シューズクロークとは?メリット・デメリットや計画のコツも紹介【間取り】
シューズクロークとは、玄関付近に設けられた歩けるほどの広さを持った収納スペースです。靴以外にもコートやベビーカーなどが収納でき、土足のままそれらを出し入れすることができます。今回はシューズクロークの種類、メリットとデメリット、計画するときのコツ、間取り例を紹介します。
シューズクロークとは
シューズクロークは玄関の傍にある収納部屋のようなところです。図面上では、シューズクロークの略である「SC」、またはシューズ・イン・クローゼットの略「SIC」と記載されています。それでは、まず始めにシューズクロークの特徴などを紹介します。
シューズクロークの特徴・役割
シューズクロークは玄関の床と同じ仕様になっているものが多く、土足で出入りできるのが特徴です。靴はもちろん、上着などの衣類やベビーカーなど、外で使用するものを収納するのに重宝されています。
ただし、収納すべきとされるものは特に決まってはいないので、印鑑やスリッパなど、玄関にあると便利なものを収納するのも良いでしょう。
シューズクローゼット・シューズボックスとの違い
シューズクロークとシューズクローゼットの2つに大きな違いはなく、同じ意味で使われることが多いです。
ただシューズボックスとシューズクロークは異なるもので、違いは2つあります。1つは、靴以外のものを収納できるところです。シューズクロークなら、ベビーカーなどの大きいものやコートなどの衣服も収納できます。もう1つは、歩ける広さがあり部屋のようになっているところです。
シューズクロークの種類
シューズクロークは出入り方法の種類がいくつかあり、扉の有無にはそれぞれのメリットとデメリットがあります。ここでは、それぞれの特徴を紹介します。
出入り方法の種類と特徴
シューズクロークには主に3つの種類があります。
・ウォークスルー型:玄関からだけでなく、廊下や玄関ホールなどからの出入り口があるタイプ。
・ウォークイン型:出入りする場所が1つのタイプ。
・クローゼット型:クローゼットのような形で折れ戸などの扉がついているタイプ。
ウォークスルー型は、帰宅後玄関側の出入り口からシューズクロークに入り、上着や靴などをしまってから廊下へと移れます。ただし、通り抜ける形にするためには通路の広さを十分に確保しなければなりません。
ウォークイン型は通り抜けるためのスペースが必要ないので、収納量が確保しやすいのが特徴です。クローゼット型は扉がついているので、シューズクロークの中が見えず玄関をすっきりと見せられます。
扉の有無と特徴
扉があるクローゼット型のシューズクロークは、玄関から中のものが見えないので、玄関を綺麗に保ちやすいです。しかし、ものを取る度に扉を開け閉めする手間があります。
扉がないタイプは、ものを出し入れするのに扉を開ける必要がなく楽です。しかし、間取りによってシューズクロークの中のものが散乱して見えてしまったり、ニオイが部屋に流れやすかったりというデメリットがあります。
シューズクロークの3つのメリット
シューズクロークのメリットは、収納力の高さや玄関が整理整頓しやすいことなどが挙げられます。ここでは、シューズクロークのメリットを紹介します。
1. 収納力の高さ
1つ目のメリットは収納力の高さです。靴に限らず、コート、レインコート、帽子などの外出時に身に着けるものや、傘、アウトドアグッズ、ベビーカー、ガーデニング道具、外遊びの道具、スポーツの道具、印鑑、スリッパなどもまとめてシューズクロークに収納できます。
2. 外出前の支度・外出後の片付けが楽
1でも紹介した通り、シューズクロークは靴やコートなど外で使うものをまとめて収納できるので、収納内で支度や片付けができて楽です。また、アウトドアグッズなどの大きいものや重いものも、シューズクロークに収納すれば移動が少なくなります。
3. 玄関が整理整頓しやすい
収納力の高いシューズクロークがあることで、玄関の整理整頓がしやすくなります。玄関はものが溢れて生活感が出やすい場所ですが、シューズクロークがあるとすっきりとした玄関に見せられるでしょう。
シューズクロークの3つのデメリット
対してデメリットは、十分な広さが必要な点や汚れ・ニオイが溜まりやすいことなどがあります。ここでデメリットを確認していきましょう。
1. 広さの確保・間取りのレイアウトが難しい
シューズクロークは、歩きやすいくらいの広さがないと使いづらくなってしまうので注意が必要です。また、間取りのレイアウトによっては玄関を狭くさせてしまう可能性があります。
2. 埃・汚れが溜まりやすい
シューズクロークは土足で歩いたり外で使ったものを収納したりするので、埃や汚れが溜まりやすいです。清潔を保つためには、こまめに掃除をする必要があります。
3. ニオイ・湿気が溜まりやすい
シューズクロークはニオイや湿気が溜まりやすいです。扉がないタイプだと、ニオイが玄関まで広がる可能性もあります。シューズクロークに小窓や換気扇を設置したり、棚に消臭剤や乾燥剤を置いたりするなどの対策をすると良いでしょう。
シューズクロークを計画するときのコツ
シューズクロークを計画するときは広さや間取り、扉を工夫することで快適に使えるでしょう。ここでは、シューズクロークを計画するときのコツを紹介します。
広さ|家族の人数・暮らし方・確保できるスペースを考慮する
シューズクロークの広さの目安としてはだいたい1畳〜3畳の広さが一般的です。シューズクローク分のスペースは、その他の部屋の数などによって確保できるスペース、や家族の人数、どんなものを収納するかを考慮して決めることがおすすめです。
通路幅|ものが増えた後も通りやすいかどうかを考える
シューズクロークは、ゆとりのある設計にするとものが増えた後も通りやすくなるでしょう。人が通る幅は最低でも50cm、できれば70〜80cmあると通りやすいとされています。
間取り|生活導線をイメージする
シューズクロークを作っても不便が生じないように、外出時や帰宅後の生活導線をイメージして間取りを決めるのがコツです。
例えば、クローク内を通るとリビングなどの部屋まで遠回りになる設計だと、クロークを使わなくなる可能性もあります。帰ったら必ずリビングへ行くという人は、ウォークスルータイプにして出入り口をリビングに繋げるなどのように、帰宅後どんな生活をするかを反映させると良いでしょう。
扉|間取りから見た目の良さ・ニオイ漏れなどを考慮する
扉がないとものの出し入れが楽な反面、玄関から中が見えやすくなります。そこでおすすめなのが、のれんやロースクリーンといった目隠しになるようなものを設置することです。ものが見えにくくなり、ニオイ漏れも軽減できるでしょう。
扉を設置すると、完全に玄関からものが見えなくなります。開けたときに動線を邪魔しないのは引き戸です。ただし、戸袋の幅を取るのでクローク内のレイアウトが多少は制限されます。
シューズクロークの間取り例
ここでは、実際のシューズクロークの間取りを出入り方法の種類に分けて紹介します。ぜひマイホームの計画の参考にしてください。
ウォークスルー型のシューズクローク
ウォークスルー型のシューズクロークで、ウォークインクローゼットに繋がっている間取りです。帰宅後シューズクロークに靴をしまった後、クローゼットで上着の収納ができます。クローゼット近くには洗面室があるため、リビングを通る前に手を洗うことも可能です。
ウォークイン型のシューズクローク
扉があるウォークイン型のシューズクロークの間取りです。スペースが広いので多くのものが収納できます。棚も多くあるので靴以外のものを収納したり、普段使いしない靴をしまったりするのに使うと良いでしょう。
クローゼット型のシューズクローク
クローゼット型のシューズクロークがある間取りです。扉があるため、玄関を整頓された状態に保ちやすいでしょう。扉は折れ戸なので、開けるときに必要なスペースが少ないのも利点です。また、シューズクローク内のニオイ漏れを防げるため、玄関ポーチや吹き抜けなどに嫌なニオイが充満することもないでしょう。
シューズクロークで快適な玄関に!
シューズクロークは収納力が高く、生活に合わせて作るととても便利に使えます。家族構成や収納したいものに合わせて作ったシューズクロークで、整頓された快適な玄関にしてみてはいかがでしょうか。