玄関のスマートキーってどうなの?メリット・デメリットや選び方を解説
スマートキーは「玄関ドアの出入りをスムーズにしたい」と考える人におすすめです。車のキーレスのように施錠・開錠ができるため、利便性の向上につながります。
ただ、玄関ドアは家の出入口だからこそ、設置に対して慎重になってしまうもの。そこで今回は、スマートキーのメリット・デメリットや防犯面、選び方など気になるポイントを解説します。
玄関ドアのスマートキーとは?
スマートキーとは、ボタン操作やカードのタッチなどによって開錠できる鍵のこと。従来のシリンダー錠とは違い、鍵穴に鍵を差し込む必要はありません。種類は複数ありますが、どれも簡単な操作で開錠できます。
<主な開錠方法>
・ドアノブへのタッチ
・指紋認証
・暗証番号の入力
・カードの差し込み、タッチ
・キーのボタン操作
・連動したスマートフォンでの操作
スマートキーの種類や選び方については後述します。
玄関ドアをスマートキーにする3つのメリット
玄関ドアにスマートキーを設置するメリットは、主に利便性と防犯面にあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 施錠・開錠の手間が省ける
スマートキーでは、玄関ドアの施錠・開錠のために鍵を取り出す、鍵穴に差し込んで回すといった動作が省略できます。基本的には片手で操作できるので、特に荷物が多いときに役立つでしょう。
2. 防犯面で安心できる
従来のシリンダー錠と比較すると、スマートキーは防犯性能に優れています。
<合鍵の複製>
スマートキーの鍵は一般的な鍵屋では作れないため、合鍵の複製や、それによる不正侵入のリスクを抑えられます。
<不正開錠>
シリンダー錠と違い、スマートキーには鍵穴がありません。鍵穴に特殊な器具を差し込む、ピッキングやバンピングによる不正開錠を防げます。
<鍵の紛失>
スマートキーは失くした鍵だけを無効化できます。第三者による侵入や鍵の悪用リスクを軽減できる上、シリンダー交換の必要がないため費用面でも安心です。
3. 鍵の施錠忘れを防げる
多くのスマートキーにはオートロック機能が搭載されています。出かけてから「鍵を閉めたか心配」と思わずに済む、空き巣被害を防げるなど、施錠忘れによるトラブルを回避できます。
玄関ドアをスマートキーにする3つのデメリット
スマートキーは便利な反面、導入の手間や使用時のトラブルといったデメリットも存在します。導入前に知っておきたい注意点を紹介します。
1. 導入工事・費用が発生する
玄関のスマートキーは後付けも可能ですが、その場合は工事が必要です。スマートキー本体の設置に加え、種類によっては電気配線工事も必要となり、その分の費用が発生します。
導入費用は3万~20万円ほどが相場で、実際の価格は種類によって異なります。
2. 締め出しの危険性がある
オートロック機能搭載のスマートキーを玄関に設置する場合は、締め出しのリスクに注意が必要です。鍵を持たない状態で外に出てしまうと、開錠ができず家に入れなくなってしまいます。
3. 電池・電気によるトラブル発生のリスクがある
スマートキーは電池、もしくは電気によって稼働します。そのため、電池切れや停電が発生すると操作不能に陥り、鍵の施錠・開錠ができない恐れがあります。
スマートキーの気になる防犯面
メリットの章で紹介したように、スマートキーは防犯面に優れています。ただ、車の“リレーアタック”を知っている人は、スマートキーを玄関ドアに設置するのが不安かもしれません。
リレーアタックとは、リモコンキーから発せられる微弱な電波を拾い、車のドアを不正開錠する手口です。電波の増幅と車の開錠が必要なため、最低2人組で行われることが多いとされます。
玄関ドアに設置されたスマートキーが、リレーアタックの被害に遭う可能性はゼロではありません。しかし、リレーアタックは複数人で行う必要がある、開錠までに時間がかかる、特殊な器具が必要といった理由から、玄関ドアのスマートキーが狙われる可能性は低いと考えられるでしょう。
玄関ドアに設置するスマートキーの選び方3つ
スマートキーを選ぶ際に着目したいのは、種類・玄関ドアへの取り付け方法・オートロック機能の有無の3点。それぞれ詳しく紹介します。
1.電源・種類で選ぶ
スマートキーを選ぶ際は、電源と種類にこだわりましょう。電源は設置工事の有無や非常時の対応方法を、種類は使い勝手を大きく左右します。
<電源>
スマートキーの電源は電池式と電気式の2種類です。メリット・デメリットを比較した上で選ぶことをおすすめします。
種類 | 電源 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
電池式 | 乾電池 | ・設置工事が不要 ・後付けしやすい ・停電時も使える | ・電池が切れると動かない ・定期的な電池交換が必要 |
電気式 | 家庭用電源 | ・電池交換が不要 | ・設置工事が必要 ・停電時は使えない |
<種類>
スマートキーには以下のような種類があり、施錠・開錠方法が異なります。
種類 | 施錠・開錠方法 |
---|---|
リモコンキー | 手に持った鍵のボタンを押す |
カードキー | カードを本体にかざす、または差し込む |
暗証番号 | 登録した番号を入力する |
生体認証 | 指紋や顔認証を行う |
スマートロック | 連動したスマートフォン本体、またはアプリを使う |
【防犯】玄関にカードキーを設置しよう|メリット・デメリットを解説
2.取り付け方法で選ぶ
スマートキーを玄関ドアに設置する際は、取り付け方法が住居に適しているか確認しましょう。主な取り付け方法は以下の3種類です。
・玄関ドアに穴を開ける
・両面テープで貼る
・鍵穴に被せる
持ち家の場合は自由に決められますが、賃貸アパートやマンションは契約内容に沿う必要があるため、注意が必要です。基本的には、工事が不要な両面テープか鍵穴に被せるタイプが良いでしょう。
3.オートロック機能の有無・開錠方法の種類で選ぶ
玄関ドアのスマートキーを選ぶ際は、機能面にも要注目。特に、オートロック機能が搭載されていると施錠の手間が省けて便利です。
また「カードキー+指紋認証」「リモコンキー+暗証番号」のように複数の開錠方法があると、締め出しのリスクを回避できます。
玄関のスマートキー設置を検討してみては
スマートキーを設置すると、玄関ドアの出入りがスムーズになるだけでなく、防犯面でも安心できます。ただ締め出しのリスクや、電池切れ・停電発生時のトラブルなどが想定されるため、設置はメリット・デメリットの両方を把握した上で検討しましょう。
スマートキーに関する疑問や心配事は、ハウスメーカーに相談するのもおすすめです。まずは家族で話し合って、気になることがあればプロの意見を聞いてみてはいかがでしょうか。