子育てしやすい街の条件は、治安の良さ・保育受け入れ・行政や地域の支援・医療アクセスがそろっていること。この記事では、23区内4エリア(杉並区・世田谷区・練馬区・港区)と、23区外3エリア(武蔵野市・多摩市・三鷹市)を最新情報とともに解説します。

子育てしやすい街を見極めるポイント

治安の確認

街の治安は、家族全員が安心して暮らすために必ず確認したいポイントです。治安を確認したい時は警視庁のホームページが役立ちます。月ごとの犯罪発生件数を区市町村の町丁別にまとめた資料を公開しているため、気になる街の情報を確認できます。
もっと直感的に治安を確認したい時は、同じく警視庁が公開している「犯罪情報マップ」を見てみましょう。こちらは、子どもや女性をターゲットにした声かけ・つきまとい事案の発生情報が地図上に表示されるツールです。子どもを狙った事案が発生した地域が一目で分かるため、生活や子育てに適した街か否かを判断する基準になります。
また、気になる街が簡単に行ける範囲にある場合は、直接訪れてみるのがおすすめです。現地を自分の目で確認することで、インターネット上の情報では得られない、よりリアルな様子を確認できます。

保育施設の充実度

共働きの子育てファミリー層にとっては、子どもを預けられるかどうかは重要なポイントです。気になる街にある託児所や無認可保育所、認定こども園、学童保育などの数を確認してみてください。
また、待機児童の有無や数も保育施設の充実度を測る指標になります。待機児童が多いほど保育施設に入園しづらいため、自治体のホームページに記載されている待機児童に関する情報も併せて確認しましょう。

行政や地域の子育て支援の充実度

行政や地域の子育て支援が充実していると、子育てがしやすくなります。補助金や無償化などの経済的な支援を始め、保育や医療などで行っているサービスの拡充や、質の向上に取り組んでいる地域だと安心して暮らせるでしょう。
保険診療の自己負担を軽減してくれる「子ども医療費助成」は、多くの自治体が取り入れています。

<その他の支援例>
・妊婦へのタクシー券交付
・子育てに必要な品物(おむつやミルクなど)と引き換えできるクーポンの配布
・2人目以降の保育料無料 など

詳しいサポート内容は各自治体のホームページに書かれているので、確認してみてはいかがでしょうか。

医療施設の充実度

子どもが小さい間は、予防接種や健康診断などを受けるために病院へ通う機会が多いものです。自宅近くに医療施設がない、または住んでいる街以外の病院に通う場合は通院に時間がかかり、その分の負担が増えてしまうため、医療施設の充実度も見逃せないポイントです。
住む街を探す際は、以下を参考にしてみてください。

<医療施設を基準に探すポイント>
・かかりつけ医として利用できる小児科病院は近所にあるか
・夜間や休日に診療をしている病院はあるか
・皮膚科や耳鼻咽喉科などの専門病院があるか

また、子どもが小学生や中学生など大きくなってくると、子どもだけで病院に行くこともあるでしょう。子どもだけでも通院できるよう、交通量を確認した上で安全に通える範囲内に病院がある街を選ぶと安心です。

【23区内】子育てしやすい街4選

東京の子育てしやすい街は杉並区や世田谷区、練馬区、港区が挙げられます。それぞれ特徴や良さが異なるので、自分に合った街を見つけましょう。

杉並区

東京都の西部に位置する杉並区は、公園が多く自然豊かな地域です。

ポイント
・2024年4月の認可保育所「入所決定率」は98.1%を公表。希望児の受け入れが全体として進んでいます。

コメント
治安が良い、家賃相場が低め、子育て制度が充実している、医療機関が多いなど、杉並区は住みやすく子育てがしやすい環境が整っています。
また、区内にはJR中央線や総武線を始めとする4路線が通るなど、利便性が高い点も魅力です。

世田谷区

世田谷区は住宅地がほとんどを占めており、ファミリー層が多い地域です。若者に人気のある商業地である下北沢や三軒茶屋などがあります。教育施設が多くあり、駒沢公園など大きな公園もあるため子育てがしやすいです。

ポイント
・日本初の区立産後ケアセンター(桜新町)を継続運営(ショートステイ・デイケア)。
・保護者の帰宅が遅い日に小学生を預けられる「夕焼けサポート事業」を実施。

コメント
公園・教育資源が豊富で、産後~学齢期まで切れ目のない支援メニューが強み。

練馬区

練馬区は自然が豊かで利便性が高く、暮らしやすい地域です。繁華街が区内にない分、治安が良いとされます。

ポイント
・2025年4月時点で「待機児童ゼロ」を5年連続達成と公表。
・第3子以降に10万円の「第3子誕生祝金」を継続(要件あり)。

コメント
落ち着いた住環境に加え、西武池袋線・大江戸線・東京メトロなど路線の選択肢が実用的。

港区

港区は都心にあり、利便性の高い地域です。日本にある約140ヵ国の大使館のうち80以上が置かれるなど、多文化が根付いています。

ポイント
・国定義で「待機児童ゼロ」を継続(2024年度実績の公表あり)。
・出産費用助成は上限73万円を継続。

コメント
都心の利便性と費用面の手厚い支援が共存。大使館が多く多文化環境にも慣れやすいです。

【23区外】子育てしやすい街3選

東京の23区外の子育てしやすい街としては武蔵野市、多摩市、三鷹市が挙げられます。ここでは、各市の特徴や行っている子育て支援を紹介します。

武蔵野市

武蔵野市は多摩地区の東部に位置し、世田谷区と杉並区に隣接した地域です。

ポイント
・2025年4月も「待機児童ゼロ」を公表。
・子ども医療費助成は「18歳年度末まで」、所得制限なし。

コメント
吉祥寺・三鷹台などエリアごとに雰囲気が異なり、医療・買い物・公園のバランスが取りやすいです。

多摩市

多摩市は自然が豊かで、多摩ニュータウンのある街です。公園やレジャー施設といった子どもが遊ぶ場所や、学校などの教育施設が多いため、子育てがしやすい環境です。

ポイント
「ファミリー・サポート・センター」が送迎や一時預かりを会員相互で支援。
リフレッシュ一時保育(たまっこ)など単発預かりの受け皿も整備。

コメント
多摩ニュータウンを中心に公園・学校・商業施設が近接。地域の相互支援網を活用しやすいです。

三鷹市

三鷹市は東京都の中心に位置する地域です。市内には複数の公園があるため、どのエリアに住んでも子どもが遊びやすいところが魅力的です。

ポイント
子どもショートステイ(最長6泊7日、満1歳6か月〜中3)を案内。
子育て支援アプリ「みたかきっずナビ(by 母子モ)」で予防接種スケジュール管理や情報配信に対応(スマホ・PC)。

コメント
井の頭恩賜公園など緑地・遊び場が点在。アプリやポータルで情報アクセスがしやすいです。

東京の子育てしやすい街を見つけて、安心した毎日を

東京には子育て支援や医療費助成など、さまざまな取り組みをしている自治体が多くあります。引っ越しを考えている場合は、治安やそれぞれの支援策を確認した上で、子育てしやすいと感じられる街を見つけましょう。
そして、家族みんなが過ごしやすい家に住み、快適で安心できる毎日を送ってくださいね。

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