断熱材グラウウールって何？特徴やメリット・デメリットを紹介

コラム

グラスウールとは、繊維状のガラスを絡み合わせてできた断熱材です。無数の動かない空気層を作るので、熱の移動を抑制し、しっかりと断熱してくれます。

今回紹介するのは、グラスウールの特徴とメリット・デメリットについてです。採用する断熱材に悩んだら、ぜひ参考にしてみてください。

断熱材で使われるグラスウールとは？

グラスウールとは、無機繊維系の断熱材の一つです。ガラスを繊維状にしたもので、その姿がウール（羊毛）に似ていることから名付けられました。繊維同士が絡み合って、無数に動かない空気層を作り、熱の移動を抑制します。

床・壁・天井と、あらゆる箇所で使われている断熱材です。利用される建築物も豊富で、住宅・音楽ホール・高速道路などで採用されています。

断熱材グラスウールの特徴4つ

グラスウールの特徴としてよく挙げられるのは、断熱性や防音性の高さ・水には弱いこと・価格が安いことです。それぞれを詳しく解説します。

1．断熱性が高い
グラスウールは、動かない空気層によって熱移動を抑えるため、断熱性が高いです。動く空気は熱を運んでしまいますが、動かない空気は断熱性に優れています。

グラスウールの断熱性能は「K」という単位で表され、数値が大きいほど性能が高くなります。よく流通しているのは16Kと24Kの製品です。

ただし、グラスウールの厚みによっても断熱性は変わります。高性能のグラスウールを使用しても、厚みが足りなければ断熱性は低くなってしまうので、製品選びには注意が必要です。

2．防音性が高い
防音性の高さもグラスウールの特徴です。音は、固体・液体・気体などを媒介にして振動することで伝わります。しかし、動かない空気層をもつグラスウールに音が届くと、振動する空気に抵抗が生じて音が伝わらなくなります。防音性を高めたい建築物にも有効な断熱材です。

3．水に弱い
グラスウールは構造上、水に強くありません。グラスウールの素材自体は吸水しませんが、空気層の部分に水が入り込む場合があり、そうすると断熱性能が弱まります。

しかし、撥水加工が施されたものや、防湿素材の袋に入ったものを使えば、防水性がアップします。建築物に使われるもののほとんどは、防水対策がされた製品です。

4．価格が安い
リサイクルガラスで作られることが多いグラスウールは、基本的に低価格です。フェノールフォームや吹付断熱は断熱性が高いものの、高価なため取り入れるのが難しいもの。その点グラスウールは、性能に加えコストパフォーマンスも良いので取り入れやすいのが魅力です。

断熱材グラスウールを使うメリットとデメリット

他の断熱材と同様、グラスウールにはメリットもあればデメリットもあります。主なメリット・デメリットを見ていきましょう。

グラスウールのメリット
グラスウールは、高性能で人体にやさしく、価格が安いのが嬉しいポイントです。具体的には以下のようなメリットが挙げられます。

＜主なメリット＞
・コストパフォーマンスが高く、取り入れやすい
・断熱性・防音性など、性能に優れている
・化学変化を起こしにくい素材でできているため、経年劣化や腐食する可能性が低い
・燃えにくく高温に強いガラス繊維なので、火災が起こっても燃え広がりにくく、有毒ガス・有害な煙を発生させない
・曲げたりカットしたりといった加工が容易で、対応できる建築物が多い
・「国際がん研究機関（IARC）」から発がん性の低い断熱材であると認められている

このようにメリットといえる要素が多いからこそ、住宅や公共施設など幅広く採用されています。

グラスウールのデメリット
メリットが豊富なグラスウールですが、多少のデメリットもあります。使用する際は、デメリット対策を忘れてはいけません。

＜主なデメリット＞
・グラスウール単体では水に弱いため、防水対策が必要
・柱や壁との隙間ができると断熱性能が下がってしまうため、施工技術を要する

建築物と隙間ができると、結露ができる原因にもなるので注意。グラスウールを上手に施工するのは難易度が高いとされており、プロに依頼する場合がほとんどです。プロの施工技術であれば、家に歪みが生じたり、地震が起きてもズレにくくなります。

グラスウールを使用する際は、豊富な実績をもつ、信頼できる業者に依頼することをおすすめします。