屋上テラスで大人な燻製ライフ。おすすめ燻製レシピとは?
たっぷり時間をかけ、食材を燻して煙でコーティングし、水分が抜けることで味がぎゅっと凝縮される燻製は、冷蔵庫がなかった時代の保存食でした。
現代ではアウトドアのイメージが強い燻製料理。独特の風味と食欲をそそる香りと色味で人気があり、「自宅でも作りたい」と思う人が増えているそう。
煙が出るので室内で作るのはためらってしまうかもしれませんが、自宅に屋上があれば気にせず燻製料理を楽しめます。美味しいものが出来上がるのを開放的な空間で待つひとときは最高ですね。
いつもの食材を一層味わい深いものに変身させる燻製のレシピを、自宅キッチンや屋上テラスでも気軽に楽しめる方法と合わせて紹介します。
静かなブームの燻製とは
香ばしい煙に包まれて、まろやかな味わいで楽しませてくれる燻製は昨今、静かなブームになっています。凝り始めれば奥深い燻製は、キッチンで気軽にできる方法もあり、未経験の人にもぜひ味わってほしい上質な味。はじめに燻製の基本を説明します。
燻し方の種類
燻製の方法には、熱燻、温燻、冷燻の3つがあり、それぞれ燻す時間や温度が異なります。
熱燻は80℃以上の温度で10分から60分程度燻す方法です。
温燻は30℃から60℃の温度で数時間から1日程度。
冷燻は15℃から30℃の温度で1週間から4週間ほど燻します。
冷燻は時間かかることを考えて、上級者向きであることがわかるでしょう。初心者であったり、気軽に楽しみたいと思ったりしているのなら、熱燻か温燻がおすすめです。
スモークウッドとスモークチップ
食材を燻すために必要なスモークウッドとスモークチップ。
スモークウッドとは、木材を細かく砕いたものを棒状に再成形したものです。一旦着火すればその後、一定の時間、煙が上がり続けるため、長時間の燻製である冷燻や温燻に向いています。
スモークチップは木材を細かく砕いたもので、燻す際に直接着火しません。金皿などに置き、下から熱せられることで煙が出ます。向いている燻製方法は、温燻や熱燻。カセットコンロや電熱器などでも使うことができます。
スモークウッド・チップの種類
燻製料理は、味と共に香りを楽しむのが醍醐味。さまざまなスモークウッドやチップの香りの中から、燻す食材やお好みで選ぶと良いでしょう。
日本で人気なのが、サクラ。香りが強く、肉やチーズの燻製に向いています。
クルミは癖のないスモーク材。肉や魚、練り物、チーズなど、何にでも合います。
甘い香りのリンゴも、日本では人気。白身魚や鶏肉など、淡白な味の食材に向いていると言われています。
その他、ブナやナラは、色づきが良いので魚に向いているのだそう。
人気のおすすめ燻製レシピ
燻す前の下ごしらえと、おすすめの燻製レシピを紹介します。
燻製の下ごしらえ3ステップ
肉や魚を燻製料理する場合、まずさばいてから塩漬けします。次に余分な塩を落としたり、水抜きしたりして、形を整えましょう。
下ごしらえの仕上げに、風に当てて乾燥させます。美味しく仕上げるためには、しっかりと乾燥させることが大切です。
尚、極上のオードブルになるチーズや練り物などは、下ごしらえが省略できます。手軽に楽しみたい場合は、下ごしらえ不要な食材を選ぶと良いでしょう。
おすすめ燻製レシピ5選
簡単で人気があるのがチーズの燻製。熱しても溶けないプロセスチーズを選ぶのがポイントです。
豆腐は驚きの変貌を遂げる燻製食材。燻すと、ねっとりとしたチーズのような味わいになります。豆腐はカロリーも低いので、いくらでも食べてしまえそう。
バナナは燻製にすると、とろりとした食感になる人気のフルーツ。果物と燻製は結びつきにくい気がしますが、案外燻すと風味を増すフルーツは多いのだとか。
チキンは淡白な味なものの、スモークするとぐっとうま味が凝縮されます。他の肉類では、ベーコンやソーセージなら、下ごしらえ不要ですよ。
ゆで卵の燻製は「くんたま」と呼ばれ、人気。卵を茹でて、めんつゆにつけて味が染み込んでから燻すと、とろとろで香り高いくんたまが出来上がります。
燻製を自宅キッチンで楽しみたい
本格的な燻製器で味わうのも格別ですが、最近は自宅で手軽に燻製を楽しむ人たちが増えています。燻製は卓上ガスコンロくらいの火力でも作れるので、アウトドア派の人も試してみて下さいね。
では、フライパンを使う燻製の作り方を紹介しましょう。
最初に作るのは、水分が少なく、下ごしらえの必要がないチーズやナッツなどにするのがおすすめ。
食材のほかに用意するのは深めのフライパン、煙を逃がさないよう隙間なく覆う蓋、フライパンの中に入れ食材を置く金網、アルミホイル、お好みの香りのスモークチップです。
フライパンの底にアルミホイルを敷き、その上にスモークチップ、金網を置きます。金網の上にアルミオイルを敷いてチーズやナッツを乗せ、蓋をしてコンロで熱を加えます。
煙が出てきてから10分ほどで完成です。
肉や魚など脂が落ちるものは、スモークチップの上にもアルミホイルをかぶせて燻すと良いでしょう。
奥深い燻製を堪能しよう
アウトドアのイメージがある燻製ですが、気軽に自宅キッチンでも楽しめる方法もあります。しかしやはり煙やにおいがこもってしまうし、ベランダでは近所からの煙に対するクレームが気になってしまいますよね。
住環境によってはお庭でも楽しめるかもしれませんが、燻製作り中は窓を開けられなかったり、洗濯物を干せなかったりと少々気を遣うでしょう。
その点、屋上なら煙は空に上がっていくので心配無用。屋上のある家だからこそできる楽しみの一つですね。
購入すればすぐに食べられる燻製をあえて自家製で楽しむ。この余裕こそが大人の楽しみであり、心を豊かにする「丁寧な暮らし」なのでしょう。
のんびりとした時間の流れを感じながら、じっくりと琥珀色に移ろっていく味わい深い燻製料理を堪能されてはいかがでしょうか。