寒い季節だからできる美味しいスイーツを!屋上テラスで仕込む干し柿とアレンジスイーツ
干し柿は、寒い気候を活かして柿の果実を乾燥させてつくる、ドライフルーツのひとつです。どの果物よりも糖度が高く、保存食としても適しています。もともと、砂糖が手に入らなかった時代に、先人たちの知恵によって生まれたのですが、今でも根強い人気を誇っています。
そんな干し柿、実は自宅の屋上テラスでも簡単に仕込むことができるのです。また、干し柿はそのまま食べるだけでなく、スイーツにアレンジすることで、さらに美味しく食べることができますよ。
今回は、屋上テラスで仕込む、干し柿の作り方や、アレンジスイーツのレシピを紹介します。
干し柿を作れる環境と適した時期とは?
干し柿を作るのに最も適している時期は、11月~3月頃までと言われています。干し柿はカビの発生を防ぐことが重要ポイントとなります。
一般的に秋から冬にかけては、乾燥しやすく、比較的雨も少ないため、干し柿作りに最適な時期です。加えてこの時期になると、渋柿が出回り始めます。実は甘柿よりも渋柿の方が糖度が高いため、干し柿に向いています。
また、干し柿作りに欠かせないのが、日当たりが良く、風通しの良い環境です。軒下など、雨が防げる所があるとなおさら良いですね。これらの条件を満たしている屋上テラスは、美味しい干し柿を作るのに最適な環境と言えるでしょう。
干し柿(つるし柿)の作り方と美味しく作るポイント
昔は串に刺して乾燥させる「串柿」が主流でしたが、現在では、紐につるして干す「つるし柿」が一般的となっています。ここでは、簡単にできる干し柿の作り方や、美味しく作るポイントを紹介します。
干し柿(つるし柿)の作り方
【材料】
・渋柿
・キッチンばさみ
・ピーラー
・紐
【作り方】
➀柿のへたを残して「がく」をカットする
柿のへたについている、がく(葉っぱのような部分)をはさみでカットします。
この時、へたを一緒に切ってしまわないように気をつけましょう。理由は、へたに付いている枝がないと、つるせなくなってしまうからです。
➁柿の皮をむく
ピーラーで渋柿の皮をむきます。
③紐を結ぶ
柿のへたにくっついている枝に、紐を結びつけていきます。
紐の長さや、1本の紐に吊す柿の数は干す環境によって調整してください。柿と柿の間隔は10~12㎝が良いでしょう。
➃つるし方
紐に付けた柿を、物干し竿などに干していきます。日当たりが良く、風通しの良い場所を選ぶのがベストです。風通しが悪く天日干しになってしまうと干し柿の表面が黒くなりやすいからです。
万が一、「日当たりは良いけれど風が当たらない」という場合は、扇風機などで風を当てるなどの工夫をすることをおすすめします。
⑤柿をもむ
干してから1週間~10日ほど経ったところで、柿をもんでやわらかくします。こうすることで、渋みが早くなくなり、甘味が均一にいきわたる効果があります。乾燥もスムーズになるため、最低でも2~3日に1回はもむと良いでしょう。
⑥お好みの乾燥具合になったら完成!
柿の表面に白い粉がふいてきたら、甘味が出て美味しくできあがったサインです。白い粉はカビではなく、「柿霜(しそう)」と呼ばれるもの。
果糖とぶどう糖が結晶化したもので害はないので、安心してくださいね。
美味しい干し柿を作るポイント
ポイント➀:完熟した渋柿を選ぼう
美味しい干し柿を作るポイントは、完熟した渋柿を選ぶことです。がくの部分が黄色いものほど、熟しているサインと覚えておきましょう。
ポイント➁:干す前に柿を熱湯または焼酎に浸す
美味しい干し柿を作るのに不可欠なことは、なんといってもカビを防止することです。そのためにおすすめなのが、柿を紐で結んだ後、熱湯に5秒~10秒ほど付ける方法。こうすることで、雑菌の発生を防いだり、柿の色が黒ずむのを抑えたりする効果があります。
また、熱湯の代わりに焼酎にサッと浸す方法も効果的です。そして、浸した後は時間を置かずにすぐに干しましょう。
ポイント③:雨が降った場合は要注意
雨は少ない時期とはいえ、冬でも天気が不安定な時はありますよね。もしも、雨が続いたり、軒下と言えども干し柿が濡れたりした時には、部屋の中に入れましょう。そして、扇風機など風を当ててカビの発生を防ぐようにしてください。
干し柿のアレンジスイーツレシピを紹介!
干し柿はそのまま食べてももちろん美味しいですが、スイーツにアレンジして食べるのもおすすめです。たくさん取れた干し柿を飽きずに、いろんな食べ方で楽しめますよ。
絶品!干し柿のクリームチーズ
干し柿の甘さとなめらかなクリームチーズがマッチする絶品スイーツです。
おやつとして、またワインのおつまみとしても最適ですよ。
【材料】(2人分)
・干し柿 2個
・クリームチーズ 100g
・くるみやアーモンドなどのナッツ(無塩) 適量
【作り方】
➀ナッツ類を細かく砕き、クリームチーズを常温に戻しておきます。クリームチーズがやわらかくなったら、砕いたくるみやアーモンドを入れてよく混ぜます。
➁干し柿のへたを切り落とし、柿を手でもんで、中にクリームチーズが詰められるように、空洞を作ります。種があった場合は取り除きましょう。
③干し柿の中に、➀をスプーンなど使って詰め込んでいきます。
➃全て詰め込んだら、ラップで包んで2~3時間冷蔵庫で冷やします。チーズが固まったら輪切りにして盛り付けてできあがり!
食べきれない場合は、ラップのまま冷凍保存することもできます。
冷凍のまま食べたい分だけ輪切りにして常温解凍すると良いでしょう。1ヶ月程で食べきることをおすすめします。
ホットケーキミックスで簡単!干し柿のパウンドケーキ
干し柿の甘味で砂糖いらず!ホットケーキミックスを使うので失敗なし!簡単に美味しいパウンドケーキが作れます。
【材料】(パウンドケーキ型1本分)
・干し柿 2~3個
・ホットケーキミックス 100g
・たまご 2個
・牛乳 20g
・バター 30g
【作り方】
➀バターはレンジ500wで20秒ほど温め溶かしておきます。
➁干し柿はへたを切り、種がある場合は取り除き、みじん切りにします。
③ボールにたまご、牛乳、溶かしたバターを入れよく混ぜます。
➃そこにホットケーキミックスを入れ、よく混ざったらみじん切りにした干し柿を加え、さらによく混ぜ合わせます。
⑤型に流し込み、180℃に予熱したオーブンで20分ほど焼き、竹串を刺して何もつかなければできあがり!
ふわふわで美味しいパウンドケーキはお子さんのおやつにもおすすめです。焼き過ぎるとパサパサになってしまうため、ご家庭のオーブンによって焼き時間は調整してくださいね。
余ったお餅で!干し柿まるごと大福
家にある余ったお餅を使って簡単に作れちゃう、干し柿をまるごと包んだ大福です。和菓子が好きな方にもおすすめです。
【材料】(2個分)
・干し柿 2個
・切り餅 3~4個
・片栗粉 少々
・こしあん 40g
《A》水 60cc
《A》砂糖 小さじ2
【作り方】
➀あらかじめ《A》を溶かし、砂糖水を作っておきます。
➁干し柿はへたを切り、種があったら取り除きます。手でもんでやわらかくし、筒状の空洞に。中に2等分にしたこしあんを詰めていきます。
③切り餅は水で濡らして耐熱容器へ。ふんわりラップをかけて500wのレンジで約2分温めます。
➃水で濡らした鍋に③を入れ弱火にし、➀で作った砂糖水を少しずつ加えながら練っていきます。
⑤生地が均一になったら、片栗粉を敷いたバットに餅を移し、広げて粗熱を取っていきます。この時上にも片栗粉をまぶしましょう。
⑥粗熱が取れたら、②の干し柿を包み形を整えて、完成!
ポイントは、切り餅をやわらかくする際に、必ず水で濡らして耐熱容器に入れることです。水分が飛び過ぎてしまうと、餅が固くなってしまうため、様子を見ながら温めると失敗しません。また、温めた餅を鍋に移す時にも、鍋に餅が張り付かないように、あらかじめ鍋を水で濡らしておきましょう。
屋上テラスで仕込んだ干し柿で美味しい手作りスイーツを楽しもう
日当たりが良く、風通しの良い屋上テラスは、美味しい干し柿を作るのに最適な環境です。じっくり時間をかけて育てた干し柿は、また一段と美味しさを感じることでしょう。
屋上テラスで過ごすティータイムに、手作りスイーツを味わうのも素敵ですね。おもてなしにもぴったりですよ。ぜひ、この冬は干し柿作りとスイーツ作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?