長期保存・軽量化もできる干し野菜・果物を屋上テラスで作ってみよう!
干し野菜やドライフルーツを自宅でも簡単に作れることをご存知ですか?大掛かりな道具も必要なく、天日干しするだけで手軽に作ることができます。しかも、干した野菜や果物にはたくさんのメリットがあるというのです。
ちなみに、日当たりが良く、風通しの良い屋上テラスは、干し野菜や果物を作るのに最適な環境と言えるでしょう。そこで今回は、野菜や果物を干すことのメリットや干し野菜の作り方、また保存方法などもあわせて紹介します!
干し野菜・果物のメリットについて
野菜や果物を干すことでどんなメリットがあるのでしょう。まずは干すことで得られるメリットについて解説します!
生の野菜よりも栄養価が高まる
生の野菜や果物を天日干しすることで、栄養価が高まるといったメリットがあります。例えば生の大根と干した大根を比較してみると、鉄は3倍、食物繊維は4倍、カルシウムは5倍に増えているのです。
栄養価が高まる理由は2つあります。1つ目は水分が抜けて栄養が凝縮されるということ、2つ目は紫外線に当たることで、成分の性質が変化したり、縮合反応によって栄養素が増えたりすることです。
ちなみに、しいたけを例にあげると、紫外線を浴びることで、エルゴステリンという成分がビタミンDに変わり、生しいたけの約2倍もの量になります。
加えてビタミンDはカルシウムの吸収率を20倍高め、骨にカルシウムを定着させる働きがあるのです。干すだけでここまで栄養価が上がるとは驚きですよね。
うま味が増す
野菜や果物を干すことで、栄養価だけでなくうま味が増すというのもメリットのひとつです。
日に当てることで水分が抜け、栄養価が凝縮すると同時にうま味や甘みも凝縮し、生とはまた違った食感や味わいが楽しめます。
乾燥させると野菜独特の青臭さも和らぐため、廃棄してしまいがちな野菜の皮や葉の部分も無駄なくおいしく食べることができますよ。
かさが減って食べやすい&場所を取らない
生の野菜や果物に比べてかさが減るため、たくさんの量を食べることができます。
また、生の野菜や果物と違いかさばらないので、野菜室に入らずに困ってしまうといったこともありません。かさが減って保存場所を取らないのは良いところでしょう。
日持ちする
乾燥野菜や果物は、生の野菜や果物に比べて日持ちするといったメリットがあります。完全に水分を抜けば長期保存することが可能です。
また、常温保存もできるため、災害時の保存食としても有効です。生の野菜のように鮮度が落ちて腐らせてしまうといった心配がないので、食品ロスを防ぐことにもつながります。
調理がラク
乾燥野菜やドライフルーツを作っておけば、とてもラクに調理することが可能です。
皮をむいたり切ったりする手間が省けるため、そのままフライパンや鍋に入れることができます。
しかも、短時間で火が通り、味が染み込みやすく、煮崩れの心配もないなど、メリットがいっぱい!忙しい日の自炊や手間なく栄養を摂りたい人に最適ですよ。
干し野菜・果物を作るための準備に必要なものとは?
干し野菜やドライフルーツを作る時に必要となるのが、通気性のいい竹ざるや干しかごです。また、キャンプなどで食器を乾かす時に使われるドライネットも便利です。それぞれの特徴をお伝えします。
竹ざる
平置きができる竹ざるは、野菜や果物に太陽の光をたっぷり浴びさせることができます。並べた野菜や果物を引っくり返す作業も簡単にできますよ。
また、日本製の竹ざるは見た目も美しく風情が感じられるのが特徴。天然素材なので経年劣化も楽しめます。
干しかご
物干し竿などにつるして使えるのが干しかごです。網目が細かいので通気性も抜群。チャックで開閉できるため、虫除けになるのも便利な点です。
開閉口が大きいタイプほど、野菜や果物を取り出しやすく、作業しやすいと言えるでしょう。
ドライネット
キャンプなどのアウトドアシーンでよく使われているドライネットも干し野菜やドライフルーツを作るのに最適です。メッシュ素材で円形や四角など形にも種類があり、大きさも2段~4段と選べます。
また、ほとんどがコンパクトにたためるので収納や持ち運びに便利ですよ。
干し野菜・果物の作り方
「実際に作ってみたいけれど、初めてだし失敗しないか不安……」という人もいることでしょう。
ここでは干し野菜初心者におすすめの食材や作り方について解説します!
初心者におすすめの野菜と切り方
失敗しにくい食材は、水分が少ない野菜です。大根、にんじん、しいたけなどは作りやすい食材と言えるでしょう。また、かぼちゃやさつまいもなどもおすすめです。
切り方は以下の通りです。
◆大根→輪切り、格子切り、千切り(切り干し大根の場合)
◆にんじん→乱切り、格子切り、千切り
◆しいたけ→丸ごと、薄切り
◆かぼちゃ、さつまいも→薄切り
【果物の場合】
◆りんご→皮をむかずに薄さ5mmのくし切り
◆オレンジやレモン→皮がついたまま薄さ5mmの輪切り
◆キウイ→皮をむいて薄さ5mmの輪切り
水分は必ず拭き取るのが鉄則!
大根やにんじんなど、水分が少ない野菜でも切った後は必ずキッチンペーパーで拭き取るようにしましょう。なぜなら湿気で断面から水分が出る場合もあるからです。
トマトや果物など水分が多く含まれているものも、同様にキッチンペーパーで拭き取るようにしましょう。
重ならないように並べて乾燥させる
野菜を切って水分を拭き取ったら、竹ざるや干しかごなどに重ならないように並べて乾燥させます。ポイントは、日当たりが良く、風通しの良い場所に設置することです。
野菜は半日ほど干すと表面が白っぽくなりひと回り小さくなります。この状態が『半干し』です。ここから1日~2日干すとカラカラに乾燥した状態になり、小さく軽くなります。
さらに3日~5日ほど干し続けると、水分がしっかり抜けてザクザクとした食感が味わえる仕上がりになりますよ。
調理する場合、半干しの野菜は水で戻さずにこのまま汁物や炒め物に使うことができます。カラカラに干した状態の野菜は水で戻してから使うようにしましょう。
果物の場合は、2日間の天日干しで半生のドライフルーツになります。
保存方法について
干した野菜や果物は乾燥具合によって保存期間が異なります。半干しの場合は、ジッパー付きの保存袋かタッパーなどの容器に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。
食材にもよりますが、保存期間は3~4日程度が目安です。長期保存したい場合は冷凍庫に入れることをおすすめします。
加えて、カラカラに乾燥させた野菜や果物の場合は、乾燥剤を入れた密閉容器や保存袋に入れましょう。高温多湿や直射日光を避ければ、常温で保存することも可能です。
ドライフルーツを小分けにして、おしゃれな瓶に入れて保存するのも素敵ですね。
秋冬の屋上テラスは干し野菜やドライフルーツを作るのに最適な場所!
干した野菜や果物は、栄養価が高くなるうえにうま味が増し、保存期間も長くなるなどメリットがいっぱいです。
野菜を買い過ぎて食べきれない時にも、干し野菜を作ることで腐るのを防ぎ、無駄なく使い切ることができます。干すことで小さく軽くなるので、保存場所を取らないのも良いところでしょう。
干し野菜を作る時のポイントは、乾燥させること。湿度の高い梅雨の時期はむいてませんが、秋や冬の空気が乾燥している季節は干し野菜やドライフルーツ作りの絶好のチャンスです。
しかも屋上テラスなら風通しが良く日当たりも良いため、環境もバッチリでしょう。まだ挑戦したことがない人もぜひこの機会に干し野菜やドライフルーツ作りを体験してみませんか。