初心者でも上手く写真が撮れるコツ ~屋上テラスと写真~
空を泳ぐ雲、優雅に飛ぶ鳥、見下ろす街——
屋上テラスにはさまざまな被写体が存在しますが、カメラ経験があまりない方にとって、撮影のハードルは高いです。
そこで今回は、「屋上テラスと写真」と題して、だれでもすぐに実践できる構図を紹介します。基本的な構図を習得すれば、初心者でも上手な写真が撮影可能です。いますぐ構図を覚えて、思い出に残る1枚を撮影しましょう。
1.屋上テラスで撮影できる被写体は?
屋上テラスには、意外にもたくさんの被写体があります。空や雲、太陽といった自然から、インテリアやガーデニング、人物まで、いわゆるインスタ映えする景色は多いです。
これらの被写体は、季節や時間によって表情を変えます。同じ街並みの景色でも、夜明けや夕暮れで雰囲気が変わりますよね。季節によっては、桜や紅葉が映るかもしれません。屋上ではこうした景色をじっくりと味わいながら撮影できます。
ただ、屋上テラスで撮影を行う際に不安なのがカメラの腕前です。
・今は初心者でも撮影できる機能が豊富
現在発売されているスマホやデジカメ、一眼レフには、どれも優れた機能が搭載されています。オートフォーカス(勝手にピントが合う機能)でブレずに撮影ができますし、風景を撮影するモードにすれば、だれでも一定の水準で撮影可能です。そのため、特にカメラの設定を気にする必要はありません。
万が一、上手に撮影できなくても、あとからトリミング(写真を修正する技術)で修正できます。初めからうまく撮ろうとは思わず、まずは屋上で撮影する楽しさを味わいましょう。
ただ、ひとつだけ撮影の際に意識すべきことがあります。それは”構図”です。
上手な写真は決まって構図に優れています。構図が悪い場合、何となく下手な写真になりやすいです。また、構図はあとから変更できないので、撮影の際に決めておく必要があります。(トリミングで編集できますが、ある程度の技術が必要です。)
つまり初心者の方が重視するべきは、カメラの機能ではなく撮影する構図なのです。
・写真の基本的な構図を紹介
構図とは、「被写体を配置する決まり」のようなもの。上手な写真を撮影する方は、構図にこだわっています。初めての撮影でもセンスのある方は、自然と基本的な構図に収まっているケースが多いです。
そこで、ワンランク上の写真を撮りたい場合は、まず構図にこだわりましょう。
ここでは、写真の基本的な10の構図を解説していきます。
・分割構図(二分割・三分割・四分割)
分割構図は「画面を分割しライン状に被写体を配置する構図」です。上記画像の丸部分に被写体が来るように撮影します。
分割構図には、「二分割」「三分割」「四分割」と種類があり、中でも三分割は王道の構図です。できるだけ、上記の画像の交差部分に被写体を置いて撮影してください。これだけで、自然と余白が生まれて上手な写真が撮影できます。
日の丸構図
日の丸構図は「画面中央に丸く被写体を配置する構図」です。シンプルで力強い構図である一方、被写体自体にインパクトがないと、どこか寂しい写真になります。
日の丸構図を利用する際は、できるだけインパクトのある被写体を用意し、ダイナミックに撮影しましょう。
三角構図
三角構図は「画面の中に三角の形を作る構図」です。基本的に被写体が三角形になっていれば、大きさや形は問いません。(小さい三角でも大きい三角でもOKです!)これだけでダイナミックな写真が撮れます。
また三角構図で撮影する場合は、まず基本となる底辺部分(直線)を決めると安定感が出ます。平面的な三角形、奥行きのある三角形など、独自の三角構図を生み出しましょう。
放射構図
放射構図は「収束点と呼ばれる点を中心に被写体を配置する構図」です。奥行きや広がりを生む構図なので、街並みや自然と相性がいいです。
まずは、収束点のある被写体を見つけて、その上で広がりを持った写真を撮影しましょう。
シンメトリー構図
シンメトリー構図は「上下または左右対称に被写体を配置する構図」です。シンプルながら整った印象のある写真に仕上がります。屋上から見える街並みの中に左右対称な部分を見つけたり、太陽を中心に左右対称になる構図で撮影したりと、自分なりのシンメトリーを見つけてください。
対角構図
対角構図は「対角線上(斜めの線)に被写体を配置する構図」です。鉄道や橋など、直線的で立体感のある被写体に向いています。対角構図を使えば、奥行きと躍動感のある写真が簡単に撮影できます。
C字・S字構図
C字構図は「アルファベットのCの形に沿って被写体を配置する構図」です。丸い被写体を撮影する場合、わざと円の端を画角から外すことでC字構図ができます。料理の写真を撮影する際によく使われる構図です。
S字構図は「アルファベットのSの形に沿って被写体を配置する構図」です。C字構図に比べると少し難しいですが、その分写真全体に躍動感を出せます。
Sの形になっていれば、縦・横どちらの被写体でも構いません。例えば、空に浮かぶ雲や街の道路などでS字になる部分を探して撮影してみましょう。
額縁構図
額縁構図は「画面の中にさらにフレームをいれて撮影する構図」です。被写体に枠をつけたような構図になり、大人しくも力強い写真になります。被写体を枠で囲うことを意識して撮影してみましょう。
屋上テラスなら、インテリアやフェンスのすきまから撮影するといいかもしれません。
トンネル構図
トンネル構図は「被写体の周辺を明るくそのほかを暗く配置する構図」です。被写体に目線を誘導し、明暗の差で印象的な写真が撮影できます。
一見、額縁構図に似ていますが、トンネル構図はコントラストが強いため、より被写体が目立ちます。額縁構図と似たシチュエーションで撮影し、周りを暗くすることを意識しましょう。
対比構図
対比構図は「大小・新旧・明暗など被写体の何らかの要素を対比する構図」です。被写体を対比させるため、全体的に雰囲気のある写真が撮影できます。
もっとも撮影しやすいが大小の対比です。大きさの違う花や、前後に飛ぶ鳥などは、屋上テラスで撮影しやすい対比といえます。また夜なら光を利用した明暗の対比が撮影できるかもしれません。自分だけの対比を屋上で見つけてみましょう。
まとめ
今回は「屋上テラスと写真」を解説しました。
屋上テラスは写真を撮影するのに適した場所です。数ある構図を試しながら、思い出に残る1枚を撮影してください。
今回紹介した構図を複数組み合わせることで、さらに魅力的な写真が完成します。ある程度撮影に慣れてきたら構図を組み合わせて、オリジナル構図で撮影してみましょう。