ただし、取り付け方を工夫しなければ、日射や放射熱を防ぎきれません。

日射対策をするなら屋根になるようにアーチ状、放射熱対策をするならフェンスに取り付けるなど、張り方を工夫してください。(後ほど、屋上テラスに適したグリーンカーテンのアイデアを解説します)

・インテリアと調和する見た目

屋上テラスのインテリアはどこか殺風景になりがちです。だからといってカラフルなインテリアばかりにすると、一体感が生まれませんよね。そこでグリーンカーテンを導入すれば、手軽に屋上テラスが華やかになります。

グリーンカーテンなら、豊富な色合いの花を育てられるので、現在のインテリアとも自然に調和してくれます。もちろん、花を育てるだけなら、ガーデニングでもいいのですが、グリーンカーテンなら数あるメリット共に色味をプラスできるので一石二鳥です。

屋上テラスをもう少し華やかにしたいと考えている方は、グリーンカーテンを育ててワンランク上の空間を目指しましょう。

・見て食べて夏バテ対策に

グリーンカーテンでゴーヤやキュウリなどの野菜を育てれば、収穫して食べられます。収穫時期は、野菜によって異なりますが、大体3〜4ヶ月程度です。もちろん、野菜にも花は咲くので、見た目を楽しんだ後、味わって食べられます。

特に、ゴーヤやキュウリは、ビタミンCが豊富で夏バテに最適です。屋上で収穫してそのままバーベキューなんて楽しいかもしれません。その場合は、ミニカボチャもおすすめです。

お子さまがいる家庭なら、都心部では難しい農業体験代わりになります。夏休みの自由研究や思い出にもなるので、ぜひお子さまと一緒にグリーンカーテンを取り入れてみてください。

3.屋上テラスで取り入れたいグリーンカーテンのアイデア

屋上テラスにグリーンカーテンを作る場合、どのようにしたらいいのか。ここでは、屋上テラスに取り入れたいグリーンカーテンのアイデアを解説します。

・グリーンカーテンの屋根を作ってリゾート気分を満喫

夏場の屋上テラスは想像以上に日が当たります。せっかくおしゃれに配置したインテリアも、猛烈な日差しの下では活躍できません。そこで、グリーンカーテンの屋根を作って日陰を作りましょう。

すでに屋根がある場合は、そこにつるが絡まるようにグリーンカーテンを育てます。ない場合は、アーチ状のアイアンネットなどを用意して屋根を作ってください。たった、これだけでリゾート地のような空間が作れます。

また、グリーンカーテンを屋根代わりにするなら、できるだけ葉っぱの多い植物を育てましょう。西洋アサガオや日本アサガオ、ヘチマやヒョウタンは、葉っぱが大きく数も多いので屋根代わりに適しています。

・グリーンカーテンをフェンスに張っておしゃれな空間を演出

屋上テラスのフェンスにグリーンカーテンを作ると、自然に囲まれたような空間が演出できます。外から見てもおしゃれな感じになるため、少し屋上テラスの雰囲気を変えたい方におすすめです。また見た目だけでなく、周りの放射熱を下げてくれるので、暑さをしのぐことができます。

グリーンカーテンをフェンスに作るなら、見た目もかわいい花がおすすめです。ルコウソウやミナロバータ、ツンベルギアはフェンスに適した花といえます。ミックスカーテンにして好きな花同士を混ぜてもいいかもしれません。

一方、野菜を育てる場合は注意が必要です。虫が付きやすい野菜を育ててしまうと、屋上テラス全体が害虫被害を受ける可能性があります。野菜は花に比べて虫が付きやすいので、できるだけ花にする、または害虫対策を行うなどしてください。

まとめ

屋上テラスに取り入れたいグリーンカーテンを解説しました。グリーンカーテンは、屋上テラスをより華やかなものにしてくれます。また省エネ効果も高いので、うれしいメリットが豊富です。

本格的な夏の到来を前にして、ぜひグリーンカーテンを用意してみてください。上手にインテリアと組み合わせて、リゾート地のような環境を作りましょう。

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