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一戸建ての維持費はいくら?年間費用、修繕費の目安と内訳を徹底解説

維持費

一戸建ての年間維持費は40万円前後で、マンションよりも維持費は安い傾向です。本記事では、一戸建ての年間維持費・主な内訳・マンションとの比較を解説します。

また、一戸建てで維持費を抑えるポイントも紹介していますので、そちらもぜひチェックしてみてください。

一戸建ての年間維持費は、およそ40万円

一戸建ての年間の維持費は、およそ40万円といわれています。必ずかかる維持費用は「税金」「修繕費」「保険料」の3つです。

費用項目年間維持費
税金10万
修繕費27万
保険料2~3万円

年平均にすると、だいたい上記のような内訳になります。ただし、一戸建ての維持費は、住んでいる地域や家の広さによって金額が変わってきます。

一戸建ての維持費の主な内訳

一戸建ての維持費は、「税金・修繕費・保険料」の3つです。そして税金は、必ずかかる「固定資産税」と、自治体によって異なる「都市計画税」があります。

ここからは、一戸建ての維持費の主な内訳を詳しく見ていきましょう。

1. 固定資産税
固定資産税とは、持ち家や土地を所有している場合に課せられる税金で、一戸建てを持つと毎年必ずかかる費用です。1年分をまとめて支払うか、あるいは4回に分割して払います。

固定資産税の計算式は「固定資産税評価額×1.4%(税率)=固定資産税額」です。固定資産税評価額とは、自治体が定めた土地や建物を評価した金額を言います。これにより、土地や建物の大きさ、所有地、家の材質などによって金額が左右されるのです。

固定資産税は、毎年4月に各市町村から郵送されてくる課税明細書で確認できます。

2. 都市計画税
都市計画税とは、都市計画事業や整備事業のための費用です。「市街化区域内」に該当する土地や建物のみ、支払い対象となります。固定資産税と同じく、1年分をまとめての支払いか、4回に分割しての支払いが可能です。

都市計画税の場合も固定資産税評価額を用いて、「固定資産税評価額×0.3%(税率)=都市計画税」で計算されます。

3. 修繕費
一戸建ての維持費で、最も多くの支払いが生じるのが修繕費です。

新築の場合、一般的に築10年過ぎたあたりから少しずつ修繕が必要になってきます。そして築20年を超えると、外壁や屋根、水回りなど大規模な修繕が発生してくるでしょう。

【修繕時期の目安と修繕費用の相場】

修繕箇所修繕時期の目安修繕費用
外壁20年100~130万円
屋根20年100~120万円
フローリング張替え20年15~20万円
壁紙随時40万
給水管20年50万円
水回り(キッチン・浴室・トイレ・背面台)10~15年100~150万円
シロアリ対策15年20万円

4. 保険料
一戸建てを所有する場合、火災や地震、自然災害などの被害に備えて保険に入るのが一般的です。また、住宅ローンを利用する際には、火災保険への加入が必須となります。

保険料は加入する保険の種類によって異なりますが、火災保険と地震保険の両方に加入した場合、相場は5年払いで年間3〜5万円が目安です。

マンションの維持費の内訳

続いては、マンションの維持費の内訳です。マンションを所有した場合、固定資産税や保険料の他、管理費や駐車場・駐輪場代などがかかります。それぞれの費用について詳しく見ていきましょう。

1. 固定資産税
マンションの固定資産税は、同じ額で購入した一戸建てよりも金額が高くなります。なぜならマンションの場合、敷地面積を住戸数で割った分が所有区分となるため、購入価格に占める比率が、土地より建物の方が高くなるからです。

固定資産税には軽減措置があり、200平米以下の住宅用地は課税標準額が6分の1に軽減されます。従って土地の比率が減ってしまうマンションは、受けられる軽減措置が一戸建てよりも少なくなってしまうのです。

また、建物の耐用年数が一戸建ては22年、マンションは47年に設定されているため、固定資産評価が下がりにくいことも理由として挙げられます。

2. 修繕積立金
マンションでは大規模な修繕に充てる費用として、毎月修繕積立金の支払いがあります。

マンションの規模や地域によって金額はさまざまですが、東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2020年度)」の調査によると、東京都23区の平均は月1万698円となっています。(※)

また築年数によって修繕積立金は高くなる傾向にありますが、どれだけ上がるかはマンションによってケースバイケースです。

(※)出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2020年度)http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_202105_1.pdf

3. 管理費
マンションでは、共用部分の電気代や水道料金、管理人の人件費、エレベーターの点検費用などに充てる管理費が毎月かかります。

管理に必要な費用は、マンションの規模や設備、管理体制によって異なりますが、国土交通省「平成30年度マンション総合調査」によると東京都で平均1万2275円です。(※)

(※)出典:国土交通省「平成30年度マンション総合調査」
https://www.mlit.go.jp/

4. 保険料
マンションの専有部分が火災や地震などの被害にあったときに備えて、火災保険や地震保険に加入するのが一般的です。

エレベーターや外壁などの共用部分はマンション全体で保険に加入しているため、費用はそこまで高くならないでしょう。保険の種類にもよりますが、5年払いの相場で年間3〜5万円程度です。

5. 駐車場・駐輪場代
マンション内の駐車場や駐輪場を借りる場合は、その分の費用がかかります。駐車場代の相場は月5,000円〜3万円程度です。

ただし、タワーマンションや都心の地価が高いエリアでは、5万円以上など高額になる場合もあります。駐輪場代の相場は月1,000円〜2,000円程度です。

一戸建てとマンションの維持費比較

一戸建てとマンションの年間の維持費を比較してみましょう。

維持費用の内訳一戸建てマンション
税金10万円15万円
保険料2~3万円1~2万円
修繕費(積立金)0~27万円15万円
管理費なし18万円
駐車場・駐輪場代なし12万円
合計40万円~60万円~

一戸建ての年間維持費がおよそ40万円なのに対して、マンションは約62万円です。

マンションの方が、一戸建てよりも維持費が高いという結果になりました。これは、一戸建てに比べて固定資産税が高いことや、毎月の管理費や駐車場・駐輪場代がかかること、修繕積立金を支払う点が理由として挙げられます。

対して一戸建ては、必ずしも修繕費を毎月支払わなければならないわけではありません。また、管理費や駐車場・駐輪場代も不要です。

一戸建ての維持費を抑えるポイント

固定資産税の控除を受けたり、加入している保険を見直したり、こまめにメンテナンスをしたりすることで、一戸建ての維持費は抑えられるでしょう。ここでは、一戸建ての維持費を抑えるポイントを解説します。

1. 固定資産税の控除を受ける
本来、年間10〜20万円ほどかかる固定資産税ですが、住宅の広さや築年数などの条件が当てはまれば控除を受けられます。固定資産税の控除は以下の通りです。

・住宅用地に対する控除
住宅用地であり住宅1戸につき200㎡以下であること。200㎡までの土地は評価額が1/6になり、200㎡を引いた残りの土地は1/3になる。

・新築住宅に対する控除
購入した家が新築であり、床面積が50〜280平米であること。新築されてから3年間は、住宅の税額が1/2になる。

・認定長期優良住宅に対する控除
購入した家が新築であり、床面積が50〜280平米であること。耐久性や耐震性に優れ、認定長期優良住宅の認定を受けていることを条件として、新築されてから5年間は住宅の税額が1/2になる。

2. 加入している保険を見直す
火災保険や地震保険を見直し、もっとお得なプランに変更するという手もあります。進められるがままに契約先やプランを決めてしまい、より安くできる手段を見逃してしまうケースは多いです。

他のプランと比較して検討し直すことで、保険料の削減につながるかもしれません。

3. 建築時に耐久性を考慮する
耐久性に優れた家であれば修繕の機会が少なくなるため、修繕費が抑えられます。耐久性がある建築材料を使用しているかどうかなど、建築前にチェックしておきましょう。

4. こまめにメンテナンスをする
こまめにメンテナンスをすることで、結果的に修繕費用を抑えられます。一戸建ての場合は修繕積立費がないため、メンテナンスをおろそかにしがちですが、そうすると後に大規模な修繕が必要になってしまうかもしれません。

また、天候や環境によって劣化の進み具合は変わります。長く住める状態を維持できるように、こまめなメンテナンスは必須です。最低でも5年に一度は専門家に見てもらい、家の状態によって必要であればメンテナンスを行うようにしましょう。

5. 簡単なメンテナンスは自分で行う
業者にお願いしなくてもできる簡単なメンテナンスは、自分で行うようにしましょう。簡単なメンテナンスを自分で行うことで、大規模な修繕を防ぎ、費用を抑えることにつながります。

フローリングの床は水濡れに弱いため、掃除機でごみを吸ったら空拭きするだけで十分です。水拭きが必要な場合は、固く絞った雑巾などで拭いてください。壁紙が剥がれてきた際には、市販の壁クロス用の接着剤で補強すると良いでしょう。

6. 太陽光発電を取り入れる
維持費用を抑える方法のひとつに、太陽光発電の導入があります。

太陽光発電は初期コストに目が行きがちですが、長期的に見たら節約できる可能性は十分にあるでしょう。なぜなら、太陽光発電によって蓄電することで、自宅で使用する電力を補えるからです。また、電力不足による停電に備えられるのもメリットといえます。

一戸建てを検討している人は、一度シミュレーションしてみて

一戸建ての維持費は年間でおよそ40万円かかり、主な内訳は「税金・修繕費・保険料」の3つとなります。マンションでは管理費や修繕積立金、駐車場・駐輪場代などがかかりますが、一戸建てはその面での費用はかかりません。

しかし、毎月の修繕積立金がない分、日頃からこまめなメンテナンスを行ったり、修繕費用として自分で積み立てをしたりする計画性が必要です。

住宅を買ってから後悔しないためにも、一戸建てを検討している人は、ぜひ一度シミュレーションをしてみてはいかがでしょうか。

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