失敗しない新築トイレづくり|後悔しないためのポイントや選び方を解説
新築住宅を購入する際、トイレづくりに悩む人は少なくありません。一度設けたトイレは簡単に改修するものではないため、トイレ本体の選び方や間取り・内装にこだわることが大切です。今回は新築トイレづくりのポイントと、トイレ本体の選び方を紹介します。
新築トイレづくりで後悔しない4つのポイント
トイレは一人で用を足すプライベート空間。トイレづくりは、本体だけではなく間取りや内装も重要です。後悔しないために知っておきたい4つのポイントを紹介します。
1.位置・間取り
新築住宅のトイレづくりは、まず位置と間取りから考えましょう。
<位置>
トイレでは音やニオイが発生するため、他の部屋にいる人に影響を与えにくいこと、そしてトイレで用を足している本人も周囲が気になりにくい位置にすることが大切です。
避けた方が良い位置としては、キッチンやリビング、寝室の近くが挙げられます。家族が料理や食事をしている最中にトイレの音が聞こえてしまったり、静かに眠っている家族の近くで用を足すことに緊張したりするためです。
トイレの位置としておすすめなのは、デッドスペースを有効活用できる階段下や、水回りを密集できる洗面所の近くです。
<間取り>
間取りは設置するトイレ本体の大きさや設備の他に、掃除のしやすさや空きスペースにも関係します。戸建て住宅の一般的な広さは1畳ほど。
この広さであればトイレ本体の周囲にゆとりが生まれます。座ったときに圧迫感が生まれにくい、簡易的な手洗い場を設置できる、トイレ掃除がしやすいなど、使いやすい環境が整うでしょう。
2.内装
トイレの位置と間取りが決まったら壁紙、床材、窓について考えていきましょう。
<壁紙>
部屋の印象を大きく左右する要素です。限られたスペースであるトイレを広く、そして清潔に見せるには、白系やパステルカラーといった明るい色味が適しています。
<床材>
トイレの床材は、汚れにくさと掃除のしやすさを意識して選びましょう。よく使われるフローリング、クッションフロア、タイルのメリット・デメリットは以下のとおりです。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
フローリング | ・他の部屋と統一感が生まれる ・色や柄の種類が豊富 | ・トイレ用フローリング以外は 水や汚れで劣化しやすい |
クッションフロア | ・耐水性が高い ・掃除がしやすい ・張り替え(リフォーム)しやすい | ・耐久性が低い ・傷が付きやすい |
タイル | ・水や汚れに強い ・ニオイが付きにくい ・耐久性が高い | ・濡れると滑りやすい ・隙間に汚れが溜まりやすい |
<窓>
トイレの窓は換気や採光、プライバシーなどに関わる要素です。何を優先したいか考えてみましょう。
窓の有無 | メリット | デメリット |
---|---|---|
あり | ・太陽光が差し込む ・窓を開けて換気できる ・開放感が生まれる | ・断熱性、防犯性が下がる ・外からトイレ内が見える可能性がある |
なし | ・断熱性、防犯性が高まる ・外から覗かれる心配がない ・窓の設置費用がかからない | ・採光、換気ができない ・換気扇の設置が求められる ・閉塞感が生まれやすい |
3.収納
トイレには、トイレットペーパーや掃除用品などをしまう収納も欠かせません。設置場所はトイレ本体の上、または手洗い場の下が一般的です。収納スペースを設ける広さがない場合は、壁をへこませて飾り棚をつくる“ニッチ収納”という方法があります。
4.手洗い場
トイレ内の手洗い場は、トイレ一体型と独立型の2種類に分かれます。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
一体型 | トイレタンクの上に 簡易的な手洗い器が付いている | ・トイレを広く使える | ・水が飛び散りやすい ・子どもや高齢者は使いにくい |
独立型 | トイレ本体とは別の場所に 手洗い場を設ける | ・誰でも手を洗いやすい ・水が飛び散りにくい | ・ある程度の広さが必要 |
新築トイレ本体の4つの選び方
新築住宅では、トイレ本体の選び方にもこだわりたいところ。選ぶ際に着目したい4つのポイントを紹介します。
1.種類
トイレ本体は主に次の4種類です。
種類 | 特徴 |
---|---|
組み合わせトイレ | 便座・便器・タンクを自由に組み合わせられる |
一体型トイレ | 便座・便器・タンクが一体化したもの |
タンクレストイレ | タンクがなく、便座と便器のみのタイプ |
システムトイレ | トイレ本体に手洗い場と収納も一体化したタイプ |
種類によってメリット・デメリットは異なるため、家庭に合うものを選びましょう。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
組み合わせトイレ | ・4つの中で最も安価 ・故障したパーツだけ交換できる ・タンク付きで水圧が弱くても使える | ・凸凹部分の掃除がしにくい ・タンクに水が溜まるまで流せない |
一体型トイレ | ・デザインに一体感がある ・凹凸が少なく掃除しやすい ・タンク上の手洗い器の有無を選べる | ・故障時は便座とタンクの 両方を交換する必要がある ・組み合わせトイレより高価 |
タンクレストイレ | ・デザインがスタイリッシュ ・高さがなく空間が広く見える ・水を連続して流せる | ・タンク上に手洗い器がない ・水圧が低い場所では使えない ・組み合わせトイレより高価 |
システムトイレ | ・トイレ内に統一感が出る ・既存の給排水を使うため 大がかりな工事は不要 | ・ある程度の広さが必要 ・故障時は全体的な工事が発生する |
2.機能
トイレは頻繁に使うものだからこそ、機能面にこだわることも重要です。掃除のしやすさや節約、使い心地などの観点から必要な機能を考えてみましょう。
区分 | あると便利な機能 |
---|---|
掃除のしやすさ | ・フチなし便器 ・自動洗浄 ・本体ワンタッチ着脱 |
節約 | ・節水 ・タイマー節電 |
使い心地 | ・おしり洗浄 ・夜間ライト ・暖房便座 ・脱臭 |
3.掃除
トイレは汚れやすいため、掃除のしやすさも重視したいポイントです。フチなし便器は裏に汚れが溜まらず、トイレシートで拭くだけでお手入れが完了します。自動洗浄機能があれば掃除の回数を減らせるでしょう。
4.価格
トイレ本体は種類によって価格帯が異なり、一般的に最も安価なのは組み合わせトイレです。価格と機能面の両面から検討していきましょう。
種類 | 価格帯 |
---|---|
組み合わせトイレ | 10万~20万円台 |
一体型トイレ | 10万~30万円台 |
タンクレストイレ | 20万~30万円台 |
システムトイレ | 10万~60万円台 |
ポイントを押さえて後悔のない新築トイレづくりを
新築トイレづくりで後悔しないポイントは、トイレ本体だけでなく、トイレの位置と間取り、内装、設備面にもこだわること。
快適な空間を用意し、家族みんなが使いやすいトイレ本体を設置すると、ホッと落ち着けるスペースをつくれるでしょう。注文住宅の場合は、トイレを含めた間取りから考えてみてはいかがでしょうか。